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海外から見た日本のeSportsとは?「Hokuto」ギャリー・ミアラレ氏インタビュー

「Hokuto」はフランス人のギャリー・ミアラレ氏が立ち上げたeSportsチームだ。同氏は、日産自動車や三菱自動車工業の会長を務めるカルロス・ゴーンと同じ、フランストップクラスの教育機関であるエコール・ポリテクニーク(École Polytechnique)を卒業し、ユービーアイソフトを経てeSportsチームを立ち上げたというユニークな経歴の持ち主となっている。ミアラレ氏にチーム運営の秘訣と日本のeSportsについてインタビューを行った。


ギャリー・ミアラレ氏について

――まずは簡単に自己紹介をお願いいたします。

ミアラレ氏:私はエコール・ポリテクニークでAIを専攻し、その後はコンサルティングの会社でビッグデータなどを扱う仕事を経て、ユービーアイソフトに入社しました。そして、2016年に来日し2017年2月に「Hokuto」を立ち上げました。子供の頃からゲーム業界に憧れて、この業界で仕事をしたいという情熱を持っていました。eSportsという訳ではないですが、昔からゲーム大会とかにも出ていました。ヨーロッパで開催された「Stunfest」でネモ選手なんかとも対戦したことがありますよ。一番好きなゲームは『GUILTY GEAR』や『鉄拳』シリーズ、『ストリートファイター』シリーズですね。実はヨーロッパのゲームより日本のゲームの方が好きです。

――日本に来たきっかけを教えてください。

ミアラレ氏:実は16歳の時にビデオゲームの大会で妻と知り合ったのですが、妻が日本に来たがっていて、それで一緒に日本で住もうということになりました。妻も日本の会社で働いています。最初に国立情報学研究所のインターンシップで6カ月滞在しました。その時は、伝説のゲームセンター「高田馬場ゲーセン・ミカド」の近くに住んで毎日通っていました。

――短期間で「Hokuto」をどうやって立ち上げたのでしょうか?

ミアラレ氏:チームを運営するために株式会社を設立し、そこで資金調達をしました。主にフランスの会社の日本法人の社長さんとかに株を持って頂いております。今後はスポンサーとなってくれる企業も見つけて一緒にやっていきたいと思っています。

チームについて

――チームの現状について教えてください。

ミアラレ氏:まずは『League of Legends(LoL)』でタイトルを獲得するべく、ゲームハウスを設立してチームメイトが共同生活をする場を作り、チームを鍛えています。今年の「League of Legends Japan League」の大会「LJL CS 2017 Summer Split」では残念ながら予選で敗れてしまいましたが、来年こそはタイトルをとれるようにしたいと思います。

――チームの運営方針と戦略について教えてください。

ミアラレ氏:「Hokuto」では、プレイデータの収集とその活用を重視しています。選手ごとの強み、弱みを正確に把握し、それを対戦相手の対策や、チーム選手のトレーニングに生かしています。『LoL』は対戦成績などのデータを公開しているので、選手ごとの『LoL』の対戦成績や被ダメージなど、独自解析できるソフトを開発しました。前職でビックデータを扱う仕事をしていたので、データを集めてそれを生かすことがどれだけ重要かということを私自身が経験していますからね。

ミアラレ氏が自分で1000行ほどのコードを書いて開発した選手ごとの対戦成績と傾向を解析するプログラム

――そのデータをもとに、具体的にどんなアドバイスを選手たちにしていますか?

ミアラレ氏:データを見ていると、選手たちのプレイの傾向が見えてきます。例えば勝利数が多い選手でも、よく見るといつも序盤の被ダメージが大きく、肝心なときにやられてしまうとか、逆にダメージは少なくとも肝心なときに攻めきれていないとか見えてきます。自分の傾向を理解させてどういうプレイが理想的かを学んで貰います。さらに、普段やらないようなプレイをやらせてみて、新しいプレイの可能性なども見つけられるようにアドバイスしています。

――チーム運営で苦労している点を教えてください。

ミアラレ氏:フランスと日本の文化の違いにやはり戸惑うことがあります。日本人はあまり直接的にモノを言わないので、言われるのに慣れていません。逆に私は直接的に事実を伝えすぎる傾向にあるので、もう少し指導法を改善しないといけないと感じています。ただ、そこはマネージャーの佐久間 平さんが上手く入って円滑に進めてくれています。

海外からみた日本のeSportsは?

――海外から見て、日本のeSportsはどのように見えますか?

ミアラレ氏:日本は主にゲームをするために選手が集まってプレイするという印象が強いですが、例えばフランスなどではショービジネスとして一般的なスポーツを見るような感覚で観客が多くやってきます。それがまず大きな違いですね。日本にはゲーム以外にも様々な娯楽がありますが、その中からeSportsに興味を持って貰うには、やはり注目されるスター選手を輩出する必要があります。既に日本でも、『LoL』の大会をすれば4000人近く集まるほどにはeSportsが認知されていて、爆発的に発展する基盤はありますが、それに火をつけるためには、やはりスター選手が必要です。例えば、企業の広告塔となるスター選手がいて、それを見て若い人たちが「こういう人になりたい」と思える流れを作らないと、日本のeSportsは発展しないと思います。私のチーム「Hokuto」はそのようなスター選手を育成するために作りました。

――日本でスター選手を育成するためには、どうすれば良いでしょうか?

ミアラレ氏:まずはプレイヤーとしてゲームが圧倒的に上手く、タイトルをとれる選手が必要ですね。例えば、『LoL』についてなら韓国が圧倒的に強いので、やはり韓国の選手と一緒に練習すれば良いと思います。日本人はがむしゃらに練習して、それをまわりの人に見せることで自分は頑張っているということを示したがります。しかし、何も考えずただ長い時間をかけて練習しても決して上手くなる訳ではありません。まず古い考えや精神を捨てて、純粋にゲームが上手くなるためにはどうすれば良いか、どのような練習が有効かを考える必要があります。また、日本人だけで編成したチームで世界タイトルをとる必要もありますね。「日本人だけでも世界に通用する凄いことができる」とアピールすることで、多くの日本人にeSportsに興味を持って貰えると思います。


――eSportsの選手としてゲームが上達するために必要な素質を教えてください。

ミアラレ氏:まず、様々なものに興味を持ち、いつも同じ場所に居ない、新しい事を学びたいと思う心です。そして、早く学ぶための学習力です。実際に学ぶ力のある選手はやったことのないゲームでも半年もあれば、プロ並みの実力を獲得できます。さらに、チームの中で自分がどれだけ上手い選手になるか、チームのために働ける選手になるかと意識することです。チームと一緒にやっていける協調性とどれだけチームのために働けるかが大切ですね。

――『LoL』の世界のトップ選手と日本選手の差はどこにありますか?

ミアラレ氏:日本の選手の中には、勝ちたいという自我やエゴがまだ足りない人もいるように感じます。たくさん練習をしているのに負けてもあまり悲しまないというか、負けた悔しさをバネに勝ちに行ける人が少ないといいますか。日本人の選手は負けたときに「ああこういうこともあるよね、しょうがないよね」というふうに考えてしまうところがあるようです。自分は勝てるという自信を持つことも大事です。もっとプライドを持って戦って、どうやったらもっと強くなれるかどうやったら勝てるかってことを考えないといけません。

――最後に読者に向けてメッセージをお願いいたします。

ミアラレ氏:ぜひ私たちのチームのファンになってください。何か聞きたいことやメッセージがあれば、WebページやTwitterとかに書き込んでください。eSportsを全然知らないという人でも構いません。残念ながら18歳以下はなれませんが、これから選手になりたいという人も気軽に声を掛けて頂けると嬉しいです。



■関連リンク
「Hokuto」
http://www.hokutoesports.com/
「Hokuto」のTwitter
https://twitter.com/hokutoesports
ギャリー・ミアラレ氏のTwitter
https://twitter.com/TolkiCasts