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なぜ『ロケットリーグ』は日本でイマイチ流行らないのか ──『ロケリー』有識者座談会

ロケットリーグ』(ロケリー)──RCカーを操って競い合う、3vs3のサッカーゲームだ。カジュアルな見た目と操作性、狭いフィールドで攻守が目まぐるしく入れ替わるそのゲーム性、マシンが壊れることもあるダメージ管理要素など、年代を問わず楽しめる気軽さと奥深さが北米・欧州を中心に爆発的にヒット。eスポーツの定番タイトルとしても定着している。

日本でも、「第3回全国高校eスポーツ選手権」の競技タイトルに選ばれており、11月の最終予選では全国から勝ち上がった高校生たちが日頃の練習の成果をぶつけ合った。特に今年は、9月24日にゲーム自体が無料化され、新たなユーザー獲得の起爆剤として期待されてもいる。


しかしこの『ロケリー』、日本でそこまで盛り上がっているかと問われると、正直なところ「イマイチ」だ。

頻繁に大会も行われている、プロチーム・選手もいる、実況・解説キャスターも充実している、熱心にプレイしているコミュニティもある。なのに、どうも盛り上がりに欠けている気がするのだ。

いったいなぜ『ロケリー』は盛り上がりに欠けるのか。そこにeスポーツを盛り上げるためのヒントが隠されているのではないか。そんな思いから今回、全国高校eスポーツ選手権の実況・解説を務めるkokken氏とWave氏、アナリストを務めたValtan氏の3人に、なぜ『ロケリー』が日本で流行らないのか、盛り上がるために何をすればいいのか、というテーマをぶつけてみた。

『ロケリー』を愛するすべてのファン、そして日本のeスポーツ自体の盛り上がりに懐疑的な方々に、ぜひお読みいただきたい。


座談会参加者
写真右:kokken(コッケン)
『ロケットリーグ』の発売当初からシーンを牽引してきた日本で最も『ロケリー』をよく知る人物。国内で行われるほとんどの大会で実況を務めているほか、様々なゲームコミュニティと交流があり、eスポーツ/ゲームコミュニティにおいて一目置かれる存在。

写真中央:Wave(ウェーブ)
Team HANAGUMI ロケットリーグ部門の元選手、現在はコーチ。「2018 Logicool G Cup」準優勝、2019「Primal」3位などの実績を持ち、Ranked3v3の瞬間最高MMRは日本5位。初心者から上級者までのコーチングや大会の解説なども行っている。

写真左:Valtan(バルタン)
WE-R1所属のプロ選手であり、アナリストとしても活躍中。「Logicool G Cup」「PRIMAL」など、国内最高峰の大会で数々の入賞を果たす。個人技よりもチームプレイを重視した高速な攻めが持ち味。日本最強チームを決定する「PRIMAL-Rocket League Japan Series-FINAL」では解説を務めた。

リリース初期の無料化が世界的人気に火をつけた

ーーいまさらかもしれませんが、あらためてみなさんが『ロケリー』と出会ったきっかけからお願いします。

Valtan:僕は偶然ですね。Steamでいろいろなゲームを遊んでいて、ストアページで見て「これだ!」と(※2020年12月現在、『ロケットリーグ』の配信はEpic Games)。昔から競技性の高い、練習すればうまくなるゲームばかりやっていたので。同時に英会話の練習にもなればと思って。海外のプレイヤーとチームを組んだりもしています。

kokken:ストアページの『ロケリー』の動画見て、「これは競技性高そうだ」ってフツー思わないと思うんだけど(笑)。でも確かに『ロケリー』は他のゲームに比べると「English Friendly」な感じはしますね。アジア圏で見てもプレイヤーが少ないからかな。

Valtan:いや、ほんとなんですよ。僕、昔から有料ゲームを買ったことがなかったんですけど、多分初めて買った有料ゲームです。ビビっときました(笑)。その前はFPSとかをやっていましたね。あとはレースゲーム。レースゲームから『ロケリー』に来る人は多いですよ。

Wave:僕はもともとPS4で始めました。フリープレイになっていた時にパーティーゲームとしてわいわいやったのが最初ですね。

『ロケリー』は2015年7月発売だったんですけど、その年の10月くらいに一度無料配信されたんです。そういう施策で人口を増やそうというやり方がうまくいって。それがグローバルで成功した原因でもあります。しかも、PCとPS4は当時からクロスプラットフォームで対戦できましたから。

そこからはランクには行かず、友達と雑談しながら遊んでいました。『ウォッチドッグス』とか『メタルギアソリッド』シリーズとかのアクションが好きでした。PS4から来る人は多いですよね。

kokken:7〜8割はPS4から入っているかな。トップ層こそPCの利点(120Hz以上の描画等)を求めますが、PS4等のコンシューマー機でも十分に楽しく遊べます。

Wave:その後「プロゲーマー」として活動を始めて、2019年1月にHANAGUMI所属になりました。その前もアマチュアとして活動していたので、キャリアとしてはもう中堅ですよ。

kokken:僕は以前は「S4 League」というTPSをやっていたのですが、2012年で終了してしまったんです。その後FPS等を渡り歩いている時に『ロケリー』が発表されて、発売前から面白そうだなと思っていました。以前からコミュニティの大会とかをやっていたので、『ロケリー』でも大会を開いたら感触がよくて。いろいろやっているうちにいまこういう立場になっています(笑)。


ーー三者三様ですが、みなさんほぼ発売と同時からプレイされているんですね。では本題ですが、率直に言って、『ロケリー』というゲームが日本で定着している、人気があるって思われますか?

kokken:まあ、定着はしていないですよね。無料化もあって多少増えた気もするけど、まだまだかなと。

Valtan:世界から見たらまだまだ全然です。この数カ月でやっと光明が見えてきているかなというレベルです。この前、高校の時の友達が「ロケリー始めたんだけど教えて」って言ってきたりして、無料化にともなって光が見えてきたかなと思うんですけど。

ーーやはり無料化は起爆剤になりそうですか?

kokken:それが大きいと思いますね。日本ではロケリーの宣伝がこれまでほぼないような状況でした。開発のPsyonixという会社も元々小さなチームで、なかなかアジアまで手が回らなくて。

たとえばライアットゲームズ(『リーグ・オブ・レジェンド』の開発会社)は日本法人もあって活動しているじゃないですか。でもPsyonixは日本法人もなくてついでに売られているという感じで。「なんか勝手に盛り上がってるな」という感じに見られているかもしれないですね。

ーーそんな勝手に盛り上がっているタイトルでプロ選手として活動されているWaveさん、反論はいかがですか?(笑)

Wave:一般人に定着しているかと言われると、していないと思います。それこそ僕も会社の同期から「最近始めた」って話をちょこちょこ聞いたりもしますけど、僕らの父親・母親世代となると全然興味がない。僕がこれだけプロとして活動していることを親に伝えても、「面白いね」とか「頑張れよ」とは言ってくれますが、根本的には理解していません。その辺は文化というか、抵抗はなくても理解は薄いかな。逆に、僕ら世代が親になったときに、子どもたちは理解できると思う。

kokken:多分『ロケリー』というゲームの面白さが伝わりにくいんだと思うんですよ。日本だとRPGや格ゲーのようなゲームが「ゲーム」として理解されていて、「クルマでサッカーをする」というような破天荒なゲームをうまく認識できないんじゃないかなと。

Valtan:日本のゲーム業界自体、ニンテンドーとかソニーに誇りを持っているところもあるので、海外と比べるとゲームというものがまったく違う気がしますね。海外で人気なのは競技性の高い『CS:GO』とかですが、日本ではまだまだ知らない人が多いですよね。

ーーわかりやすいと言われながらも、どうも理解度が低いと。では、流行している欧州とか北米との違いで一番大きいのはどこなんですか?

Valtan:そこまで決定的に違うところはないんですよ。コミュニティとかでインフレーションしていくもので、ある程度整って大きくなれば指数関数的に大きくなっていくと思うので、日本でもポテンシャルはあると思います。

Wave:ただ、規模が小さいがゆえに出遅れていますね。アジアでの競技シーンもまだ大きくないし、競技人口も少ない。

ーー世界での『ロケリー』の熱狂はすごいんですけどね……。

kokken:それはもう、日本では考えられないくらい向こうではメジャータイトルとして受け入れられています。

Wave:テレビでポップコーン片手に試合を見るとかね。

kokken:スポーツ番組で普通に流されていたりもしますよ。日本で言うと野球とかサッカーを見る感じですね。

▲Rocket League Championship Series X(RLCSX)は北米(NA)と欧州(EU)でテレビなどでも放映されている

ーー海外でそこまで定着できた理由はなんだったとお考えですか?

kokken:開発元がうまくフランチャイズ化していけたというのがありますね。リリース当初の無料化でプレイヤーが増えたという事実が大きかった。ベース人口が多いところにeスポーツの競技ピラミッドを作るのがうまくいったんだと思います。

『ロケリー』の人気チャンネル・配信者の存在も大切

ーー日本では今後、どんな取り組みをしたら盛り上がるとお考えですか?

Wave:僕が一番大きいと思っているのが、配信や動画のコンテンツです。現状はほとんどないので、「『ロケリー』と言えばこの人のこのチャンネル!」というものがあると大きくなるのかなと思いますね。いちプレイヤーやYouTuberが『ロケリー』に関するコンテンツで人気を出せたら。

▲『ロケリー』の配信で有名なSquishy。チャンネル登録者は114万人

kokken:日本のロケットリーガーって、俺が俺がと前のめりでアピールしていこうっていうよりも、プレイに真摯でいたいという人が多いんですよ。あと、『ロケリー』ってプレイ中にしゃべりづらい! 他のゲームと比べると配信には向いていない。

Wave:雑談しながらプレイできないんですよね……。試合中はボールをずっと見ていないと。

kokken:PUBG』とか『Apex Legends』とかは、アイテムを拾っている間にしゃべれるしコメントも見られます。でも『ロケリー』はプロの配信ですら、ゴールが決まらない限りはコメントを見る暇もない、って人が多いですね。

Wave:たしかに。

Valtan:実際ボイスチャットをしていても、ゲーム以外のことはまったくしゃべれないです。プレーに関するツッコミはできるんですよ。「そこ、空ぶるんかい!」とか(笑)。

kokken:日常配信で遊びにくいということはありますね。逆に、『ロケリー』しながらすっごく面白い配信ができる人がいれば、ワンチャンあると思います。海外ですらしゃべりが面白いロケットリーガーってなかなかいないんですよ。僕の知っている海外のコミュニティリーダーは何をしているかというと、うまい人を二人連れてきてその試合を実況することで盛り上がっている。そういう「ショーマッチ」がひとつの解決策なのかなと。だからひとりではどうにもならない。動画であればあとから編集すればいいんですが、ストリームという意味では他のゲームに劣るところはあるかもしれません。

▲海外の有名実況者、Johnny Boiのショーマッチ。日本のトッププレイヤー、ReaLize選手も招待されている

ーーサッカーは攻守の間の時間がある程度あるので、攻撃側の戦略とかを話しながら実況できますけど、『ロケリー』はフィールドも狭いし展開が早いから追いつかないですよね。

kokken:やろうと思えばできるんですが、なかなかにカロリーが高くて。そのたびに試合を止めて細かく説明すると編集も難しいですし……。だから僕はいま、「ロケットリーグ スーパープレイ集」みたいなものを集めたりしています。

Valtan:僕もTwitchを始めたりしています。

Wave:僕も最近配信していますよ。

Valtan:YouTubeとかだと初心者からの質問とかもあるので、カメラ設定とかボタン設定とかを伝えたりもしています。

単純ながら将棋に匹敵する『ロケリー』の奥深さ

ーーeスポーツとして、競技としての魅力という意味では「やりこみ」とか「テクニック」という要素もあると思います。ただ、動かしているのはクルマだし、サッカーだし、ぱっと見てすごさが伝わりにくいのかなと。なのでここからは、いかに『ロケリー』が奥深いゲームなのか、というところを存分にアピールしてください。

kokken:常にフィールドを見ていなければいけない、常にインゲーム、というところが非常に奥深いと思いますね。

Valtan:すべての車両の位置を頭の中で覚えておいて、頭の中で思考しまくっていないとなかなかいいプレイができないというところは「深い」んですが、そこってビジュアル面では画面に出ないんですよね。

Wave:特に初心者は、最初から立ち回りまで考えられる人はいないと思うので、ボールをコントロールするためにプレイしていく中で「あれ、このゲーム、もしかしてポジショニング大事じゃね?」って気づいていくのが普通の流れですからね。

まずは自分でボールに触ってゴールを決める、というのが最初の面白さですよね。そこからある程度わかってきて、ボールを触っていない時も含めた「立ち回り」の重要さがある程度わかってくると、急にズドーンと深くなります。


kokken:観戦する側に立つと、フィールドの6人が常になにかを考えながら動いていて、ひとつのプレイに対して6人が入れ替わっていくという、一瞬一瞬で考え方が変わってどうそれに反応していくのか、というのが行われているんです。

基本的にはそうやって、ちょっとずつ積み重ねてきた有利があって、結果ゴールに結びつくという感じなんですよね。ちょっとずつ崩していくとか、そういった細かいところを見ていくと面白さが見えてくるんです。

ーー野球で言うホームランみたいに、誰が見ても「すごい!」と理解できるものではないですよね。

kokken:そうですね。いきなりゴールを決めるような「100」のすごさを見せることはできないんです。60、70、80とちょっとずつ優勢を取っていって、結果相手を崩し切ってゴールを決めるという面白さがあるんです。

ーー普通のプレイヤーはその辺からなんですよね。だからこそ、プロがすごすぎるんだと思います。

kokken:プロと初心者の実力を比べると、そのピラミッドが高すぎるんですよね。

Valtan:僕は『ロケリー』って将棋に似ていると思っていて、コマを交互に取っていって最後に押し切るという感じで、ひとりひとりがちょっとずつボールを押し合うというものだと思っているんです。将棋の一手一手も、なかなかどの動きに意味があるのかは初心者にはわからない。だから、将棋の番組みたいに盤を使ってリプレイを使いながら選択肢を解説するというのがやるべき手法なのかなと思います。

kokken:しかもそれが超高速で行われているんですよね。僕らも実況解説で頑張って追いつこうとしているんですけど、3割も伝えられていません。

ーー短時間で勝敗が決まるというところは魅力でもありますよね。点数もいっぱい入るし、人数が少ないから選手も目立つし。

Valtan:昨日『Apex Legends』の試合を見ていたんですけど、20〜30分ある中で「次に相手はこっちに行くだろうから、俺たちは向こうに行こう」とか考えていると思うんです。その1分くらいで考えることを『ロケリー』では3秒くらいで考えなきゃいけない。20分を5分に凝縮したようなものなんですよね。

プレイヤー視点でもスピード感はとてもあるので、すぐに判断しないといけないところは、他のゲームにはなかなかないかもしれない。


kokken:面白く見るコツとしては、「この動きをしたのはなんでだろう?」とひとつひとつ考えながら見ると、いつのまにかのめり込んでいけるかな。いまちょっと車体を傾けたのは、味方がいる方にボールを動かした方が有利を取れるからとか、本当にすごく繊細に、ブーストを少し吹かしただけで結果が変わるゲームなんです。ただ、これはプレイしていないと理解できないことだと思うんですけど。

プロはひとつひとつの動きになにかしらの意味を持ってやっているので、そこが伝わればなとは思いますね。

ーーそうやって分解していくと、他のeスポーツでも同じようなことは言えますよね。次に『ロケリー』を見る時の目線が変わるんじゃないかと思います。

Vantan:海外で『ロケリー』を楽しんでいる人って、プレイよりもチームとか選手が好きな人が多いと思うんですよ。ミスとかツッコミとか。単純に有名人としてというか。

kokken:ゲームのプロとしての動きって、ただうまいだけではないと思うんですよね。ファンを作る動きをしているかってところで、『ロケリー』の日本プロと海外プロではかなり差があるかなと思います。もしいま、「日本でイチからなにかのゲームのプロになって目立ちたい!」となったとき、『ロケリー』はなかなか選ばれるゲームではありません。

そんな中、いま日本で『ロケリー』をやっているトッププレイヤーは、「目立たなくてもとにかくこの『ロケリー』が好きだからこのタイトルでやっていきたい!」と強く思っている精鋭が集まっているとも言えます。そんな彼らがプロとしての振る舞いを覚えたら、きっと『ロケリー』への注目度もシーンも変わると思います。


初心者大会と同時に、プロがしのぎあえる大会も必要

ーーそういう中で、eスポーツの大会、つまり技術や強さを競い合う大会もだいぶ増えてきています。少し前なら長期間プロ同士が戦った「PRIMAL」があり、年末に最強を決めて強さを誇示できた「ロジクールG CUP」があり、さらに若年層の大会である「全国高校eスポーツ選手権」があり。今年はプロアマ問わず戦える「Guliver CUP」もありました。こうした大会シーンについてはどう思われていますか?

kokken:日本での『ロケリー』のコミュニティ、プレイヤー数に対して、大会はすごく充実しているかなと思います。他のゲームのプレイヤーにも言われます。

Wave:個人的には、トップ層になるほど普段やっているコミュニティ大会などで初心者と戦うのはやりにくいですね。暗黙の了解のようなものがあって、あまりプロは出場しないんですよ。それこそ年に1回ある大きな大会しか出てこないようなプロチームもあります。そういうトップ層が気兼ねなく出られて継続的に成長できる大会というのはあった方がいいですね。

kokken:逆にコミュニティ側からすると、「初心者を増やさないと……」って思っているから、できるだけ初心者に入ってきてほしいとは考えますよね。上位勢の大会もあってほしいんですけど、それはコミュニティがやるには難しい。参加者も少なくなりますし、プレッシャーを感じてしまうところもありますし。

Wave:結構、ダイヤ以下とかのランク制限をかけた大会もありますし、くっきり分かれている印象はありますね。それでいうと初心者向けの大会がむちゃくちゃ増えていますね。

kokken:そこには無料化の恩恵もあるとは思います。

Wave:選手からしたら、もうちょっと大会で腕試しできる機会が欲しいと思っているんです。ランクマッチとかも腕試しはできるんですけど、やはり独特の緊張感とかはありますし。

kokken:日本にはいわゆる公式大会がなくて、海外の大会にも出場できないので、アマチュアからプロへの階段が途切れているんですよね。

ーーそういったプロが思いっきり戦って、互いに実力を伸ばせる大会というのはやっぱり実現は難しいんですか?

Wave:僕らの中ではいろいろ動こうとしています。というのも、日本の『ロケリー』のプロチームは選手の入れ代わりが割と激しいんです。悪いことではないんですけど、同じメンバーで長くやった方が熟練度も上がるんじゃないかということで、長期間にわたる大会がやりたいなと思っています。

▲2019年3月から6月まで実施されたプロチームによる長期リーグ大会「PRIMAL」でも4カ月だった

kokken:今までも大きな大会はあったんですが、どうしても単発だったんですよね。何かしらのシリーズを半年とか1年とか長いスパンでやれると、選手たちもそれに向かって頑張れるかなと思っていて。

Wave:2021年に「インテルワールドオープン」っていう世界と戦える大会があるんですけど、今のままだと日本勢は多分ボコボコにされてしまう。もしそういう大会が2年後、3年後にあって、日本チームが勝つことができたら話題になるでしょうし、一般の人が見ても「すごいね!」って言ってもらえるようになるための種まきとして、大会は絶対やった方がいいんじゃないかなと思っているんです。

kokken:そういうリーグ戦とか、コミュニティ発で来年やりたいと思っているんだよね。

Valtan:初耳ですけど(笑)。

Wave:僕は聞いてました(笑)。

kokken:まずは草の根スタートで開催して、いずれはスポンサーさんにもついてもらえるような大きな大会シーンにできたら。あくまで準備として開催してみて、いい大会になったらしっかりしたスポンサーさんにもついてもらって大きくできたらいいなぁと思ってはいます。近いイメージは『PJS』ですね。年間にリーグ戦があり、リーグ間の入れ替え戦もあって。スクリムコミュニティとかがしっかりあると実力も上がりますしね。

『ロケリー』と選手の価値を高めたい

ーーそろそろ締めたいと思いますが、最後にこれから『ロケリー』が日本でeスポーツタイトルとしてヒットするために必要なこと、やりたいと思っていることをお聞かせください。

kokken:なんだかんだ僕ら3人は『ロケリー』の華やかな部分、競技のところをやっている者として、もっともっとトップ層が戦える環境を作って「ロケリーが面白いぞ」ということを伝えたい。『ロケリー』の競技シーンを憧れるものにできればと思っています。

Wave:僕が将来こうなってほしいと思っているのは、「全国高校eスポーツ選手権」で活躍した子が、実業団のようなかたちで地域の企業に入って、サッカーのJリーグみたいに地域に絡めて『ロケリー』のシーンが大きくなったらいいなというのが、個人的な夢というか目標です。都道府県のeスポーツ協会とかも活発ですしね。

Valtan:やっぱり現状『ロケリー』の配信はおろか、プレイヤーしか観戦していないという現状があると思うので、プレイしていないコミュニティの外の人たちが見て、憧れたりそこに入りたいと思えるような配信や大会を作りたいと思っています。

それと、僕は選手が自分たちの価値を低く見ていると思うんです。もっと自分たちの価値を要求していっていい。

kokken:自分たちの価値を認めて、なおかつ高めていくような動きをして欲しいですね。

Valtan:『ロケリー』の価値も高めて、「自分たちが天下とるぞ!」くらいの気持ちでいいと思います。

Wave:僕ももっと頑張ります(笑)。

※ ※ ※ ※ ※

全国高校eスポーツ選手権のおかげもあって、『ロケリー』入門人口は毎年一定の人数が増えていっている。初心者プレイヤーが増えれば上級者もおのずと増え、競技人口が増えれば観戦者も自然と増えていく。そのいい循環の輪の中に、『ロケリー』はすでに入ってはいる。

あとは、他のeスポーツと同様に、憧れるような強烈な強さや個性を持った選手やチームが、しっかり活躍できる上流の大会システムが構築されることが大切だろう。スポンサードしたい企業側からしても、差別や暴力のない『ロケリー』は非常に投資しやすいタイトルという強みもある。

無料化により誰もが遊べるようになったことで、2020年は『ロケリー』がやっとスタート地点に立てた年だったとも言える。読者のみなさんにも、ぜひ一度無料の『ロケリー』を遊び、プロ選手たちのプレイがいかにすごいかを体感してみていただきたい。そして、2021年からの『ロケリー』とこの3人の活躍に期待しよう。


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