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【LoL 2018春プロシーン】LCK Spring Split、MSIへと向かう完全無欠の王者【LCK】

世界各地で熱い戦いが繰り広げられている『リーグ・オブ・レジェンド(LoL)』プロシーン。その中でも最も注目されているのが韓国一部リーグ「League of Legends Champions Korea(LCK)」だ。8年目に突入し7回の世界大会を開催してきた『LoL』プロシーンでは、5回の世界王者を輩出している韓国。そんな地域であっても、昨年後半より強豪の失墜と新鋭の台頭が起きつつある。春夏間の国際大会「Mid-Season Invitational(MSI)」へ向けて、この春に「最強地域」で一体何が起こっていたのかを振り返る。

レギュラーシーズン結果
1位 Kingzone DragonX(16勝2敗)
2位 Afreeca Freecs(13勝5敗)
3位 KT Rolster(13勝5敗)
4位 SK Telecom T1(9勝9敗)
5位 KSV eSports(9勝9敗)
6位 ROX Tigers(9勝9敗)
7位 Jin Air Green Wings(7勝11敗)
8位 bbq Olivers(6勝12敗)
9位 MVP(6勝12敗)
10位 Kongdoo Monster(2勝16敗)

プレイオフ結果
優勝 Kingzone DragonX
準優勝 Afreeca Freecs
3位 KT Rolster
4位 SK Telecom T1
5位 KSV eSports

失墜する王者たち

昨年夏以来、不調にあえぐSKT。トップ偏重メタであるLCKにおいて、トップレーナーがその役割をしっかりと果たせないのは致命的だ。ジャングラーのBlank選手も大きな批判にさらされ、サポートであるWolf選手をジャングルに一時転向させるなどの迷走も続いた。春スプリット前半の連敗中には、チームの大黒柱たるミッドのFaker選手の精神状態も体重が減るほどだったという。レギュラーシーズン最終盤には他チームの結果でプレイオフ出場が決まるところまで追い詰められてしまった。

昨年にSKTを破って世界王者の座をつかんだKSVも、春スプリット開始時の滑り出しは上々だった。しかしゲームバランスは常に変更され続け、プロチームは選手個人の資質とチーム全体の適応力を問われ続ける。パッチ8.2の変更以来、ミッドのCrown選手は試合で影響力を発揮することができなくなってしまった。マップの要たるミッドが影響力を行使できなければ、ジャングルであるHaru・Ambition両選手は思うように動くことができない。ジャングルが思うように動けなければ、チーム全体のゲームメイクが難しくなってしまう。こうして昨年の世界王者も失速することとなる。

▲自力でのプレイオフ出場が難しくなってしまった最終週のKZ戦後、選手席で涙にくれるCrown選手。公式試合動画(※)より
※ https://www.youtube.com/watch?v=qaa42OyDE4U

一方で、KSV(当時はSamsung Galaxy)に昨年の世界大会準々決勝で苦杯をなめさせられたKingzone(KZ)は、選手個人とチーム連携の両面において脂の乗り切ったプレイで圧倒的な勝利を収め続けた。ジェイスの名手として知られるトップレーナー・Khan選手はその他のチャンピオンでも素晴らしいプレイを見せ、ミッドのBdd選手も多彩なチャンピオンで対面を圧倒。オフシーズンに加入したジャングラーPeanut選手も持ち前のアグレッシブさで試合を牽引し、ROX在籍時に彼と長らくチームメイトだったボットデュオのPraY・GorillA両選手との息はピッタリだった。かくしてKZは、堂々たる優勝候補としてプレイオフ出場を早くから決めていた。

LCKのプレイオフは、レギュラーシーズン5位までのチームが上からシード配置され、つねに上位チームに挑戦していく形のプレイオフ「King of the Hill」方式。ラウンド1はそれぞれ5・4位に滑り込んだKSVとSKTの対戦で、苦闘の果てにCrown選手が見出した「ヴェル=コズ」をSKTが念入りにバンしたうえ、トップ・ミッドを念入りに潰すという鉄板の戦略でSKTが勝利をつかんだ。勝ち上がったSKTはラウンド2で3位のKTへ挑むが、KTはしっかりとしたドラフトでSKTを下す。

この敗北をもってSKTはMSI出場が不可能となり、今年のMSIは大会設立後初めての「SKT不在のMSI」となることが確定した。がぜん勢いづくKTだが、ラウンド3ではAfreecaが繰り出した「ユーティリティ・ヤスオ」というユニークな戦術の前に敗れ去ることとなる。プレイオフ決勝はKZ vs Afreecaとなり、1戦目を速攻封殺に近い形でAfreecaが先制する。が、2試合目以降はKZの個人技とゲームメイクがことごとくAfreecaの機先を制し、3勝1敗にてKZが昨年夏からのスプリット連覇を達成したのだった。


新たな血

昨年は元SKTのトップ・MaRin選手を擁したものの上位チームに上がることがかなわなかったAfreeca。そのMaRin選手の穴を埋めた若手であるKiin選手は、事前予想を超える大活躍でAfreecaをレギュラーシーズン2位へと導いた。初めての大舞台でもあるプレイオフ決勝でも、LCK屈指のトップレーナーであるKhan選手を相手取って決して引かないプレイを披露し、その才能を大いに示したと言えるだろう。

▲Finalの選手席でプレイするKiin選手

Kiin選手のほかにも、一部リーグで存在感を示し始めている若手選手が増えている。春のプレイオフ出場をKSV・SKTと争って逃したROXのLava選手(ミッド)、その次につけた中堅チームJAGのUmTi選手(ジャングラー)は各所で光るプレイを見せてくれた若手の代表格だろう。調子を落とし続けているSKTではあるが、Thal選手(トップ)、Blossom選手(ジャングル)といったルーキーたちの奮闘も忘れてはならない。

そして最後に、この春のスーパールーキーであるKTのUcal選手(ミッド)は、スーパースター揃いのメンバーの中で、大ベテランであるPawN選手とポジションを分かち合うほどの実力を見せてくれた。彼らに足りないのは何よりも経験だ。場数を踏むごとに成長していく若手たちのプレイングに、この夏も注目していきたい。

韓国人選手たちの現状

2014年末の「Korean Exodus」以来、韓国人選手は外人傭兵として世界各地のプロシーンに欠かせない存在となっている。韓国外でも活動している選手を含めて、昨年以降の潮流を見てみよう。

昨シーズンをSKTで過ごしてから、再び北米チームへ移っていったHuni選手は、Echo Foxをプレイオフ3位につける原動力のひとつになった。北米や中国で韓国人選手が好まれるのは、試合を決めてしまう圧倒的な個人技が求められる傾向があるためのようだ。

プロスポーツクラブが豊富な資金を元に、国際大会での成果を手にしたがっているのがトルコで、背景には昨年の世界大会で「1907 Fenerbahçe Esports」がグループステージまで駒を進められたことがある。ここからトルコは世界の強豪地域を相手に戦える地域という認識が広がり、この春スプリットに先駆けて韓国人移籍ブームが起こったため、現在はトルコリーグの全チームが外国人選手枠いっぱいまで韓国人選手を抱えている。

ヨーロッパでは韓国人選手の総数が大幅に減っているが、北米リーグのフランチャイズ化や、昨年世界大会で活躍した韓国人選手の帰国といった、複数の要因が絡んでいるのだろう。

ひるがえって韓国を見ると、ヨーロッパで活躍した後にLCKチームbbq Oliversへ加入したTrick選手・IgNar選手の両名は、チームを躍進させるまでに至らなかった。しかしKTへ加入したRush選手同様、すでに築き上げた欧米での人気があることから、チームは彼らを放出する気はないようである。夏スプリットへ向け、LCKへ「帰還した」選手たちがどのようなチームワークを組み上げるのか、こちらにも注目したい。

LCK Final 現地観戦記 in 釜山

さて、今回筆者は4月14日に韓国は釜山で開催されたプレイオフ決勝戦「LCK 2018 Spring Final Kingzone DragonX vs Afreeca Freecs」の現地取材を行った。少しではあるが現地の様子を読者の皆さんにもお伝えしたい。


会場は釜山市内にある「Sajik Arena」。残念ながら当日は雨が降っていたため、晴天時は外で行われるイベントの多くがロビー内で行われた。決勝進出チームであるKZ・Afreeca双方がチームグッズ販売ブースを設けていたが、開会式前に完売してブース撤退作業を行っていた。プロコスプレイヤーの撮影・サイン会や、他LCKチーム選手との交流会などもサイドイベントとして行われていたようだ。

▲会場内外の設置ブースの一部。LCK出場チーム「bbq Olivers」のタイトルスポンサーが展開するフライドチキンチェーン「BBQ chickens」は、今年のエイプリルフールイベントで販売されたスキン「トリオ」を看板に起用した特設ショップを展開(左上)。ロビー内にはコスプレイヤー撮影ブースがあり、Riot Korea名物のティーモ像にくわえ、ゲーム中に登場するモンスター「リフトスカトル」のコスプレ衣装も並べられた(右)。『LoL』ファン垂涎の公式グッズストアも(左下)

▲公式グッズストアでは、フィギュア(上2枚)やポスター(左下)からアパレル(中下)、アクセサリー類(右下)までさまざまなグッズが販売され、熱心なファンが行列を作って買い求めていた

▲試合会場には3面×2=合計6面のモニターが設置されており、観戦環境としては非常に見やすくストレスフリー。観客席はほぼ満員で、KZとAfreecaの選手ブース正面は各チームの「サポーター応援席」となっており、試合開始直後にはLCKおなじみの声援の掛け合いも

筆者らはKZの出場選手たちの表情をかなり近くで捉えることができた。対戦前の緊張した面持ちと、優勝後のリラックスした表情をぜひ見比べていただきたい。

▲オープニングセレモニー直前、Kingzone DragonX側ブース内の様子。選手たちがデバイスの調整などを行っている

▲同じくKZブース内のKhan選手(左上)、Bdd選手(右上)、PraY選手(左下)、GorillA選手(右下)

▲優勝後のインタビューでは各選手の顔に安堵と笑顔、そしてユーモアが戻る(上左右)。シャンパンシャワーはKZのチームロゴ入りシャンパンで行われた(左下)。プレスインタビュー中のHirai監督(右下)

▲Peanut選手&元ROXの3人組。オープニングセレモニーセレモニー前のブース内のPeanut選手(左上)、優勝後インタビュー中のPeanut選手(右上下)。プレスインタビュー後には3人でトロフィーを持ってもらった(左下)

試合開始まえ、選手紹介がモニターで流されている間も、人気選手が映されると会場ではたびたび大きな歓声が上がる。見せピックやサプライズピック、ビッグプレイといった瞬間にも観客席は大いに湧き、韓国での『LoL』観戦への大きな熱を感じることができた。会場内では欧米からとおぼしき観客の姿や、海外メディアの取材陣を見かけることもあり、国際的な注目も大きいことがうかがえる。

筆者が個人的に強く感じたのは、「韓国であっても日本であっても『LoL』が好きなファンの熱意は変わらない」ということだ。LCK Finalを観戦しに来ていた韓国の若者たちと、昨年までのLJL Finalの日本の若者たちのあいだに、大きな違いなどまったくない。だが、地域の競技シーンを育てるのはその地域のファンやプレイヤーたちにしかできないことである。皆で大いに楽しむことこそが地域の未来を切り拓いていくのだと、大いなる先輩・韓国からは学ぶことができるはずだ。

執筆:山口佐和子、ユラガワ
写真撮影:Takanori Yoshida、山口佐和子
取材協力:KeSPA
スペシャルサンクス:スイニャン
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