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『ストリートファイターV』の大会配信をより楽しむための動画勢デビュー講座「カプコンプロツアーの仕組み」

「動画勢」という言葉をご存じだろうか。

世界各地で大小さまざまな大会が開催され、その模様が動画配信されるのが当たり前となった昨今の格闘ゲームシーン。そこには自分でゲームをプレイするよりも、トッププレイヤーたちによる対戦を追いかけ、レベルの高い対戦を観るのが好き、という楽しみ方の人が大勢いる。おそらく自分でプレイする人口よりもはるかにたくさん存在するだろう。

「動画勢」とは、そういったプレイヤーではない格闘ゲームファンを指す言葉だ。かつては「たいしてプレイしてないのに、うまい人のプレイを見てエラそうに講釈をたれる人」といったニュアンスを含め使われていた言葉だが、対戦動画の配信が当たり前になったここ数年ではそういった風潮も薄れ、ただ単にゲーム動画の視聴者を指す一種のネットスラングに落ち着いた感がある。

当たり前だ。自分がプレイヤーではないからといって、サッカーファンが「テレビ勢」と揶揄されることがあるだろうか。

▲ゲーム大会を配信でチェックすることは当たり前になった

ゲームセンターで初代『ストリートファイター』が稼働してから31年。文化として根付いた格闘ゲームの楽しみ方は多様化し、今や「格闘ゲームファン」とはプレイヤーだけを指す言葉ではなくなったのだ。

だが、世間にある格闘ゲーム情報は、そんな新たな格闘ゲームファンに向いているだろうか。専門用語が飛び交うプレイヤー向けの情報も、ゲームの「ゲ」の字も知らない、いわゆる一般層向けのものも、そんな「動画勢」の入口とはなりにくいように思う。

一般向けの報道によって関心を持った新米「動画勢」が知りたいのは、モニターの中の彼らが、どんな大会に挑戦してるのか、彼らの技術はどんなもので、なぜこんなにも華麗に勝てるのか。そこなのではないだろうか。

サッカーが、フィギュアスケートが、総合格闘技がそうであるように、競技というのは「どんな大会ルールなのか」「そこでぶつかりあう技術はどんなものなのか」という情報を知れば知るほど、楽しみは深まる。

アツく華麗な戦いを魅せるトッププレイヤーが、どんな大会に挑戦してるのか? いまの『ストV』業界の話題は? 彼らはどんな攻防をしてるのか?
本稿では、そのあたりの深すぎない内容を、情報過多にならないように紹介していく。

よくわからないけど、なんかスゴそう、そんな新米動画勢をターゲットに、ゆる~くまとめていきたいと思う。

「そんな情報今さら常識だよ!」
「自分でもトッププレイヤー目指してるよ!」

そこまでの人たちには、申し訳ない、ここの話題は浅瀬すぎるかもしれない。知人に「観る専」になりたい人がいるようであれば、この記事を紹介してあげてほしい。

さて、スタンスの表明をしたところで今回のお題。

カプコンプロツアーって何?

「そこからかよ!」という声が聞こえてきそうだが、まずはカプコンプロツアーから紹介していきたい。格闘ゲームの競技シーンを初めて知った人が何に驚くかと言えば、トッププレイヤーたちが挑戦している大会の規模感だ。


日本で『ストリートファイターII』が流行していた、あのころからは想像もつかないような大規模な格闘ゲーム大会が、現代では行われているのだ。

カプコンプロツアー(以下「CPT」)というのは、CAPCOM USAが主催する『ストリートファイターV アーケードエディション』の公式大会である。プロツアーの名のとおり、一年を通して世界各地の大会を転戦し、その成績からシーズン最強のストリートファイタープレイヤーを決めよう、という大会群の総称だ。

世界各地で開催される公式大会で好成績を残したプレイヤーには、シーズンを通してのCPTポイントが与えられる(獲得ポイント数詳細は後述)。一年間、世界各地を転戦してCPTポイントを溜め、2018年の最強候補となった32人には、12月に開催される年間決勝大会「CAPCOM CUP FINALS」の出場権が与えられるというわけだ。

そして文字どおり、2018年でもっとも活躍したチャンピオンたちが集まる「CAPCOM CUP FINALS」トーナメントで優勝したプレイヤーが、CPT2018の覇者となり、シーズン最強の栄誉と、30万ドルを超えると言われる(2017年は37万ドル超!)CAPCOM CUP FINALS優勝賞金を得るのだ。

毎週のように開催されるプロツアー公式大会

CPT2018は、アメリカ・アトランタで3月16日〜18日の3日間にかけて行われた「FINAL ROUND2018」、韓国の強豪INFILTRATION選手の優勝から幕を開けた。

そこから本稿執筆中の5月2日まで、すでに7大会と2回のオンラインイベントが開催されているのだが、その開催ペースと開催地区に注目してほしい。

・FINAL ROUND2018(アメリカ・アトランタ)3/16~3/18
・TGU2018(タイ・バンコク)3/24~3/25
・NorCal Regionals2018(アメリカ・サクラメント)3/30~4/1
・Brussels Challenge(ベルギー・エヴェレ)4/7~4/8
・Fighther's Spirit(韓国・ソウル)4/14
・CPTオンラインイベント(中南米・北1エリア)4/28
・Saigon Cup(ベトナム・ホーチミン市)4/21~4/22
・CPTオンラインイベント(北米・西1エリア)
・Game Over(ドミニカ共和国・サントドミンゴ)4/28~4/29

いかがだろう。3月、4月の2カ月だけで上記の大会数、開催地区である。CPTがどれほどの規模で開催されているか、想像できるだろうか。

カプコンプロツアー公式サイト、CPTルールのページに、大会数についての記載がある。以下、引用する。

CAPCOM Pro Tourは世界各地で開催される競技トーナメント・シリーズであり、使用されるのはCAPCOMの最新格闘ゲーム、「ストリートファイターV アーケードエディション」である。CAPCOM Pro Tourは次の大会で構成される:(1) CAPCOM CUP FINALS(2) Evolution、13回のグローバルプレミア大会、48回の地域ランキング大会、4回の地域決勝イベント(これらをまとめて「グローバルプレミア大会群」と称する)。年末にはCAPCOM Pro Tourの2018年総合勝者を決定するCAPCOM CUP FINALSが行われ、選手はこの大会の出場枠(32名)をかけて争うことになる。

さらに、上記ルールに定められた「グローバルプレミア」大会以外にも、20戦近くのオンラインイベント(地域ランキング大会と同等のポイントが獲得できる)があることも付記しておこう。

当然、多くの大会に出るほど、何度もポイントや賞金の獲得にトライできることになるのだが、考えてみてほしい。日本からアメリカへのフライトは直行便でも10時間を超える。そんな大会に毎週参加することは現実的ではない。


渡航費は捻出できるのか? 週に10時間も20時間も移動時間に使い、大会期間が3日間あった場合、日本の自宅で寝られる時間は? 大会で勝つために確保できる練習時間は? プロツアー参加者はこんな問題の数々と向き合いながら一年間のスケジュールを立てて過ごしているのだ。

大会にはグレードが設定されている

前述のような問題があるため、プロツアー参加者はつねに「どの大会に参加すべきか」の選択を迫られる。最終目標として年末のカプコンカップ出場を目指していた場合、その選択基準となるのは、大会で上位入賞した際に獲得できるCPTポイントだ。

じつはこの獲得ポイントは大会によって違いがある。CPT公式大会にはグレードが設定されている。

……のだが、一気に知識を詰め込んでもそろそろ退屈だろう。CPT大会で得られるポイントについては、またあらためて説明したいと思う。

今回の最後に、もう終わってしまった大会もあるが、5月に開催されるCPT公式大会を紹介しておこう。

・Texas Showdown(アメリカ・ヒューストン)5/4~5/6
・CPTオンラインイベント(欧州・西1エリア)5/5
・CPTオンラインイベント(中南米・南1エリア)5/12
BAM10(オーストラリア・メルボルン)5/18~5/20
・Stunfest2018(フランス・レンヌ)5/25~5/27
・Toryuken(カナダ・トロント)5/19~5/20
・Combo Breaker2018(アメリカ・シカゴ)5/25~5/27


中でもアジア地区で開催される「BAM10」(CPTではオーストラリアはアジア地区に区分される)と、獲得ポイントの多い「Stunfest2018」「Combo Breaker2018」は日本人プレイヤーも多数参加することが予想される。

本稿で興味をCPT観戦に持っていただけたなら、これらの大会の配信など見つけだして観戦してみてはいかがだろうか。

【コラム】『ストV』の画面の見方

ちょっと座学は置いておいて。観戦初心者向けに『ストリートファイターV アーケードエディション』の画面の中でも、知れば知るほど面白く試合が見られるゲージの説明をしておこう。

(1) 体力ゲージ
画面の一番上にある大きいゲージはキャラクターの残り体力。
受けるダメージには赤ダメージと白ダメージの2種類がある。その違いを極力シンプルに説明しよう。

赤ダメージ:攻撃を受けるとただちに減る体力だが、コンボ(連続技)でどのくらい減らされたか、目で見えるようにいったん赤くなってから減る。ゲージが真っ赤になったら「痛ってえー!」と思って良い。

相手の必殺技をガードしたときもこのダメージを受けることになる。『ストII』のころから伝統的にある「削りダメージ」と呼ばれるものだ。
ただし、原則的にこのゲームでは「削りダメージによるKO」はできなくなっている(後述するクリティカルアーツでのみ、削りKOが可能)。

白ダメージ:相手の中攻撃、強攻撃、Vスキル攻撃をガードしたときに発生するダメージ。一種の“ガマン”みたいなもの……なのだろうか。
正式には「リカバリアブルダメージ」といい、一定時間、相手の攻撃をヒットもガードもされずに平穏でいれば徐々に回復していく。
だが白ゲージがあるときに相手の攻撃を一発でも受けてしまうと、回復できてない白ゲージはすべて消し飛んでしまうため、白ゲージのあるときはなるべく相手との距離を置くのがセオリーだ。

▲リュウ(左)の体力ゲージが一部白になっている

(2) スタンゲージ
体力ゲージの下にあるオレンジ色の小さなゲージ。攻撃を受けると増加していき、満タンになると一定時間、攻撃もガードもできないスタン(気絶)状態となってしまう。

もちろんスタン状態になると相手は最大ダメージの連続技を叩き込んでくるため、スタンを取られたラウンドは極めて敗色濃厚となる。ゲージの見た目は小さいが、あまりにも大きな意味を持つゲージである。

上記の白ダメージと同じく、攻撃を触れさせずに一定時間が経過すると回復し始めるので、白ダメージやスタンゲージを溜め込んだプレイヤーが距離をおいて回復を図るのか、それとも攻め続けることで回復を図るのか、そのあたりの駆け引きは大きな見所となる。

(3) EXゲージ
画面いちばん下にある、青白いゲージ。攻撃を当てても当てられても溜まるのだが、自ら必殺技を出すか、技を相手にヒット、ガードさせるかをしたときにより多く溜まるので、「攻めると溜まる能動的なゲージ」だと思ってもらえれば概ね間違ってはいない。

3つまで溜めることができ、これをひとつ消費することで必殺技の強化版である「EX必殺技」を出すことができる。

▲EXゲージを消費したEX必殺技

3ゲージすべてが溜まっていると、さらに強力な「クリティカルアーツ(以下CA)」を出すことができる。このCAは、威力が強力なうえに、ガードされてもそこそこのダメージを与え、さらには削りによってKOする力も持っている。

▲春麗のクリティカルアーツ

(4) Vゲージ
EXゲージの上にある赤いゲージ。キャラクターによって、2つ溜まるキャラと3つ溜まるキャラがいる。原則的には、自分の体力ゲージが減ったときに増加するので“逆転用のゲージ”だと思ってもらえれば概ね認識は間違っていない。能動的に溜めるには「Vスキル」という特殊技をヒットさせる必要がある。

このゲージをひとつ使うことで、自分がガードしているときにすかさず出せる反撃技「Vリバーサル」を出すことができる。反撃手段として強力なうえに、Vリバーサルを出すことで前述のスタンゲージの回復ができるのだが、Vゲージを満タンまで溜めると使える「Vトリガー」(後述)がさらに強力なため、おいそれと無駄遣いできないのがVリバーサルだ。

さて、Vリバーサルの説明で少しだけ触れたが、Vゲージを満タンまで溜めると使えるのが、「Vトリガー」という特殊行動だ。
Vトリガーは回数制限のある強力な必殺技が出せるようになったり、そもそもキャラクターの能力が向上したりとキャラクターごとにさまざまな性能だが、いずれも基本的には超強力な行動となる。

体力と引き換えに溜まる逆転ゲージということで、もう少しで満タンになる局面ではあえて相手の中攻撃をガードしてVゲージを満タンにしてから反撃に移ったり、その逆に相手のゲージを溜めてしまわないようにガードされない反撃で勝負を決めるように戦術を変化させたりと、試合の流れにも大きく関わるゲージなので、最初はわかりにくくともぜひ意識して観戦してみていただきたい。

▲豪鬼のVトリガーを発動させたところ

さていかがだっただろうか。正直、トッププレイヤーたちの対戦を理解するにはまだまだ情報不足だが、自分ではプレイしないまでも、少しでも格闘ゲームに興味を持って観戦してもらえればとの思いから、こういった記事を提案してみた。これから動画勢として『ストV』を楽しんでみようという方がいれば、これらの知識があればさらに楽しめるはずだ。ひとまずはこちらの知識を何となくでいいので覚えたうえで、大会をチェックしてみてほしい。

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■関連リンク
ストリートファイターV アーケードエディション
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