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【プロゲーマー・マゴのゲーム人間論】第9回 ネモがザンギを好きになるために。

文●マゴ

こんばんは。マゴです。
忘れもしない5月21日。”あの男”に呪縛を植え付けられてから、はや5ヶ月。
あれから……あれから本当に大変でした……。『カプコンカップ(Capcom Cup)』(以下:CC)に出るために必要なポイントが、『EVO』の期間を含めた約2ヶ月間、大会に出ているにも関わらず、1ポイントも得られなかったんですから……。

しかしそれも、ようやく暗く長いトンネルを抜け、ここ最近はそれなりの成績を残すことができ、なんとか『CC』にはほぼほぼ出場が確定したのではないか、というポイントまで稼ぐことができました。
これまで応援してくださった皆さんに、この場を借りて感謝の気持ちを伝えたいと思います。

ありがとうございました。

『CC』本戦ではこれまでに経験したこと全てを出して、いや、それ以上のモノを出して臨もうと思っていますので、引き続き応援していただけると嬉しいです。

前置きが長くなってしまいましたが、今回は僕の古くからの友人であるネモさんのために、嫌いで嫌いで仕方ない”あのキャラ”に勝つための記事を書いていこうと思います。
そうです。今回の記事は……

「ザンギエフ攻略!」

このキャラに悩まされている方は、ネモさんだけでなく、かなりいるんじゃないでしょうか。
かく言う自分も、その被害者の中の一人だったのは言うまでもありません。何度も何度も苦汁を飲まされ続けてきました……。

しかし、ある時をきっかけにザンギエフ攻略を徹底して考えるようになり、そこから今回書く内容を編み出し、実践した結果、勝率は大幅に変わりました。
安定しないと思っていたザンギ戦に光明が差し、今では大体のザンギエフには安定して勝てるようになったのです! 勝てるようになると人間とは現金なもので、急にザンギ戦が楽しく思えるんですね(笑)。

さて、自分がどの部分を徹底的に攻略したのかというと、ザンギの核であると言ってもいい部分。

ズバリ、「起き攻め」です。

こちらが受けている時、こちらからしている時、それぞれしっかりと攻略しましたので、参考になれば幸いです。

被起き攻め時

ザンギエフの起き攻めといえば、コマンド投げ。その名もスクリューパイルドライバー(以下:スクリュー)。
投げ抜け不能、かつ高リターンであるこの投げ技は、リスクを覚悟して放つことさえできれば、最強の技となり得ます。

どんなに体力でリードしていたとしても、一度チャンスを与えてしまえば、まるでシベリア超特急が如く体力を減らされ、そのままKO……なんてことも珍しくありません。もちろん、他のキャラでもそういうことは往々にしてあるのですが、スクリューという文字通りの必殺技を持つザンギエフの危険度は別格、「SSS」ランク。



しかし逆に言えば、これを攻略することさえできれば、ザンギエフというキャラの大部分は攻略できたと言っても過言ではないでしょう。それほどまでに、ザンギの起き攻めに対する依存度は高いのです。
さぁ、ザンギ攻略に対するモチベーションが上がってきましたね? それでは実戦で起こりやすい起き攻めの選択肢を、整理してみましょう。

特に危険な起き攻め状況としては、大orEXスクリュー後の状況が挙げられます。
その場or後ろ受身の種類を選択出来ず、前ステップした後の状況は受身時に+2で、このゲームにおいて理想的な密着状況となっています。コンボや対空などでEXボルシチダイナマイトを決めた後も、同じ状況になっています。
ここでザンギエフ側の有効と言われる選択肢としては、以下の5つがあります。

1. 前ステップ>大スクリュー
→バクステorジャンプ以外の全てに勝ち

2. 前ステップ>大K
→バクステor遅らせ投げ抜けに勝ち

3. 前ステップ>通常投げ
→ジャンプor最速暴れに勝ち

4. 前ステップ>しゃがみ小P(~ヒット確認でコンボへ)
→ジャンプorバクステor最速暴れに勝ち

5. 前ステップ>ガード仕込みEXスクリュー
→無敵技暴れorバクステに勝ち

どれも見たことがある選択肢だと思います。特に1.の強さは尋常ではありません。これを警戒している以上、防御側は動かざるを得ないのですから。
とは言え、スクリューには他の選択肢と違い、大きなリスクがあるので、ザンギ側としてはあまり出したくないもののように見えます。ですが、そこは流石のザンギエフ使いたち。相手がガードを多めに選択していると見るやいなや、

「そんなの関係ねぇッッ! そんなの関係ねぇッッ!」

と、どこかで聞いたことがあるような言葉を叫びながら自信満々に、楽しそうにコマ投げを選択してくるのです。非常に腹立たしいですよね……。
これを何度か通されてしまうと、リスクリターンの計算なんて何の役にも立ちません。相手はあとはもう、いついかなる状況でも逃げ惑う小鹿のように、怯えることしかできなくなります。なので、”アリ”なのです。

「じゃあやっぱり、この”じゃんけん”を受け入れるしかないじゃないか……」

と、お思いの貴方。
そんな時は、一つのノイズを与えてあげるのです。

「あえて受身を取らない」

もちろん毎回じゃありません。しかし、この選択肢があると思わせることができるだけで、これまで楽しそうにしていたザンギエフの眉間にシワが寄ります。
実はスクリューの後だけ、相手の暴れを潰すための理想的なスクリュー重ねが、受身の有無を確認してからでは間に合わないのです。しかも決め打ちでスクリューを出してしまった場合、受身をとらずに起き上がってきた相手に、確定反撃までもらってしまいます。


このノイズをちらつかせてあげるだけで、自ずと起き攻めスクリューの確率が減っていきます。なぜなら、起き上がってからの二択ならまだしも、その前に自分に負けのある二択が発生しているのは、ザンギ側的に「アンフェア」だからです。

こうなったら、あとは最強の選択肢である1.を除いた2.~5.が相手です。スクリューという最強の選択肢が消えた以上、こちらもある程度の対処が可能になります。

「重ね攻撃をガードするタイミングで投げ抜け」

1.を選択させづらくさせた段階まで来たら、この行動が非常に有効です。
これをすることで、2.~5.の選択肢の内、2.3.4.に負けなくなります。少しでも投げ抜けが遅くなってしまうと、2.の大Kが投げ抜けに対してクラッシュカウンターになってしまうので要練習ですが、モノにしてしまえば、ザンギの起き攻めに対する恐怖が一気になくなります。残る5.に関しては、上の投げ抜けの部分を発生の速い小技暴れにすることで対応可能。

そして、これらに加えて無敵暴れも使い分けていけば、ザンギ側から見ると的が絞りにくくなり、起き攻め自体に消極的になるのは至極当然のことです。
ありとあらゆる知恵と道具を使い、ザンギエフという「獣」を「人」にすること。これが、被起き攻め時に大事なことなんです。

2.
しっかりやれば……

発生前に投げることができます

3.
もちろん投げ抜けに

4.
これだけはガードするように、投げ抜け入力!

5.

これが読めたら投げ抜けではなく、遅らせ小技暴れ

起き攻め時

ザンギエフに、起き攻めは禁物!

というのが、これまでの常識でした。なぜなら暴れとして非常に有効な、コマンド投げの選択肢を持っているからです。
ですが、ザンギに困ってるみなさん。よくよく考えてみてください。

今回のザンギ、コマンド投げに無敵がついていますか?
発生は割り込まれてしまいやすいほどに早いですか?

実は『ストV』に限っては、そうではないんです。
EXスクリューには投げ無敵のみが、EXシベリアンエクスプレスには3Fからスーパーアーマー判定がついているだけで、完全無敵はゲージを全て使ったCA(ボリショイ・ロシアン・スープレックス)のみ。そして、発生は5F。つまり通常投げと同じです。通常攻撃の暴れよりも遅いんです。昔と一緒の部分は、いざ掴まれてしまった時のリスクのみなんです。

発生5F。無敵は投げ無敵のみ

3Fからスーパーアーマー判定。潰したいなら投げか1-2F目に打撃を重ねよう

ということは、ガンガン強気に起き攻めしていいんです。起き上がりにガンガン攻撃を重ねたっていいんです。グラ潰しだってガンガンしにいっていいんです。
コマンド投げの暴れを怖がって、せっかく起き攻めしている側なのに、いちいちジャンプやバクステを選択しなくてもいいんです!

立ち回りや起き攻めは少し面倒ですが、一度ダウンさえさせてしまえば……

ただ体力が少し多いだけの、防御の弱い肉の塊だ!

このように認識するだけで、ザンギ戦がかなり気楽に感じられます。
今までザンギ戦をつまらなく感じていたほとんどの理由は、相手の起き攻めはどうしようもないのに、自分の起き攻めのチャンスでは消極的にならざるを得なかった……そんな「理不尽さ」からきていた、と自分は思っています。

被起き攻め時、起き攻め時、ともに細かい部分は今回も割愛させてもらっています。
しかし、今回記事にした内容だけでもしっかりと実戦で馴染ませることができれば、我慢比べに近い立ち回りの中でも、多少の余裕を持って立ち回れるようになるかと思います。ザンギ戦の勝率も、必ずと言っていいほど上がるはずです。

以上、「ザンギエフ攻略」でした。

この記事を見たネモさんが、少しでもザンギとの対戦を楽しんでくれますように。

……

いや、それはないか……。

©CAPCOM U.S.A., INC. 2016 ALL RIGHTS RESERVED.

■【プロゲーマー・マゴのゲーム人間論】
第1回 たかがゲーム、されどゲーム
第2回 「強さ」とは(前編) ネモ、許すまじ。
第3回 「強さ」とは(後編) ネモ、ありがとう。
第4回 格闘ゲームで上達するためには
第5回 かりんちゃんを笑顔にするために
第6回 僕とときどのEVO物語。前編。
第7回 僕とときどのEVO物語。後編。
第8回 地上戦を構成する3つの要素

■マゴ選手のプロフィール
1985年1月21日生まれ。本名は林 賢良。大会に参加するだけでなく、ゲーム業界屈指のアクセス数を誇るブロガーであり、ゲーム配信の先駆け的存在でもあるなど、ゲームの楽しさを世に広め続けている。ストリートファイターシリーズを中心に活動している。2016年は、Capcom Pro Tour -Asia/Oceania Regional Finals(CAPCOM Pro Tourプレミアトーナメント) ストリートファイターV 優勝、 TWFighter Major 2016(CAPCOM Pro Tourランキングトーナメント)ストリートファイターV 優勝、Well Played Cup (CAPCOM Pro Tourランキングトーナメント) ストリートファイターV 優勝など数々の戦歴を誇る。

■関連リンク
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