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【特別企画】Team Liquid ネモ選手インタビュー・前編「新環境と、勝ちを見据える視点と現状」

当ALIENWARE ZONEでも、コラム「勝てるゲーマー論」を寄稿しているプロ格闘ゲーマーのネモ選手。「勝つため」の攻略方法や持論をはじめ、兼業である社会人プロゲーマーとしての目標、スポンサー獲得に至るまで苦労や喜びなどを書き連ねた内容で、現在までに18回の掲載という数を重ねている。

2018年3月には欧米の名門eSportsチーム「Team Liquid」に移籍し、同時期に入門した竹内ジョン選手ともども、これからの活躍にもますます注目が集まっているネモ選手。そこで、「Capcom Pro Tour」の戦いが本格化する直前の4月に、特別編としてインタビューを敢行した。4月公開の前編では、「FINAL ROUND」から鑑みた「Capcom Pro Tour」への意気込みや、バージョンアップを重ねる『ストリートファイターV アーケードエディション』(以下『ストV AE』)に対する接し方などを伺った。

転職や移籍などの激しい環境変化の中でも、さらにプロゲーマーとしての活動と戦績に磨きをかけているTeam Liquidのネモ選手。

メディアへの露出を通じてスポンサーに還元したい──「Team Liquid」について

──ALIENWAREからスポンサードを受けていたころと、Team Liquidに移ってからで、大きな変化はありましたか?

ネモ:個人的には、ユニフォームが変わったくらいの印象ですね。スポンサー企業が増えたことで、メディアへの露出も増えていくんじゃないかなと思うので、もう少ししたら変化を実感するのかもしれません。
ただ、「いま結果を残すしかない」ということはつねに思っています。ALIENWARE様にスポンサードしていただいて結果を出せたからTeam Liquidに移籍することができましたし、それに伴って契約の条件もすごく良くなったので、結果を残すと後々いいことがあるのは身をもって経験しました。

先日の「FINAL ROUND」に参加したときは、Team Liquidのスタッフが活動を補佐してくれましたね。「何時から試合が始まるよ」っていう連絡もそうですし、大会中は飲み物や食べ物を調達してくれるんですよ。基本的にはPR目的ですが、自分たちが試合しているときはSNSに発信する写真を撮ってくれたりするので助かります。

──「こういったものを」というチームからのオーダーや指標は何かあったりするのでしょうか。

ネモ:Team Liquidは、プレイヤーへの理解がすごくあるところなんですよ。「彼は兼業でやってるから、思うほど大会には出られないかもしれないよ」とスポンサーに説明してくれましたし、(竹内)ジョンくんには「海外に行けていないならどんどん行きなよ」ということで行かせてくれるんですよね。

──竹内ジョン選手の「プロゲーマーになりたい」という本気ぶりをネモさんは以前から買われていましたが、チームメイトとなりましたね。

ネモ:自分は先にTeam Liquidへ移っていたので「EVO Japan」で活躍したジョンくんを推薦できただけですし、彼はちゃんと結果を残したので、ご褒美をもらえたんだと思います。同じチームになれたのは相応の結果だったと思いますし、特に同じチームになれてよかったという感想はなくて、これからお互い頑張っていこうっていう感じですね。

──チームを通して、これからやっていきたいという新たな目標はできましたか?

ネモ:プロゲーマーやeSportsがすごく注目されているので、結果を出すことやメディアへの露出を通じてスポンサーに還元できるようなことはしていきたいですね。自分が活躍することによって、スポンサーも「じゃあ、何かイベントを開こう」っていう動きが増えたりすると思うので、ファンの方々にはそういうイベントに気軽に参加してほしいです。


ポイント獲得は今後ますます激戦化していく
──「FINAL ROUND」と「Capcom Pro Tour」について

──Team Liquid所属として「FINAL ROUND」に参加していましたが、気負いを感じる場面はあったのでしょうか。

ネモ:2018年の「Capcom Pro Tour」一発目ということと、『ストV AE』のバージョンが変わってから初めての大会だったので、きちんと結果が出せるのかなっていう不安はありましたね。「EVO Japan」のときも同じだったので、これに関してはしょうがないなという感じです(笑)。

トーナメント運も良かったですし、優勝したかったっていうのが正直なところです。ガチくんとの試合はCA削りで“勝ち確”だったんですが、焦って体力ゲージしか見ていなかったので負けてしまったんですよ。削りではなく中段を打ったら向こうが暴れたんですが、その暴れも本来だったら通っていないことだったので、明らかに自分のミスでした。

──「焦り」があったんですね。

ネモ:「どうしても勝ちたい」っていう気持ちと「Capcom Pro Tour」一発目の大会でトップ8に残りたいっていう気持ちが、すごく強かったんです。「ここは優勝したい」と思う時って、ラクをしたくなってしまうんですよね。逆に「どうせ勝てないだろうな……」という場面では全力を尽くして試合に挑むので、冷静なんですよ。「これは勝てそうだな」って思う時って、だいたい成績が良くなかったりしますね。

──トーナメント運が良かったと仰っていましたが、選手よりキャラを重視されていたんですね。

ネモ:ユリアンだとやっぱりキャミィがキツいので、キャミィ使いと当たる確率はどうなんだろうとトーナメントを見てみると、ルーザーズへ行くと確実に当たってしまうんですが、ウィナーズのままいけば当たらずに行けるかも知れなかったんです。なので「Final Round」ではどうしてもガチくんに勝たないといけない場面だったので、焦りが出てしまいましたね。

──5位という結果については、どう思われているのでしょうか。

ネモ:5位という成績自体は、すごくいいものだと思うんですよ。ただ、これからポイントをどんどん獲得しなければいけないのですが、自分が「Capcom Pro Tour」に参加できる回数は決まってるんです。なので、これからの大会でどこか優勝しておかないと厳しいんじゃないかなと思ってます。
最近は強い選手にはスポンサーがついてますし、海外大会に参加しやすい状況になってきているので、強豪たちが「Capcom Pro Tour」を回ると思うんですよ。その中で上位に毎回安定していられるかというと、正直厳しんじゃないかなって。ときど、インフィルの強さは安定しているんですが、同等のプレイヤーはそんなにはいないので、ポイントが均等になることでハードルがどんどん上がるんじゃないかなと。

──ときど、インフィルトレーション両選手がドンと抜けた時、それより下位は同じくらいのポイントになってしまう可能性があるということでしょうか。

ネモ:それもありますし、彼らが予選に参加しなくなるとボーダーラインが上がっちゃうんですよ。去年のボーダーは800ポイントだったんですが、アメリカでPunkは3000ポイント、NuckleDuが2000ポイントを稼いでいました。
でも自分は出場回数が限られてるので、これが今年も起きると上位に行くだけだとポイントが足りなくなっちゃうんじゃないかなと。ポイントがまとまってもらえる「EVO」などの大会では絶対に上位にいかなきゃいけないなと思ってますし、逆にプレミア大会のどこかで優勝できないと、ポイントレースでは勝てないんじゃないかなって。


「勝つため」にはサブキャラの育成も検討
──『ストV AE』現在のシーンについて

──キャミィ使いとは当たりたくないと先ほど仰っていましたが、そのほかに「当たりたくないキャラ」がいましたらお教えください。

ネモ:バーディー使いですね。選手ではなくキャラクターによる好き嫌いもあるんですが、それでもやっぱり上位に残りそうな強い人たちは軒並みキャミィ使いなんですよ。勝ち切るのは難しいんじゃないかなって不安もあるんですが、自分は「Capcom Pro Tour」ってそういう見方はあまりしていないんですよ。去年もそうですが、当日予選を勝ち上がればいいという考えなので。

──ちなみに、ユリアンからのキャラ替えを検討されているのでしょうか。

ネモ:基本的にはユリアンでいきますが、どうしても勝てないキャラクターに対してそのまま行くというのはちょっとよくないので、新キャラの「ファルケ」と「G」を使ってみたいなという思いはありますね。これまでの『ストリートファイター』シリーズに出てきていない、まったく新しいキャラなので(笑)。

実は前のシーズンから「1キャラだけで本当にいいのか?」って、ちょっと思ってたんですよ。いまのシーズンで強いキャラが次シーズンでも強いままなのかどうかわからないですし、また調整が入る可能性もあるので、そのときに違うキャラにするのかというと、やっぱり経験値の差もあるので勝ちにくいだろうなとは思ってるんです。なので、できれば2キャラを使える状態にしておきたいなと。

──選手よりもキャラを重視されているというお話がありましたが、いちゲーマーとして超えたいという選手はどなたかいらっしゃいますか?

ネモ:勝ちたいプレイヤーが多いのは事実ですね。自分が高校生のとき、毎日のように対戦していたウメハラさんが格ゲーのシーンやプロ格闘ゲーマー業界を引っ張ってくれてますし、今でも強いじゃないですか。自分はやっぱりウメハラさんに勝てないという苦手意識を持っているので、なんとかして勝ちたいとは思ってますし、去年は自分だけではなくときども一緒に活躍した状況なので、そこも止めたいなとは思ってるんですよ。

ときどとは一番多く対戦していて、シーズン2になったときに自分はユリアンに、ときどは豪鬼にキャラ変えをしたとき、キャラの操作がお互いに不慣れな状態だったので、年末年始休暇の一週間で1000試合くらいやったと思います。


後編では、Team Liquid移籍後の社会人プロゲーマーとしての活動や仕事のこと、プライベートのこと、そしてプロゲーマーになるには、といった心構えなどをうかがっている。
※5月25日頃公開予定です。


■関連リンク
・ストVゲーマー・ネモの勝てるゲーマー論
https://alienwarezone.jp/writer/32
・ネモ選手のTwitter
https://twitter.com/good_nemo

■取材協力
スタジオスカイ
ももち選手が代表を務める株式会社忍ismが運営する、JR山手線大塚駅から徒歩3分のスタジオ。
住所:170-0005 東京都豊島区南大塚3丁目48-1 NCビル4階
http://www.studiosky.jp/
スト5ゲーマー・ネモの勝てるゲーマー論