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【LoL連載】V3 Esportsの挑戦「選手と共有した時間」Maplestreetコーチの場合

かつてTeam 8に所属し、NA LCS出場経験のあるMaplestreet氏が、コーチ、アナリストとして日本にやってきた。なぜ日本のチームに来ることになったのか、そんなMaplestreet氏の素顔に迫る。


Maplestreet氏について

――まずは簡単に自己紹介をお願いします。

Maplestreet氏:僕は2012年から『League of Legends』(以下、LoL)をプレイし始めて、2013年から北米エリアのVelocity eSportsというNA LCSのチームでプロとしてのキャリアを始めた。その後、Team 8、Renegadesでも選手としてプレイして、2017年からTeam 8.1のコーチを経て、現在のV3 ESportsのコーチ・アナリストの業務に従事しているんだ。

――なぜ日本のチームに来ようと考えたのですか?

Maplestreet氏:僕にとって新しいことに挑戦することは、とてもエキサイティングなことなんだ。
今まで北アメリカから出たことがなくて、自分自身も選手としてのキャリアを引退して、なにか新しい環境で新しいことに挑戦してみたいって思ってね。

そんなとき日本からのオファーが来たんだ。

僕にとっては挑戦でもあり、自分の成長に繋がることだと思ったよ。ほかの地域からも、コーチのオファーをもらっていたんだけど、オファーの内容と日本の衛生面や安全面の点を考えてV3 ESportsに参加することに決めたのさ。

日本と北アメリカのeSportsシーンの違い

――北アメリカでのeSportsの成長期を選手として体験してみて、現在の日本のeSportsの成長期との違いは具体的になんだと思いますか?

Maplestreet氏:僕が『LoL』をプレイし始めたとき、北アメリカのeSportsのコミュニティには『LoL』を広めたいと思っている人がたくさんいて、それらの人が自分たちで小さい規模の大会をたくさん開催していたんだ。

大会賞金は最初は本当に少額だったけど、それよりも誰でも参加できる良いトーナメントを開こうと熱意に溢れた人がたくさんいた。これらの小規模大会が、ゲームの競技性の認知にすごく貢献したんじゃないかなと思ってる。

僕自身もその恩恵を受けたひとりで、週末に開催される小さな大会に数えきれないくらい参加することで、自分のスキルの上達を毎回確認することができたよ。あとは、その大会を通じて人とのつながりも増えて、このゲームの面白さについてドップリと語りあえる仲間ができたのもよかったね。

日本ではまだまだこういうコミュニティの場所が少ないんじゃないかな。

だからもっとゲームに興味がなかった人も参加できる、またしやすいようなコミュニティがどんどん形成されたら良いんじゃないかなと思ってる。


――日本では毎年eSports元年が来るのですが、北アメリカと比較して日本のeSportsの普及の弊害はなんだと思いますか?

Maplestreet氏:北アメリカと比較して、日本でeSportsが伸び悩んでいる理由はふたつあると思う。

ひとつ目は、日本には面白いゲームが溢れていること。ひとつのゲームにプレイヤーが集約しきれないために、大きなシーンになることを少し阻害しているんじゃないかな。

『ファイナルファンタジー』、『ドラゴンクエスト』、『ポケモン』を始めとしたRPGは素晴らしいストーリーに溢れていて、プレイヤーに勇気と感動を与えてくれる。
もちろん僕も大好きなんだけど、これらのゲームは人が相手ではなく、あくまでゲーム内で設定されたAIが相手という点で競技性はあまりないと思う。

一方で、eSportsは相手が人間で、いろいろな人がいろいろな工夫をして、そのゲームの持っている可能性(ポテンシャル)をプレイヤー全員で引き出そうとしている。チームや配信者の努力が見ている人に興奮と感動を生み出しているんだと思うんだ。

ふたつ目は、アメリカと日本ではPCゲームのマーケットの大きさで格段に差があることだと思う。

僕は13歳の時からPCを使い始めて、同世代の周りの友達もそういう環境にあると思う。学校の宿題とかもPCを使ってこなしていたしね。そういう意味でPCゲームに親しむのも早かったね。日本の選手に聞くと、PCゲームを始めたのが大学に入ってからということを聞いて、びっくりしたのを覚えているよ。

――プロになるため、またそのゲームのみに集中するために、ほかのことを犠牲にする必要はあると思いますか?

Maplestreet氏:まずプロになる前に自分がこのゲームに対して熱意を持ち続けられるかどうかを必ず確認する必要があると思う。

自分のプレイが終わるごとに 「どうすればよかったのか」、「なにが悪かったのか」、「どんな情報が不足していたのか」、「次からはどうするべきか」といったように、自問自答をしつづけられる熱意があることが大切だね。

競技シーンを経験して、『LoL』のプロでいつづけるためには圧倒的な練習量が必要になる。これはサッカー、野球とかのメジャースポーツと比較しても、まったく引けを取らないよ。ゲームに参加する参入障壁も、PCとインターネットが必要なだけでとても低いから、競争率もとても高いんだ。

これだけ競争率が高い競技のプロになった実績は、その人の忍耐力、計画力など、ある特定分野で優れた能力を持っている証明にもなると思うよ。

アメリカにもゲームのプロになるために、人生のすべてを捧げる人もいるけど、僕は幸いにもプログラミングの学科を卒業してプロになることができた。そこで学んだことは、自身に多角的な視点を与えてくれて、自分がこのゲームをより早く理解するための糧になったんじゃないかな。

だから僕としては、必ずしもなにかを犠牲にする必要はないけど、プロを目指す場合はそれなりの時間を犠牲にする覚悟が必要だと思う。

日本でのコーチの経験について

――日本でコーチをやってみて、なにが一番難しかったですか?

Maplestreet氏:ひとつ目は、やっぱり言葉の壁だね。

チームに参加した当初は、自分が伝えようとしていることが本当に選手に伝わっているか不安でしょうがなかった。その不安が伝わってしまったのか分からないけど、LJLCSシーズンの序盤はチームとしてとても不安定な期間だったと思う。

コーチというのはBan/Pickの知識も不可欠だけど、それ以上に選手との信頼が大切なんだ。5人選手がいれば、5つの価値観があるけど、誰かが自分の価値観をチームの勝利のために犠牲にしないといけない。
そのときに「このコーチが決めたことだから、従ってみよう」と選手が納得してくれることがとても大切なんだ。それだけコーチへの信頼は重要な要素なんだよ。


ふたつ目は、選手のコーチに対する役割の考え方が異なっていたように思うね。

アメリカの選手は日本の選手に比べて、ゲームに対する自分の考えを良い意味でも悪い意味でも強くもっている選手が多い。だから僕はいままで選手全員の意見を聞いて、その意見に基づいて選手と相談しながらコーチングするというスタイルを取ってきたんだ。

それに対して日本の選手は「コーチはなんでも知っている」という期待を持って僕に接してくれた。「言われたことはなんでもやるから、教えてくれ!!」って感じ。

それはとても有り難いことでもあったんだけど、選手自身が試合でなにをやりたいかという意見があまりなくてね。当時の僕にとっては、今までやっていたコーチングのスタイルを変更する必要に迫られたとても難しい環境だったことを覚えているよ。

最終的には選手と一緒に同じ時間を共有することで、自分達のチームの強みや弱みをより理解できるようになり、昇格戦はチームとして良い状態で臨めたと思ってる。

今季のLJLでは、もっと強くなったV3 ESportsを視聴者の方に楽しんでもらえたらと思ってる。あと個人的には、いつの日か北米チームが韓国でブートキャンプをやってるときに、練習試合とかで対戦相手のチームとして僕の競技シーンの古い友人と再会できたら最高だね!

――最後にひとことお願いします。

Maplestreet氏:現在スポンサーの企業様および、応援してくださる方々、僕たちの夢をいつもサポートしてくれて本当にありがとう。V3 Esprotsにもこのチャンスを僕に与えてくれて、ありがとう。

チームに良い結果がもたらされるよう、最大限努力して、日本のeSportsシーンに少しでも貢献できるようにがんばります!

■関連リンク
『リーグ・オブ・レジェンド』
http://jp.leagueoflegends.com/
Maplestreet氏のTwitter
https://twitter.com/maplestreetlol