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【海外ゲーム大会参戦のススメ】0回戦を制するためには?

やる気勢ゲーマーの皆さん、初めまして。C4 LANというイベントのプロデューサーを拝命しております、田原 尚展(taharasan)と申します。ここ数年はめっきりイベント主催側の活動が多いですが、以前はuNleashedというハンドルネームを用いて、Team FortressシリーズやQuakeシリーズといったアクション系のFPSゲームを主戦場に、オンライン・オフライン問わずプレイヤーとして大会へ精力的に出場していました。

先日、おおよそ7年ぶりにQuakeの海外大会DreamHack Winter 2017(以下 DHW 2017)に参戦しました。遊びに行く日本人は、我々だけかなーとTwitterを眺めていたところ、偶然「初めて海外の大会に出場する」というプレイヤーも含む日本のH1Z1チーム「PlusUltra」のみなさんを発見し、軽くお話をさせていただくことに。旅程のアドバイスなど会話を進めていく中で、自分の持っている海外大会参加のための注意点やアイディアが、意外にもほかのゲーマーのお役に立つのではないかと思い、このたび筆をとることと相成りました。

▲今回のDHW2017はALIENWARE 15をお借りして参戦。240hz液晶モニターまで持ち込んでやりたい放題遊んだ
ちなみに私が過去に出場した、またはコーチとしてアテンド・各種手配を行なった海外オフライン大会イベントは次の通りとなります。

【選手として出場】
・Quakecon 2007 Quake4 Open Tournament @ Dallas, TX, USA
・World Series of Video Games Toronto 2007 Quake4 @ Toronto, ON, Canada
・Bigbang 2010 @ Ottumwa, IA, USA
・Quakecon 2010 Quake Live Pro invitational @ Dallas, TX, USA
・Intel Extreme Masters IV Taipei Quake Live @ Taipei, Taiwan
・DreamHack Winter 2017 Quake Champions BYOC Qualifier @ Jonkoping, Sweden

【コーチとしてアテンド]
・Esports World Convention (ESWC) 2015 FIFA16 @ Paris, France
・Esports World Convention (ESWC) 2016 FIFA17 @ Paris, France

▲今回のDHW 2017 QC DUELでは、あっさり2回戦敗退。しかし本記事で肝心なのは「0回戦を突破している」という点である。ご容赦あれ

それではさっそく、0回戦を制するためのTipsをご紹介していきます。ちなみに先ほどからたびたび出ている「0回戦」とは、海外のeSports大会に参加する際、1回戦に参加するまでの行程のこと。渡航やホテルチェックイン、現地での移動、会場の入り方などすべてをさしています。

【0回戦Tipsその1】選手向けの大会基本情報を収集せよ

旅程を組む前に、大会のスケジュールや会場情報を入手する必要があります。
0回戦敗退を避けるために、最低限必要な情報は下記の通りです。

  • 開催場所
  • 開催日程
  • 会場の中でどこに集合すれば良いのか
  • 集合場所に、いつ、どのようにいき、チェックインすれば良いのか
  • 何人までエリアに入場できるのか(コーチまたは通訳は入れるのか?)
  • 運営の連絡先(できれば担当者個人、メールと電話)

観戦者としてイベントに行く際には気にしない情報も多いですが、選手の集合は当然試合開始前になりますし、舞台裏のエリアに行かなくてはならない場合や、複合イベントの場合はチェックイン業務をまとめたカウンターが存在するなど、集合場所はわかりにくい場合が多いです。
 
▲DHW 2017 QCのステージ。チェックイン受付はこのステージ周辺ではなく、別ホールだった
 
また、当日に会場でスタッフに質問しても、会場全体のオペレーションを行なっている組織と、大会運営を行なっている組織は別物だったりして、結局分からなかったり、たらい回しになってしまうことも考えられます。少なくとも数日前には、集合場所と集合時間がはっきり分かり、担当者にも自分たちに出場意思があることを明確に伝えられると良いでしょう。

参加意思をしつこくアピールしておくと、たとえば少しチェックインに遅れても「そういえばそんなやつら居たな」と勝手にチェックインリストに入れてくれる場合もあります。もちろん分刻みで厳密なイベントも多いので、集合時間の20分前には集合場所で待機できることがベストです。

【0回戦Tipsその2】大会コミュニティにダイブせよ

海外のゲーム大会は良くも悪くも運営がワイルドでして、期日や時間、場所の変更が起きることもザラです。そのため、サイト上で情報を収集するだけでなく、運営やプレイヤーが詰めているオンラインコミュニティが存在する場合、間違いなく参加したほうが良いでしょう。実は情報が出るタイミングとして、サイトは最後になっていることが多いです。ひどい場合になると、サイトに情報が上がらないことすらあります。例えば、今回我々が参加したDreamHack Winter 2017のQuake Championsトーナメント(以下、DHW 2017 QC)は、詳細がサイト上に出ていませんでした。その代わり、DiscordのDreamHack用サーバーが情報発信地となっており、細かいルールや当日の集合時間などを確認することができました。

▲DHW 2017 QC のオフィシャルDiscordチャンネル。運営からプロ・アマ問わず多数のプレイヤーが駐在している
また、プロプレイヤーや運営チームに友人を作ることも大切です。これにより、大会の情報やルール変更情報などを、取りこぼさずに入手しやすくなります。とくに、情報公開をサイトに絞って厳密に運営しているような大会は、まだまだ現在では少ないため、こうしたコミュニティにコネクションがない人間には直前の変更などが伝わらない可能性すらあります。

筆者も2010年のQuakeconで、そうしたコミュニティに参加していなかったがために、重大なルール変更のリークを拾えず、大会当日に知り唖然とする苦い経験をしています。筆者以外のプロプレイヤーは1ヶ月前にリークされており、完全にその対策の上参戦していました。

言語の壁があるかもしれませんが、可能な限りネットワークを作っておくと良いでしょう。また、プレイヤー同士の繋がりは後述する「Boot Camp」実施にも深くつながってきます。

【0回戦Tipsその3】旅程は最低1日は前後に余裕を持って組むべし

この理由としては、大きくわけてふたつあります。ひとつは、交通機関の乱れによる延着の可能性です。日本にいると、時間きっかりに電車やバスが来て、運休になることは稀だと言えるかもしれません。ただし、諸外国(ひとまとめにすると極めて乱暴ではありますが)では、遅延や運休は比較的よく発生すると考えるべきです。Bigbang 2010で筆者がオッタムワに移動する際も、豪雨により線路が水没したとのことで、予定していた鉄道が終日運休となりました。そのため、振替輸送手段として提案された高速バスでの移動に切り替えて移動しています。これにより運休が決定されるまでの待機時間、振替輸送手段の手配で時間を取られており、スケジュールを余裕なく組んでいたら、大会のチェックインには間に合わなかったことでしょう。

ふたつ目の理由は、ゲームイベントはスケジュールが破綻し、予定していた日程よりも後ろにずれ込んだり、予選スタートがイベントオープンの前日や、当日の早朝に前倒しになる場合も多々あるためです。
選手向けのスケジュールが事前に発表されている優秀な大会でも、油断は大敵です。衝撃的なリスケジュールが大会二日前や前日に告げられる場合もあるのです。当日実際にチェックインし、試合が始まるまで周囲の様子に気を配る、という気の尖らせ方が正しいかもしれません。

【0回戦Tipsその4】チェックインは時間厳守・筆談が鍵

チェックイン場所で、指定された時間までにチェックインを行います。

イベントによりチェックイン時に求められる情報は異なりますが、言葉に不安があればすべて書き出しておくとスムーズに進みます。

とくに日本人の名前は口頭で伝えても、英語話者には聞き取りやスペリングができないことも少なくありません。自分も名前を求められた際には、パスポートなどの身分証を提示して写してもらいます。

▲DHW 2017のトーナメント向けの総合チェックインカウンター。やりとりがすべて口頭前提になっていて、オペレーションスタッフはみんな疲れ切っていた

今回のDHW 2017 QCでは、Quake Championsステージからかなり離れた別ホールに総合チェックインカウンターがあり、フルネーム、インゲームネーム、電話番号、メールアドレス、住所とフルコースを求められました。しかもカウンターには筆記用具などが存在せず、チェックインを実施するスタッフも困ってしまっていて、「こんなの口頭でやるの無理だよね。大変だね。」と哀悼の意を表明しつつ、持ち込んだノートに一通り情報を書いて渡し、チェックインを完了しました。

ちなみに、チェックイン場所がQuake Championsステージではなく、こちらのカウンターだとわかったのは、当日の試合開始1時間30分前です。ギリギリまではっきりせず、現地にてDiscordでしつこく質問をしていたところ、ようやく案内が出てきました。筆者以外も集合場所が分からなかったようで、案内直後に一斉にカウンターに集まってきました。プレイヤー同士でお互いに挨拶ができてそれはそれで良かったですが、冷や汗モノです。

これほど重要な情報ですら、直前に出回る可能性があるということが分かる一例ですね。ちなみに、チェックイン締め切り後はどうあがいても出場はできません。泣いても笑ってもここで0回戦敗退が決まってしまうのです。

【0回戦Tipsその5】試合開始時間と方法を確認せよ

とくに、相手プレイヤーのマナーが悪かった場合、時間通りに席についていない場合や、ウォームアップを一向にやめようとしない場合など、開始に際して妨げとなるような状況が生まれる場合があります。この際に審判に相談をしたり、報告を行なっていない場合、試合開始が遅延されている理由を押し付けられかねません。また、言葉の壁がある場合、一方的に不利になる可能性があることを意識しておいてください。

▲Quakecon2010でのトーナメントエリアの様子。大会というとステージを想起しがちだが、ほとんどの試合は舞台裏に用意されたこのようなスペースで試合を行う
 
▲DHW 2017 QCトーナメントエリアでのプレイの様子(編集部注:元のTweetは動画です。画像をクリックするとツイートが開きます)

たいていの大会ではトーナメントエリアが物理的に存在し、エリア内の決められた台を利用して対戦することが多いため、そこまで気にする必要はありません。ただし、QuakeconやDreamHackといったBYOC(Bring Your Own Computer、PC持ち込みの意)エリアでのプレイが前提となる大会の場合は、審判の目が行き届かずこの手のトラブルが発生しやすいことを意識しておくべきです。

▲DHW2017のBYOCエリアの一例。各自自分のパソコンや画面を持ち寄り、思い思いに遊ぶ

▲BYOC席にALIENWAREよりお借りした ALIENWARE 15と、私物の240hz液晶を持ち込んだ。ゲーミングノートならば、海外への持ち運びもバッチリで、画面まで持っていくことだってできる

基本的には試合前にはブラケットの確認、選手同士でフレンド申請など試合をするための事前作業、マップ選定作業などを完了し、試合開始の時間には試合を始めるように運営からは期待されます。マップ選定を直接選手同士で決めるのか、審判が進行するのか、といったあたりはプレイ前に確認しておくと、精神的にも安心できるでしょう。

また、試合終了後はスコアボードなどのエビデンス提示や、試合結果の報告書にサインをする必要が発生します。エビデンスの提示がなかったことに対して運営から制裁が与えられる場合もあるため、こちらも事前に何が必要なのか確認すべきです。不安であれば、ノートなどに書き起こしてもらうのもひとつの確認方法です。

【番外編】 1回戦を突破するための「Boot Camp」

1試合目の終了まで辿り着ければ、晴れて0回戦敗退は免れたことになります。ここからは、1回戦突破のためのTipsをひとつだけご紹介します。

やはり世界の壁はなかなか厚いものです。日本が本場ではないゲームの場合、いきなり大会本番に飛び込んでも好成績を収めることは難しいでしょう。

これまで欧米がメインのFPSなどで日本から参戦したプレイヤーたちが、序盤で敗退して口々に漏らす「自分たちのプレイができなかった」という感想には、共通する原因があると思っています。

日本では向かい合って、きっちりと撃ち合いになるようなところも「撃ち合うまえにやられてしまう」「撃たせてくれない」「経験したことのないタイミングで相手が出てくる」などなど、「自分が普段行なっている試合とまったく感覚が違う」という感想を、ワンサイドゲームで負けてしまったのちに多く聞かれます。

ケースバイケースで細かい理由も存在すると思いますが、一般的に言えることは「本場はスタイルの多様さと、戦術のトレンドがまったく異なる」ということです。

日本では見たことがないスタイル。日本では見たことのないスピード。そうしたものが現地プレイヤーには宿っています。そして、日本で最強=トレンドとなっている戦術も、たいていは本場ではとうの昔に通過した戦術であって、あっさりと対応されてしまうことが多くあります。これにより、面と向かって勝負をする感覚に至らず、よくわからないまま一方的にやられてしまった、という感想に落ち着くことが多いと言えるでしょう。

この溝を少しでも埋めたい場合、前もって本場地域に滞在して集中練習を行う、「Boot Camp (ブートキャンプ)」の実施を強くオススメします。Boot Campは、パソコンなどプレイ環境一式をホテルや家などに持ち込み、物理的に同じ場所に集まってみっちりプレイ練習やアドバイス合戦を行う行為をさします。DHW 2017 QCでも欧米のトッププロたちはストックホルムに集合し、4日ほどBoot Campを行なっていたようです。

▲WSVG 2007 Toronto直前にホテルで行ったBoot Campより。トッププロ数名と、セミプロ数名で合宿を行なった。残念ながら10年でこのふたりともハゲた

▲Bigbang2010にて、ゲストで遊びに来ていたFatal1tyと練習する筆者。他人のデバイスでプレイしているとは思えないほど強く、勉強となることも多かった

Boot Campでは最初はコテンパンに負けるでしょうが、本番との違いはまだ分析やアドバイスを請う時間があることです。日本人プレイヤーでもAimなどのフィジカル要素は負けていないことが多く、こうしたすり合わせ作業とトライアンドエラーによって、勝率を高めることができると考えています。

▲DHW2017前は、2時間だけストックホルムの大きなネットカフェ”Inferno Online”でプレイ。プレイ自体久々だったのでひどい内容だったが、とにかく楽しかった
 
偶然Inferno Onlineで出会った南米代表のnosfaに話を聞いた所、今回のDHW 2017では、使っていなかった夏休みを使い、2週間前からスウェーデンでオンライン練習に勤しんでいたとのこと。残念ながらDHW 2017 QC本戦では決勝トーナメントへは進出は叶わなかったものの、直前のオンライン大会でトッププロ相手に勝利を収めたり、目覚ましい活躍を見せています。本人も「最初の数日はコテンパンにやられたが、練習していく過程で勝てるようになった」と話していました。

また、Boot Campのキモは「誰と練習するのか」に尽きます。もしトッププロたちのBoot Campに呼んでもらえるのであれば、それは最高の環境と言えるでしょう。そうしたネットワークを作るのは大会の現地であり、オンラインでもあります。積極的にコミュニケーションを重ねれば、次の大会前などにも相談ができるようになります。

第1回目の参戦ではこうしたコネクションもない場合が大半です。その場合は、現地の家を借りるなどして、オンラインで練習することも、有益だと言えます。
 
▲ESWC 2015に向け、ギガビット回線を持つパリのアパルトマンにてオンライン練習を行うマイキー
 

(編集部注:元のTweetは動画です。画像をクリックするとツイートが開きます)
 

▲今回はBoot Campは行わなかったが、会場近くの一軒家をAirbnb(民泊サービス)で借りて宿泊した。広すぎ&女子力高すぎで面食らったが、高速回線もあり集まっての練習も可能だ

とくに現在はAirbnbをはじめとした民泊が世界各地で利用可能なため、光回線など高速回線を備えたアパートなどを借り、安価でオンライン練習を実施することも可能です。ESWC FIFAではこの形式のBoot Campを行い、プロプレイヤーと待ち合わせてオンラインで練習したり、野良でひたすら試合を行うなどして、Mikeyが無事決勝トーナメント進出を果たしました。FIFAでもアジアとヨーロッパではプレイスタイルがやはり異なるようで、そうした新しいスタイルへの対策や、現地プレイヤー相手にも通用するという自信を得たことが、Boot Campの成果としてあったように見受けられます。

大会に一度参戦すると、ほかのプレイヤーとの繋がりができ、それ以降もBoot Campの相談がしやすくなります。そう考えると、1回だけ大会に参戦することがいかにもったいないことなのか、お分りいただけるでしょう。1度と言わず、ぜひ飽きるまで大会への参戦を続けて欲しいと強く思います。
 
▲DHW 2017 QCでは筆者はSacrifice(チームモード)部門にも即席チームで出場。メンバーと適当に作戦会議をした。当然だが、このあと清々しいほどにボコボコにされて負けた。楽しかった
 
 
▲10年来の付き合いになるが、DHW 2017 QCで優勝を飾ったDaHanG (Tim)らTeam Liquid全員にサインをもらいつつ、来年Quakeconで会えると良いねー的な話をして解散した

なお、今回の参戦の模様はハッシュタグ「#dhwjp2017」(https://twitter.com/hashtag/dhwjp2017?src=hash)を検索いただくと、画像や動画でチェックできます。冒頭でご紹介したH1Z1チーム「PlusUltra」も出てきますので、ご覧あれ。

以上が0回戦敗退を回避するためのテクニックと、Boot Campに関するお話でした。大会参戦はお金も時間もかかりますが、とにかく楽しく、金額以上の体験を得ることができます。ぜひ、チャレンジしましょう!

旅程からBoot Campまで、海外参戦に際して何か分からないことや協力できることがあれば、お気兼ねなく@unleashed_jpまでご連絡ください!細かいこと抜きで、できる限りご協力させていただきます。

それではみなさん、Have a good game!

■関連リンク
DreamHack Winter 2017
https://winter.dreamhack.com/
田原尚展(taharasan)さんのTwitter
https://twitter.com/unleashed_jp
ALIENWARE 15 ゲーミングPC ノート
http://www.dell.com/jp/p/alienware-15-laptop/pd?ref=PD_OC