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<後編>プロゲーマー専門学校の生徒や講師に生の声を聞く!【東京アニメ・声優専門学校】-eSportsを支える人々-

世間でも徐々に注目を集めている「eSports」。
これを専門に学び、プロゲーマーを目指す学生たちが集まる「e-sports プロフェッショナルゲーマーワールド」が、滋慶学園グループの東京・アニメ専門学校に2016年4月に新規開設された。

前編では、このコースが開設された経緯をお伝えした。後編では、実際に籍を置いている学生たちからの生の声を紹介する。

プロゲーマー以外も含めて4つの専攻を設ける

東京アニメ・声優専門学校におけるeSports業界向けのコース「e-sports プロフェッショナルゲーマーワールド」には、4つの専攻がある。

▲「e-sports プロフェッショナルゲーマーワールド」にある4つの専攻の説明(公式サイトより)

一番の花形が「e-sports 総合プロゲーマー専攻」で、いわゆるプロゲーマーを目指すコースだ。この専攻で学んでいるAutumnRFくん(1年生)は、PCのFPS『カウンターストライク:グローバルオフェンシブ』(CS:GO)にどっぷりとハマったところから、eSportsの世界を知ったという。

「『CS:GO』大会をTwitchで配信しているのを観たんです。とにかくビックリしました。大きな会場で大勢の観客が観に来ていて熱狂しているのを見て、ボクもこの世界に行きたいな、と思いました」

講師の鈴木さんの話によれば、1学年約50人のうち、8割は総合プロゲーマー専攻だという。「あのチームに入りたい!」「このゲームでプロになりたい」と明確な目的意識を持って入ってくる学生もいれば、漠然と「ゲームで仕事をしたい」という人もおり、入学当初は意識もバラバラだ。なので、どういう仕組みでプロゲーマーという職業が成り立っているのかも、授業でしっかり教えている。

▲e-sports 総合プロゲーマー専攻のAutumnRFくん

一般的なスポーツ競技もそうだが、やはりプロ競技の世界は厳しい。タレント性なども重要となってくるが、プロゲーマーともなればゲームの腕前が「強い」「うまい」ことが最低条件となる。そこそこ腕に自信があってプロゲーマーになろうと思ってみたものの、クラス内で上位に行くことができないこともあるだろう。そういう場合は、プロゲーマーから他の専攻へ変更することもできる。

「e-sports イベントスタッフ専攻」のUくん(2年生)は、当初はプロゲーマー専攻だったものの、学んでいくうちに「競技者以外でもeSportsで働くことができるとわかったら、他のいろんなこともやってみたくなった」とのことで、スタッフ専攻へ移った。

UくんがeSportsのことを知ったのは、好きなゲーム実況者が『リーグ・オブ・レジェンド』(LoL)のプレイをやっていて、それで興味を持った。『LoL』を遊んでいるうちにプロリーグの存在を知り、自分もプロやそれに関わる仕事を目指したくなったという。

現在のUくんは、eSportsの大会・イベント全般に関わる仕事を勉強中で、将来の夢は「ワールドワイドで盛り上がっているゲームの世界選手権を日本で開催できるようにしていきたいし、そうなったら自分がその大会に関わりたい」と語る。もしこの学校がなかったら「東京に出てくることはなかった」とのことで、ゲームに関わる仕事をしたい!と思う若者にとって、この専門学校が大きなキッカケとなっているのは間違いない。

▲e-sports イベントスタッフ専攻のUくん

「e-sports 宣伝プロモーション専攻」のKくん(2年生)は、「ゲームが好きで、とにかくそれに関わる仕事がしたかった」と語るが、じつは仕事としては臨床検査技師を目指していたという。そんなとき、この専門学校の広告を見てしまい、気持ちが一気にゲームへ傾いた。

「この進路に関して親はオーケーしてくれたんですが、高校の先生たちが大反対で……。職員会議で議題になるほどでした」

と明るく話すも、この進路を理解してもらうまでちょっと時間がかかったようだ。他の生徒に聞いても、やはりすんなりとは行かないケースもあるが、最終的には本人のやる気が一番の説得材料となっている。

Kくんが宣伝プロモーション専攻で勉強していく中で、とくに面白さを感じているのはWEB運用だと言う。ゲームやイベントをWEBやSNSでどう告知していくのか、自分たちで工夫しながら情報を発信していくことに大きなやり甲斐を感じているようだ。

「eSportsが野球やサッカー並みにメジャーなものになってほしいし、そのためにやれることは何でもやりたい」

と高い意識を持っていた。

▲e-sports 宣伝プロモーション専攻のKくん

「e-sports キャスター専攻」は前述のとおり、東京アニメ・専門学校にeSports関連のコースができるキッカケとなった専攻でもある。ここで勉強中の上原さん(1年生)も元々は声優を目指していたが、ゲームも大好きだということでこちらのコースを薦められたという。

「声優という職業には台本がありますが、キャスターは基本アドリブ。難しいけど、だからこそやり甲斐があります」

授業内容は発声や滑舌といった「声」を仕事にする場合の基本的な技術はもちろん、元東京大学大学院教授で、「日本eスポーツ協会」理事の馬場章さんによるeSportsの授業がとても勉強になるという。これは他を専攻している生徒も受けており、これこそ専門学校ならではの授業だろう。

「女性キャスターが少ないので、自分が第一人者として名前を知られるようになりたい」

つい1年前までは声優を目指していたが、いまはすっかりeSportsにも詳しくなり、ゲームキャスターになるべく日々精進している。

▲e-sports キャスター専攻の上原さん

専門学校生の就職先はどうなるのか

2016年に1期生が入り、2017年から2期生が入学してきた。2018年3月には1期生が卒業する。実際のところ、卒業生はみな就職できるのだろうか。このあたりを改めて講師の鈴木さんに聞いてみた。

「プロゲーマー専攻では世界大会に出るなど結果を残しています。他のイベント専攻や宣伝プロモーション専攻、キャスター専攻らの生徒もいろんな大会やイベントのスタッフとして活躍しています」

在学中に第一線で実績を残している生徒が多く、その場合は本人の希望とうまくマッチングすれば就職もさほど問題なく進みそうだという。

ただ、プロゲーマー専攻の場合はやはり本人の実力が大きく影響する。本人がどのレベルまで目指しているかにもよるが、「そのゲームで上位1パーセントに入るための実力を身につけたいと思っているなら、現時点で芽が出てないなら難しいですね。プロゲーマーの平均年齢(20歳前後)を考えると、いまからどこまで伸びしろがあるのかも考えないといけません」と、場合によってはプロゲーマーではない道を指南する必要性も出てくる。本人の希望もあるが、最終的には「それで食っていけるのか」という部分をしっかりと話し合って決めていくことになるだろう。

▲実際にゲームをプレイする授業。現役プロゲーマーが講師をしており、現役の意見を聞くことができるのも強みだ

▲ゲームで使うための英語授業や、プロゲーマーとして必要な体力を付けるためのヨガも行う

学校側としてもいろんな企業と話をしていく中で、まだ具体的に形にはなっていないものの、たとえば午前中は会社で働いて午後はプロゲーマーとして活動……という働き方でよければサポートを検討する企業が出始めており、プロゲーマーとしてのあり方もこれからいろんな形が出てくると思われる。そういうところも生徒らの希望とも合わせて学校側からアプローチしていく予定だ。

現在、東京アニメ・声優専門学校では、2018年度向けに3期生が募集中となっている。プロゲーマーの専門学校に行こうかどうしようかと悩んでいる人に向けて、最後に鈴木さんの言葉を伝えておきたい。

「日本のeSportsを作っていくのは、今の若者たちなんです。今なら自分たちで全部作っていくことができるんですよ。何をするにも自分たちのやったことが前例となって、受け継がれていくんです。そういう体験ができるのって、どの業界でもそう滅多にあるものではありません。興味がある人は是非eSportsの扉を開いてほしいですね」

ここ数年、「日本のeSports元年!」と言われているが、本当に元年になるかどうかは若い力にかかっている。eSportsがどれだけ日本で普及するか、40~50代のおじさんたちのeSportsに対する認識はもちろんだが、それ以上に10~20代の活躍が必要だ。それを自分たちの力で切り開いていけるのであれば、こんなに面白いことはないだろう。

2018年春に東京アニメ・声優専門学校を卒業する生徒らが、どこへ就職してどんな活躍を見せてくれるのか。ちょっと長期的な取材になるかもしれないが、可能なかぎりALIENWARE ZONEでも追いかけてみたいと思っている。彼ら卒業生の活躍に期待しよう。

■前編はこちらから
<前編>プロゲーマー専門学校の生徒や講師に生の声を聞く!【東京アニメ・声優専門学校】-eSportsを支える人々-

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