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『レインボーシックス シージ』におけるチーム構築&運営のコツ【チームeiNs・ShiN選手のR6S戦術論】

ALIENWARE ZONEをご覧のみなさま、初めまして。
PC版『レインボーシックス シージ(Rainbow Six Siege)』(以下『R6S』)のチーム、eiNs(アインズ)でリーダーを務めているShiN(シン)です。

今年2月にカナダのモントリオールで開催された世界大会「Six Invitational 2018」に日本・アジア代表として出場して戦ったことで、読者の皆さんの記憶にも残っていることと思いますが、あらためまして、自己紹介をさせていただきます。

▲ShiN選手

僕は『R6S』発売の翌月、2016年1月からプレイし始め、今年でR6S歴3年目になります。競技シーンに加わったのは2016年4月で、Razzlyというチームに参加して基礎を学んだのですが、のちにRazzlyは解散。その意思を継ぐ形で僕が現在のチームeiNsを結成しました。

『レインボーシックス シージ』におけるチームの役割と戦略

『R6S』では、5対5で攻撃側と防衛側に分かれて戦います。ルールは3つ。「人質」「エリア確保」「爆弾」。このうち大会で採用されているのは「爆弾」です。マップのどこかにあるふたつの爆弾(AとB)のどちらかを、ディフューザーを用いて解除する「攻撃側」と、それを撃退する「防衛側」に分かれて戦います。

攻撃側の目標は、敵の全排除または、ディフューザーをAかBの爆弾近くで起動して解除すること。防衛側の目標は、敵の全排除またはディフューザーを設置させないこと、または設置されたディフューザーの解除です。

『R6S』の特徴としては、ヘッドショット(頭を当てること)で一撃で敵を倒せますし、ダウン状態(味方による蘇生が可能な状態)もあります。一般的なFPSと比べると、プレイヤースキルに依存するだけでなく、チームとして連携して役割を理解すれば上位チームにも勝てる、というのが面白いところです。

一般的なFPSでは「アタッカー」「IGL(In-Game-Leader。司令塔)」「サポーター」というふうに分かれると思います。『R6S』においてもそれはほとんど同じですが、選択するオペレーター(いわゆるキャラクター)によって役割が変わるので、チームによってその組み合わせは様々です。アタッカーがいないチームもありますし、「ルーカー」(Lurker。いわゆる裏取りで敵の意表を突くプレイヤー)などが存在するチームもあります。

僕らの基本は「IGL(兼Lurker)」「IGSL(In Game Sub Leader兼サポーター)」「サポーター」「アタッカー」「フレキシブル(Flexible)」という組み合わせでした。「IGSL」はサブ司令塔という感じで、「フレキシブル」は何でも屋で相手によって変える役割という感じです。僕のチームの中での役割は「IGL」で、作戦構成や方針などを決めています。

今回から、eiNsを作り上げてきた経緯を含め、これまで『R6S』の競技シーンに携わるなかで自分たちがどのように成長してきたかを書いていきたいと思います。『R6S』で勝つための参考にしていただければ嬉しいです。

チーム作り・運営に不可欠な3つのポイント

僕がeiNsとして真剣に『R6S』に取り組み始めたきっかけは、ちょうど1年前の2017年2月に行われた国際大会「Six Invitational 2017」でした。そこにアジア地域から初めて、中国のチームEnvy(現在のCryptiK)が出場しました。

Envyとは昔から友好的に付き合っていたので、とても感動したと同時に、「自分もあの舞台に立ってみたい」という意欲が沸いてきました。もちろん、とてつもなく遠い目標だったのですが、出来ないことはないはずと、真剣にチーム作りを始めました。

最終目標は、「昨年出場したチームEnvyを倒した上で、Six Invitational 2018に出場すること」と設定しました。しかしこれは漠然としたものでしたので、小さな目標として「日本国内の大会で優勝すること」というものも設定しました。大きな目標を立てるのはいいですが、その前に小さな目標を設定することで、モチベーションを保つことができると考えたからです。実際、メンバーのモチベーションも維持できたと思います。

その目標を目指す上で、僕はシージ のチーム作りにおいて大切なことは、
(1)メンバー集め
(2)意思の確認
(3)時間
の3つだと思っています。

(1)メンバー集め

まずメンバー集めですが、先に述べた自分の目標に対して同じ目標を持つ仲間を集めなければなりません。僕は当時募集した要項に、次の項目を設定しました。
・チームの雰囲気を大切にできること
・自分の役割の中で自分らしさを出せること
・高い向上心を持つこと

チームの雰囲気を大切にできること」は言うまでもありません。例えば、雰囲気の悪いチームだと、ラウンドを落としたときに「なんでそこ詰めなかったんだよ!!」とか「はあ~~」と大きなため息をついたり、チームの士気を大きく下げるような行動をします。そうなってしまえば逆転なんてできません。いいチームはラウンドを負けた時に「ドンマイ、次はこうやってみよう?」と励ましや提案をしたり、例えば味方を誤射して倒してしまったりしても「大丈夫だから、気にしないで!」とその人の負の感情を吹き飛ばしています。実際に世界大会を経験してもそれは確かでした。

自分の役割の中で自分らしさを出せること」は、作戦自体は僕が考えることがほとんどですが、その通りに従ってばかりではダメだということです。決められた作戦の中で、自分がどう動くことで違いを生み出せるか、といったことが大会の中では大切になってきます。

そのために、チーム募集をする際にまず「報告ができるか?」「ドンマイという声かけができるか?」を判定しています。その後に少し作戦を導入してみて「どう? 動きづらい?」など見極めて、実際に面接する際に相手の考えや、このチームで今後どのようにありたいか、なども聞いたりしています。もちろん、知っている人をチームに加える場合であれば、対戦してみた結果などから判断することもあります。

そして「高い向上心を持つこと」は、現状に満足せず常に上を目指す向上心を持ち続けることです。例えば、個人としてうまくいかない場合、どう改善したらチームのためになるかとか、少しでも立ち回りやAIMを向上させようとか、人それぞれに課題があると思います。そういったものを個人練習などで練習していくことは不可欠です。大会で優勝したからといって「優勝だ~~~!! 俺ら日本一!」と自慢するのはその日だけに抑えて、次の日からはまた初心に戻って「俺らは挑戦者」という気持ちを忘れずに練習していきました。あまり知られていないですが、大会が終わったらチームのメンバーにはメッセージとかで「やりやすかった?」とか「次こうしてみよう?」などと送ったりもしていましたね。

実際にチームを作る際には、「イチから作るのか」「数名補強するのか」によっても少し違います。僕は後者の場合が多かったですが、その場合は抜けていった人や自分の思う役割に合う人を探す必要があります。なので、少し厳しめに調べて、動けるか動けないかを判断しています。

逆にイチから作る場合は将来性を見ます。すぐに結果を出したい気持ちもわかりますが、そんなことは不可能です。長い目で(例えばシーズン単位の3カ月)見ることによって成長するしないがわかると思います。世界大会で活躍した人も最初の大会では1キルや0キルだったんですよ。

(2)意思の確認

日本国内においてもJCG様などが大会を開催しています。この大会前後に、メンバー全員に意思の確認をしています。

特に顕著なのが、2017年12月と2018年1月にあった大会でした。僕らはその前から2月の世界大会への出場が決定していたので、「この大会は通過点にすぎない。僕らの目標は次の世界大会にあるから、問題点などを把握して次に活かす」といったことを徹底していました。

つまり、大会ごとに目標を立てて、どのように試合に臨むかをメンバー全員で共通認識として理解していく必要があります。

(3)時間

やはり強いチームには「練習時間」が大切になってきます。僕らのチームは社会人や学生が多かったので、時間管理は難しく、決められた時間の中で効率よく練習しなければなりませんでした。実際、作戦を立てるのも時間がかなり必要ですし、相手の研究など、時間は本当にいくらあっても足りませんでした。

また、時間に関しては一つ、問題点もあります。僕たちのように世界大会出場といった高い目標を持つには、何かを犠牲にしなければなりません。実際eiNsにいたメンバーも、睡眠時間であったり、友人との交流などの時間を削りました。仲がいい人ともあまり遊べなくなったりしました。これは僕自身にとってもかなり精神的にキツかったのですが、それでも自分たちが立てた目標や夢を叶えるためだと思って頑張ってきました。これについては、国内に限らず、世界的にも同じことが言えます。実際、「Six Invitational」で話した海外のプロの方も同じようなことを言っていました。いわゆる「覚悟」ですね。

基本的な活動時間は21時~25時で、30分~1時間の作戦会議(ミーティング)と3〜4時間のScrim(練習試合)を行ってきました。ただ練習するだけでは意味がないので、今日は何がしたいのかを明白にして、練習が終わったら反省するという練習体系は確立できたと思います。上を目指すチームであればこそ、そのチームの練習体系というものを確立しなければいけません。どういった練習がいいか、については今後の連載でお伝えします。

大会までの基本的なサイクルは次のようになります。

[大会がある]
[大会に向けたスケジュールの逆算]
[練習目標の設定]
[作戦作り]

このように逆算して練習する意味を作ってきました。さらに大会後は次の大会に向けての反省点などを話し合いました。
どのチームも基本的にはこのような流れだと思いますが、eiNsはさらに上の世界大会を常に見ていたので1年周期で考えて練習してきました。

世界大会を頂点とした、『R6S』大会シーンの現状

さて、現在の『R6S』の大会のシーンの現状についても少しお伝えしたいと思います。


現在、国内ではJCG様が主催する大会があり、賞金付きでほぼ毎月開催されています。それに加えて世界的に「プロリーグ」というものが存在します。これは、世界大会に向けた各地域の予選で、その道の「プロ」同士が戦う大会でもあります。参加するには予選を勝ち上がる必要があり、選ばれたチームのみが出場できる大会です。「Six Invitational」を除いて、基本的には次のような流れになります。

日本国内8チームによる地域予選

<2チーム選出>
日本、韓国、東南アジア、オーストラリアの4地域(APAC)から、
2チームずつ合計8チームによるオフラインファイナル

<2チーム選出>
APAC(アジア太平洋)、EU(欧州)、LATAM(中南米)、NA(北米)の4地域から
2チームずつ合計8チームによる世界大会

とてつもなく狭い道のりですね(笑)。

実際、アジアのチームは他のFPSタイトルのこともあって、世界からそこまで上には見られていません。さらに、日本はアジア圏でもあまり強く思われていないのが現状でした。しかし、僕たちはこのうち、APACファイナルでの優勝を達成しました。つまり、日本のチームでも『R6S』で勝てることを証明したんです。

さらに「Six Invitational 2018」では、ファンを含め多くの人が、APACのeiNsは初戦で敗れるだろうという見解を持たれていたようでした。しかし、僕たちはNAのチームにも勝ちましたし、APACから出たもう1チームは本戦出場も達成しました。
今回のSix Invitational 2018での活躍により、『R6S』の中でAPAC地域が世界的にも注目されるようになってきたように感じています。



次回は、僕たちeiNsが実践している『R6S』で勝つための「練習方法」について、具体的な方法論をご紹介したいと思います。


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■ShiN(シン)
『レインボーシックスシージ』のプレイヤーであり、チームeiNs(アインズ)の設立者。2016年5月にRazzlyに所属、2017年12月にリーダーとしてeiNsを結成し、2月に一度解散。3月に再結成し、JCG主催の大会で優勝を果たす。10月に初のオフライン大会「UBI DAY 2017」で準優勝し、同月末にプロリーグYear2 シーズン3で、APACに日本代表として出場し初優勝。11月にブラジル・サンパウロでの世界大会に出場、2018年2月にはカナダ・モントリオールでの世界大会「Six Invitational」に出場した。プレイスタイルはIGL(インゲームリーダー)かつLurkerで、一人で状況を妥協する動きをしている。2018年現在、新しいチームメンバーとともに育成と強化に励んでいる。

■eiNs(アインズ)の主な戦績
2016年度 「GeForce CUP」 優勝
2017年度 「JCG MASTER -June-」 優勝、「玄人志向杯#2」 優勝、「UBI DAYオフライン大会」 準優勝、「JCG MASTER -December-」 準優勝、「玄人志向杯#4」 準優勝、「APAC Pro-League Finals(オーストラリア)」 優勝、「Y2S3」世界大会(ブラジル)出場、「Y2 Six Invitational」(カナダ)出場


■関連リンク
eiNsのTwitter
https://twitter.com/einsr6
ShiN選手のTwitter
https://twitter.com/shinr609
レインボーシックス シージ
http://www.ubisoft.co.jp/r6s/