ALIENWARE ZONE

facebooktwitter
ALIENWARE SHOP

CULTUREPCゲームカルチャーに関する情報満載!

「バランス調整」と「勝利」に思う。スト5ゲーマー・マゴのゲーム人間論 第14回

少し前までダウンコートを着なければ外を歩けなかったのに、数日経っただけで上着無しじゃないと暑くて外も歩けない。そんな気候の変化に戸惑いを隠せません。
春服って……いつ着るんでしょうね……。

こんばんは。マゴです。

季節の変わり目だからなのでしょうか。我らが『ストリートファイターV』が緊急?でキャラクターバランス調整を発表し、そのすぐ翌日にオンラインにてアップデートが行われました。
僕の読みでは、調整が入るとしても8月にアメリカにて開催される『EVO』の後かな? と思っていたので、かなりビックリしました。まぁ人によっては「当然でしょ」と思うのかもしれませんが、強くて面白いキャラという意味でラシードにメインキャラを変更したばかりだったので、ビックリくらいはさせてください(笑)。

『ストリートファイターV』のキャラクターバランス調整は、基本的には1年に1回程度です。
ですが、あまりにも多くのユーザー達が満足できない環境になった場合は、緊急で調整が入ることもあります。シーズン2でも1度ありました。それが今シーズンでも入る事になったわけです。

シーズン2の時はあまり大きい調整ではなかったのですが、今シーズンは違います。
シーズン3でのキャラ情勢を、大きく変えるような調整内容となりました。

その調整内容は、コチラ。

アビラシ環境の終焉。そして新バージョンは?

シーズン3(Arcade Edition)が開幕して間もなくのころ、一部のプレイヤー達の間では、本作はこう言われていました。

『アビゲイルエディション(Abigail Edition)』

または、

『アラブエディション(Arab Edition)』

アビゲイルは名前そのままで、アラブは中東のキャラクターであるラシードのことですね。
つまりは、明らかにキャラパワーの高そうなキャラ達の名前や設定を引用して『AE』という略称に無理やりこじつけていたわけです。


さて、そんな風に言葉遊びをされるぐらいシーズン3で目立っていたキャラのアビゲイルとラシードは、今回の調整で当然の如く大幅な弱体化(通称ナーフ)を受けることとなったわけです。

調整内容を大雑把にですがまとめてしまうと、

・アビゲイル
火力が大幅に低下。
小技からのコンボルートのほとんどを削除。
起き攻めのループ性が低下。

・ラシード
複数の通常技、必殺技の性能を低下。
ワールショットなどを使った固め性能の低下。
画面端から脱出性能の低下。
VT2発動時の火力の低下。

まぁ、なんというか……

アビラシ環境は完全に終焉を迎えましたね(笑)。

どちらも大幅なナーフを受けたとは言え、元々の性能が高かったからか、調整後も中堅ぐらいの性能は持っているとは思うのですが、これまでのように自信を持って戦うのは難しくなってしまったのかなと。

さて、アビラシ環境が終わったということは、次の強キャラ達が必ず台頭してくるということです。
折角なので、個人的に強いのではないか? と予想しているキャラを挙げていきましょう。

まずはこの2キャラ。

・豪鬼、キャミィ

調整前の段階でかなりのキャラパワーがあったのにも関わらず、今回の調整でほぼナーフが無かったキャラですね。
特別苦手なキャラも存在せず、新バージョンでも活躍してくれること間違いなしなのかな、と思っています。


そして、次点。

・メナト、バーディ

この2キャラは元々ポテンシャルこそあったものの、最上位に君臨していたアビラシに対して相性が悪かったので、前バージョンでは目立ってはいませんでした。
いや、実を言うと、メナトは割と目立ってはいたと思うんですけどね(笑)。

アナログからデジタルへ。

僕らがスーパーファミコンやプレイステーション、はたまた『ストリートファイターII』などのアーケードゲームを遊んでいたようなころの、発売したら次のナンバリングまではアップデートがされないアナログな時代。
今はあのころとは違い、近年のゲームはメーカーさんがより良いゲームにしようとする努力をしてくれるため、どんなジャンルであってもオンライン上にて「バランス調整」なるものをしてくれるデジタルな時代になってきました。

ほら、皆さんがやっているスマホゲーやオンラインゲームも、

「このカード強すぎるなぁ。」
「この武器、どこで使うの?」
「あれ? ここでこれやってたら安定じゃね?」

と思うようなことがあったとしても、数日後、遅くとも数週間後にはアップデートにて調整される事ってあると思うんですよ。というか、確実にあると思うんですよ。
これまで強いとされていたモノが弱体化(ナーフ)され、弱いとされていたモノが強化(通称バフ)されます。みたいな。

これによって、固定化された勝ち方を続けることはできなくなります。
新しく戦略を練り直す必要を生じたり、これまでに使われていなかったキャラクターやカード、武器にスポットを当てることで、いつまでもユーザーに対してゲームに飽きさせないようにする、というモノだと思っています。

昔の時代はバランス調整がされないために、強キャラが長期間猛威を奮い続けたり、弱いとされているキャラクターを使っている人は、勝つために強キャラを使っている人より努力しなければいけませんでした。
そして、アップデートそのものがない弊害として、本来不具合であったであろうはずのシステム(永久コンボやガード不能など)が存在し続け、仕方なくそれが当たり前のように戦略に組み込まれるようになっていたこともありましたね。

まさに「なんでもアリ(バーリトゥード)」な時代。
それはそれで面白かった時代なような気がします(笑)。

が!
しかし!

それはあくまで昔の話であって、今は違います。
今時のゲームは皆個性のあるものばかりなので、飛び抜けて強いキャラというのは常にいますが、それは固定化されているわけではありません。バージョンごとに、強キャラは変わっていくのです。
何か新しいテクニックが発見されたとしても、次のバージョンでは使えなくなっている可能性が高く、各バージョンで常に新しいテクニックを発見し続けるか、知識や技術ではない、別の「何か」を鍛える必要な時代になってきたのかも知れません。

「勝利」を得る為に。

世は戦国。
世界的にeSportsが注目されてきていて、FPSやRTSのジャンルだけでなく、格闘ゲームでもカプコンプロツアーのような多額の賞金付き大会が開催されるようになってきました。

つまりは、それに参加するプレイヤー達は皆、賞金大会が無かったこれまでよりも「勝利」に貪欲になるべき時代になってきたのかな、と思っています。

僕はキャラを変えるのはあまり好きではないし、複数のキャラを使うのも好きではありません。
それはもちろん、自分がたまたま強いキャラを使っていて、ある程度の勝利を得られていたからというのもあります。『ストリートファイターIV』でヤンを使っていた時にも思っていたことでした。

何故ならば、格闘ゲームの「深さ」については、1キャラクターのポテンシャルを最大限引き出すことで覗くことができるもの、と思っているからです。
そのポテンシャルを引き出すためには技術の研磨、そして知識の蓄積が必要なので、他のキャラクターを使いこなせるようになるまで費やすほどの時間は自分にはありません。でも、その深淵を覗いた者同士の戦いは、何よりも面白かったですね。

自分は他のジャンルのプロシーンに関しては詳しくないのですが、他ジャンルのプロの方々は度重なる調整に柔軟に対応しているように見えます。
近年のゲームは間口を広げるために、理解しやすく、かつ逆転性を高めたゲーム性のモノが多くなっていると思います。その上で、これまでに無かったような高頻度な「バランス調整」が加わるのであれば、「勝利」を得るために何が大事なのかを柔軟に考え、対応する必要があるでしょう。理解しやすく逆転しやすい分、この対応はやりやすく、当然のように他プレイヤーも行ってくるのですから。
これはゲームジャンル問わず、これからのプレイヤーに大事なことだと思いました。

そう。あのウメハラが、キャラをリュウからガイルに変えたように。


©CAPCOM U.S.A., INC. 2016, 2018 ALL RIGHTS RESERVED.

■マゴ選手のプロフィール
1985年1月21日生まれ。本名は林 賢良。大会に参加するだけでなく、ゲーム業界屈指のアクセス数を誇るブロガーであり、ゲーム配信の先駆け的存在でもあるなど、ゲームの楽しさを世に広め続けている。ストリートファイターシリーズを中心に活動している。2016年は、Capcom Pro Tour -Asia/Oceania Regional Finals(CAPCOM Pro Tourプレミアトーナメント) ストリートファイターV 優勝、 TWFighter Major 2016(CAPCOM Pro Tourランキングトーナメント)ストリートファイターV 優勝、Well Played Cup (CAPCOM Pro Tourランキングトーナメント) ストリートファイターV 優勝など数々の戦歴を誇る。

■関連リンク
マゴ選手のTwitter
https://twitter.com/magotto3
マゴ選手のブログ
http://ameblo.jp/magotto3/
カプコン
http://www.capcom.co.jp/
『ストリートファイターV』
http://www.capcom.co.jp/sfv/
スト5ゲーマー・マゴのゲーム人間論