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【プロゲーマー・LazのCS:GOステップアップ講座】第1回 うまくなるために大切なこと

文●Laz

Counter-Strike: Global Offensive』(以下:『CS:GO』)を好んで遊んでいるプレイヤーは、「このゲームをもっとうまくなりたい!」というモチベーションでプレイしている人が多いと思います。
「成長が止まった気がする」
「何をすれば良いのかわからなくなってきた」
「全然当たらなくなるときがある」
『CS:GO』連載第1回は、このような悩みを解決するためにいくつかの題を出すと同時に、それらに共通する「うまくなるための鍵」となる重要な考え方を探していきます。
今回は前編。こちらでは、技術やプレイ中の考え方を中心にお伝えしていきます。


1. 状況有利と撃ち合い

まずは「状況有利と撃ち合い」についてです。これをしっかり考えておくことによって、
「撃ち合いだけ強くなれば良いのではないか」
「相手が強いと何をすれば良いのかわからなくなる」
なんていうお悩みが解決します。

『CS:GO』に限らずFPS全般において、状況有利を取ることは基本となります。FBで敵の視界を真っ白にしたり、味方と一緒に撃ったりなど、こういった行為も状況有利と言えます。

しかし、状況有利になれば必ず倒せるというわけではありません。敵の背後を取っても、武器差があっても、自分らが倒されてしまった……という経験は、皆あるはずです。ということは、「状況有利を取る」 →「敵を倒せる」という流れが間違っているとわかります。

では、状況有利を取ることは、どこに繋がっているのでしょうか。もちろん時間を稼いでC4を爆発させたり、忍者解除によって有利がそのままラウンド取得に繋がる例もありますが、多くの場合は状況有利の次に「撃ち合い」があります。そして、この撃ち合いの先に勝敗がある、という流れになります。

よく考えれば当然ですよね。状況有利を取れたにも関わらず撃ち合いで負けてしまうこともありますし、状況不利での撃ち合いに勝ててしまうこともあります。ですが、状況有利であれば勝率が高くなることに変わりはありません。

こうして見ると、

「状況有利は撃ち合いの勝率を高めるためにあるもの」

ということがわかります。この考え方が大事なのです。

では、「撃ち合いだけ強くなれば良いのではないか」、「相手が強いと何をすれば良いのかわからなくなる」といった悩みを、この考え方を使って対処してみましょう。

「撃ち合いだけ強くなれば良いのではないか」についてですが、これはNoですね。状況有利の差は撃ち合いとは別の次元から来ます。いくら撃ち合いを強くしてもこの差は埋まりません。

ただし、一時的に撃ち合い強化の練習だけをする、という意味であれば全然アリです。とくに始めたばかりのプレイヤー同士であれば、状況有利による差が吹っ飛んでしまうほど、その差が顕著に出ます。初心者同士はむしろ撃ち合い強化に集中する事をおすすめします。

続いて、「相手が強いと何をすれば良いのか、わからなくなる」という悩みについて。

強いプレイヤーは例外なく撃ち合いも強いので、自分が状況有利を取れたとしても撃ち負けてしまうことが多くなります。このときに、「状況有利を取る」 → 「敵を倒せる」 と考えていると、状況有利を取っているのになぜ倒せないだろう?と理解できません。「普段どおりでは倒せない、倒せる気がしない」 → 「どうすればいいの?」となっていくわけです。

こういうときは前述のとおり、「状況有利は撃ち合いの勝率を高めるためにある」という考え方をはっきりと認識することです。「状況有利」「倒せるか倒せないか」をしっかりわけて考えるのです。そうすることで、たとえ相手のほうがランクが高かったり、明らかに自分たちより強かったとしても、状況有利を取ることを意識できるようになります。

撃ち合いに勝てた場合でも、状況有利が取れていなかったのであれば、本当にその動きで良かったのかを考えるようになります。また、負けた場合でも状況有利が取れているのであれば、正しい選択だったと分かるわけですから、そのまま続けるようになります。

当然、相手がうまければ、自分が状況有利を取ろうとして動いたときにうまくかわされたり、逆に有利を取られたりします。そうすれば今度はどうやって状況有利を取り返すか……と次の思考に続いていくわけです。

この対処法を使ったとしても動きについての悩みがなくなるわけではありませんが、少なくとも「何をすればいいのかがわからない」といった状態からはかけ離れた場所に立てるようになるはずです。

2. 立ち回りと読み

二つ目は、「立ち回りと読み」についてです。「立ち回り」は状況有利を取る手段のひとつで、とくに少人数戦や1 on Xのときに必要になります。「立ち回り」「相手を読む」をしっかり考えることで、
「考えが読める相手にしか勝てない」
「読みが外れるとそのまま負けてしまう」
といった悩みが解消します。

さて、いきなりですが皆さんは他人の考えが確実に読めますか?この人は次にこうするだろう、きっとこう考えてる、といったことが正確に把握できますか?

無理ですよね。長い間一緒にいた家族や友人ですら不可能なのですから、見ず知らずの他人が考えていることは分かるわけがありません。当たるかどうかが常に不安定な読みは、勝率を高めたいのであれば本来は避けるべきものなんです。では、読みの代わりになるものは他に何かあるのでしょうか。

それは、「その場の状況を考える」ということです。

自分が置かれた状況から想定できる相手のポジション・動きをできるだけ考え、そのすべてに対して不利にならず、正面から一対一で撃ち合える状況を作れるように立ち回ります。読みを使うのは不利にならない状況を作ってからか、どう動いても不利な状況に追い込まれたときだけにしたほうが、最初から読みだけを使うよりも、不利な状況のままの撃ち合いが発生する確率はグッと低くなります。

すると、相手の読みが当たっても五分の撃ち合いに持っていけますし、相手の読みが外れれば状況有利を取れるようになります。この差は勝敗にかなり影響します。

「考えが読める相手にしか勝てない」という悩みは、最初から読みに頼っているから勝てないのです。読みよりも状況把握を重視し、その状況を考えることによって知らない相手(とくに外国人相手)にも状況不利に陥ることがかなり少なくなります。「読みが外れるとそのまま負けてしまう」 というのも同じですね。

3. 調子の波

最後は、「調子の波」についてです。調子に関して悩んでいる方、実は多いのではないかと思います。これについてもしっかりと対処することで、
「調子が悪いと何もできない」
「大会だったり強い相手との試合だと当たらなくなる」
「一日で何度も調子が狂う」
といった悩みが解消します。

人間である限り、強さが変動する「調子の波」というものは確実に存在しますし、逃れられないものです。ですが、調子によって「どこが変わったのか」あるいは「本当に調子によるものなのか」を把握することで、ある程度対処することができます。

たとえば連続して撃ち負けたときや、スコアが悪かった試合があったとしましょう。漠然と「撃ち合いで負けた」と結論づけて、深く考えずにゲームの設定を調整したりして対処していませんか? これは調子が悪かったときの策としてはあまり良くない行為です。

というのも、調子が悪くなったときに「どこが本当に悪くなったのか」を把握することは難しいため、適当に何かを修正しようとしてしまうと、良い部分を変化させて悪い部分をそのままにしてしまう、といったことがよく起きるからです。

ストッピングができていないだけであるにも関わらずaimを修正しようとしてしまったり、不利状況の撃ち合いになってしまっているのに撃ち合いだけを修正しようとしてしまったり。こういったことは、身近な所で何度も何度も起きています。

これを避けるために、調子が悪いと感じたときは、「何が普段と違うのか」をできるだけ正確に把握することを意識してみてください。そのために効果的なのが、自分のプレイのデモや録画を見ることです。自分の動きを客観視することで、何が悪いのかが浮き彫りになります。正確な問題点が分かれば、あとは修正案を出すだけですね。確実に悪い部分を直すわけですから、修正できればそのまま改善に繋がるようになります。

注意点として、この修正案は忘れがちになる、ということがあります。とくに感覚的なものが修正対象になると、一度直しても再発することがよくあります。軽く狙うことであったり、初弾を大事にすることであったり。こういった修正案は本当に忘れやすいんです。

対策として、修正案をできるだけ簡潔な言葉にして、常に思い出せるようにしておく、というのが有効となります。

上の例で言うと、「軽く初弾を狙う」という言葉を覚えておくことで、調子が悪くなった際に素早く直せるようになりますし、もしそれで直らなかったとしても、また新しい別の修正案を探す、という作業を続ければ、おのずと調子は安定していくようになります。

・「調子が悪いと何もできない」
調子が悪くなると何が変わるのかを正確に把握していないため、試合中にすぐ修正できないことが原因です。また、前項にあった状況有利と撃ち合いをゴッチャにしてしまうことでも、何もできないと思ってしまう場合があります。相手を倒せないからといって「調子が悪いから何もできない」と思うのではなく、たとえ調子が悪くても状況有利を取りに行けばいいだけです。

・「大会だったり強い相手との試合だと当たらなくなる」
調子ではなくプレッシャーが原因によるものだと思われます。ただ、これも調子が悪くなったときの修正方法がプレッシャーがかかったときも有効なので利用します。今まで自分が見てきたプレイヤーのほとんどは、プレッシャーがかかると反応速度が速くなる代わりに判断力が落ちます。細かいことは省略しますが、この判断力が低下した際に調子の修正方法が効くのです。パッと思い出してサッと直せるようになります。

・「一日で何度も調子が狂う」
本当に調子によるものなのかを正確に把握していないために起こります。肉体的な問題で乱調が起きてる可能性はありますが、そのようなプレイヤーは見たことがありません。

たとえば、スコアだけを見て調子を判断しているプレイヤーは、相手の動きによって自分の場所にキル数が集まっている場合にも調子が良いとしか考えませんし、撃ち合いだけを見て調子を判断しているプレイヤーは、相手の策で撃ちやすさが変化している場合でも撃ち勝てるから調子が良い、撃ち勝てないから調子が悪い、といったように撃ち合いのことしか考えません。

それぞれの原因がどこにあって、それに自分の調子が関係しているのかについて正確に把握することで、少なくとも試合毎に調子の良し悪しを感じたりすることはなくなるはずです。

うまくなるための鍵とは

問題点を正確に取り出して、確実に修正する。これを続けていけば上達するはずです。上達していくプレイヤーと止まってしまうプレイヤーとの間には、「ゲーム理解」に差が生まれています。何が悪いのかを把握できないため、間違った部分に手を付けず、正しいかもしれない部分を変えてしまっています。

今回取り上げたお題には、「何が良くて何が悪いのかを明らかにする」(=ゲーム理解)という考え方が共通していますよね。

初心者が時間をかけただけ伸びるのは、そこに分かりやすく学べる部分がたくさんあるからです。今まで学んだことが絡み合い始め、何が良くて何が悪いのかを正確に見つけるのが難しくなってきた中級者が間違った修正を繰り返している間に、上級者は問題点を正確に見つけ出して、修正しています。

「ゲーム理解」

これがうまくなるための鍵であり、成長できるかできないかの違いとなる、とても大切なものなのです。

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■Laz選手のプロフィール
SCARZの『Counter-Strike: Global Offensive』チーム、SZ Absoluteリーダー。2017年2月にチームAbsoluteごとSCARZに加入し、SZ Absoluteとなった。JCGやWESGなど数々の大会で優勝経験あり。『CS:GO』プレイヤーに向けて情報をまとめたブログも書いている。

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