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【Worlds 2020 決勝戦レポート】世界大会10周年の歴史の継承者、2020年王者を決める戦いを振り返る

9月25日からスタートした『リーグ・オブ・レジェンド』(LoL)今年の総決算である「Worlds 2020」。11のリーグから集まった22のチームも、ついに2チームを残すのみ。そしてこの試合が終わった時に残るのはただ1チーム、世界最強の称号とサモナーズカップを手にする。「Worlds 2020」優勝チームを決定する決勝戦が、上海に新しく建設されたサッカースタジアム「浦東足球場」初のイベントとして10月31日に開催された。

開催も危ぶまれたWorldsだったが、この決勝戦には感染拡大防止策を行ったうえでの観客が入っており、久しく競技観戦の場から消えていた観客の歓声とともに、『LoL』における世界最高のチームとなるべく二つのチームがそのステージへと現れた。

LPLの伝説のひとりであるClearlove元選手の登場から始まったオープニングセレモニーは、実装されたばかりの新チャンピオン「セラフィーン」を交えたバーチャル音楽ユニット「K/DA」のコンサートで最高潮を迎えた

一方はLPL第3シードでありながら、ノックアウトステージでは同地域の上位シードチームを蹴散らして勝ち上がってきたSuning(SN)。

▲かつての盟友Karsa選手を倒してこの舞台にたどり着いたベテラン、SwordArt選手。経験の少ない若手を引っ張りあと一歩を踏み出す

他方は、LCK第1シードとして「Worlds」出場、昨年敗れたG2 Esportsに対する雪辱を果たした上で、LCKに久方ぶりの優勝をもたらすべくやってきた最強の一角、DAMWON Gaming(DWG)。

▲ADCにGhost選手を迎えた以外は、昨年とほぼ変わらない陣容のDWG。全員が1年前の悔しさを胸に秘め、ひたすらに頂点を目指してきた

LPLが勝利すれば3年連続で優勝した地域として覇権の確立へ。LCKとしては、2017年を最後に奪われたままになっている王座を奪還するという悲願の懸かった決勝戦。観客の熱狂と全世界の視聴者の注目とがステージと10名のプレイヤーに注がれるなか、最後のBo5(3本先取)が幕を開けた。

静かな立ち上がりのGame 1


Game1 DWG(BLUE) vs SN(RED)
TOP オーン vs ウーコン
JG グレイブス vs シェン
MID オリアナ vs アジール
ADC アッシュ vs エズリアル
SUP パンテオン vs レオナ

SNはトップ側で攻撃的なウーコンを取って序中盤のリードを作り、ボット側ではエズリアルを選択して終盤のダメージを期待するプラン。対してDWGはアッシュを選択して、ボット側での序中盤の有利とエンゲージ能力を重視した。ミッドは互いに終盤にダメージを期待した選択のため、ジャングラーとサポートが有利なところからどうゲームを作っていくかが主眼となるゲームとなった。

先にSNがトップ側でアクションを起こすが、DWGはカウンターとしてドレイクを確実に確保していく。SNはBin選手のウーコンとSofM選手のシェンが着実にガンクを成功させるものの、DWG側も的確に反撃して一方的に獲得ゴールドでリードすることを許さない。SNがトップサイドに人数を割いた結果、ドレイクはDWGが一方的に獲得する流れで試合が進んでいく。DWGが4番目のドレイク、つまりソウルを獲得した時点で趨勢が決まった。

SNはDWGの攻撃によく耐えはしたものの、ドレイクやオーンによる装備強化と資金差で戦闘力の差が広がり、最終的に押し切られる試合となった。

意外なピックでSNが生き生きとしたプレイを見せたGame 2


Game2 DWG(BLUE) vs SN(RED)
TOP オーン vs フィオラ
JG イブリン vs レンガー
MID ルシアン vs シンドラ
ADC アフェリオス vs ジン
SUP スレッシュ vs レオナ

SNがミッドレーンのパワーピック(ルシアン)をわざとオープンにしてDWGに渡し、さらにDWGのイブリンに対してSofM選手がレンガ―をピックという波乱のバン&ピック。第2試合は予想のつかないドラフトからスタートした。

Lv1の動きでSNがルシアンから主導権を奪い、そのまま全てのレーンで有利を取って序盤の主導権を握るが、イヴリンのLv6以降は警戒を強める関係から、DWGがジリジリとゴールド有利を変えようと動く。しかし、フィオラ、レンガーの動きとCCの多さで、確実にDWGを切り崩すSNが戦闘では有利だった。フィオラのペンタキルも飛び出してSNが1勝を返した。

オブジェクトに対する姿勢が勝敗を分けたGame 3


Game3 SN(BLUE) vs DWG(RED)
TOP ジャックス vs ケネン
JG ニダリー vs グレイブス
MID アカリ vs シンドラ
ADC エズリアル vs ジン
SUP アリスター vs ブラウム

青側でもトップレーンからサイドレーンの主導権を狙い、スノーボール(最初に取った小さな有利を利用して次第に大きな差を作ること)できれば一気に流れに乗れるアカリやジャックスと強気のピックをしたSN。対してDWGは、赤側という点を生かしてカウンターを取りつつ集団戦も強力なチームを構築することに成功する。

SNはトップのジャックスから有利を作ろうとしたものの、DWGのカウンターがうまく決まり、DWG側のケネンやグレイヴスにキルが加算されるスタートとなる。それでもトップ側のタワーを破壊することに成功したSNだったが、DWGはその間に着々とドレイクを獲得して、ほぼ最速でクラウドドレイクの獲得まで繋げた。

そのままDWGがスムーズに勝利するかと思われたが、バロンの獲得を急いだところでSNが反撃。SNがゴールドとバロンを獲得して流れを一度は引き戻す。そのまま膠着した状態が続いたが、最後はDWGがジャングル内でサポートをキャッチして倒し、そのままバロン獲得につなげて勝利をもぎとった。

30分未満で決着したGame 4


Game4 DWG(BLUE) vs SN(RED)
TOP オーン vs ガングプランク
JG キンドレッド vs グレイブス
MID シンドラ vs オリアナ
ADC ケイトリン vs アフェリオス
SUP パンテオン vs レオナ

ミッド&ボットレーンで序盤から主導権を取れるシンドラ、ケイトリンを確保したDWGに対し、オリアナ、アフェリオスと終盤の爆発力を重視したSNという構成。トップレーンのガンブプランクをDWGが執拗にガンクしたこともあり、レーン戦からドレイクの確保までDWGが主導するゲーム展開となった。

最速でドレイクを確保し、SNのキャリー陣が十分な装備を整える前に十分なゴールド差を作り上げたDWGはそのままバロンを確保。SNの反撃を許さずに3勝目を挙げ、DWGが「Worlds 2020」の頂点を勝ち取った。

The Pentaで振り返る決勝ハイライト

「Worlds 2020」が終わってしまえば、来年のシーズン開幕まで、プロシーンはオフシーズンに入る。今年最後の公式ハイライト集も見どころ満載だ。


【5:ShowMakerからは逃げられない!】
第2試合、バロンを巡るにらみ合いでShowMaker選手のルシアンがSNに忍び寄り、確実なダブルキルを取ったシーン。

【4:Binによるテレポート妨害の結果は……ソロキル!】
第2試合、サイドレーンのプッシュを行うShowMaker選手のルシアンに、Bin選手のフィオラが待ったをかける。テレポートで逃走を図るルシアンに対してフィオラのアルティメットが炸裂したシーン。

【3:生き延びたCanyonと仲間たちによる反転勝利】
第4試合、バロンへの圧力を強めるSNにひとり囲まれてしまったCanyon選手のキンドレッド。追いつめられるものの、味方が来るまで持ちこたえて逆に集団戦での勝利につなげていくシーン。

【2:Ghostの的確な立ち回りがドラゴンファイトの流れを変える】
第1試合、ドラゴン前の集団戦にてGhost選手のアッシュが、位置取りと攻撃対象選択で一切のミスを犯さず、完璧な集団戦の勝利をもたらしたシーン。

【1:史上初、Finalsでのペンタキルを叩き出したBin!】
第2試合、最後のミッドレーンでの集団戦で、次々とDWGの面々を倒すBin選手のフィオラ。「Worlds」史上初めて、決勝戦で5人全員を倒し切る伝説的なプレイを達成した。これがLPLのフィオラだ!

「Worlds 2020」の決勝戦を振り返って

▲敗北してステージを去るSNの面々。まだまだ成長の余地がある若手ばかりのこのチーム、経験を積んだ後が楽しみだ

「Worlds 2020」全体を通して事前評(LPL第3シード)を大きく上回る活躍を見せたSN。高い集団戦能力と、Bin選手を軸に戦うというスタイルの徹底、SofM選手の独特なピックといった長所は、今大会のジャングラー重視、ユーティリティに寄せたボットレーンといった傾向に良くマッチしたチームだった。

一方で、DWGはNuguri選手のカウンターピックや、強力とされるチャンピオンのプール、ケイトリンでボットレーンを制圧するといったプランをより多く準備しており、それらを確実に実践できる、極めて強力なチームだった。また、WorldsノックアウトステージでのBo5の経験もあり、後半のゲームではSNの軸となるトップ側を徹底的にマークして、Bin選手の装備が整う前に圧倒的な差をつける試合運びを見せている。

複数のゲームを経て、短時間のうちに相手チームの長所を抑え込むといった部分は、個別のゲームでの強さとはまた異なる要素で、選手・スタッフを含めたチーム全体の経験が反映される。この点でもDWGはその実力をはっきりと見せたと言えるだろう。

2020年世界王者、DAMWON Gaming

▲優勝カップを掲げるDWGメンバー。FinalsのMVPはジャングラーのCanyon選手

Bin選手を柱に、チーム全体で集団戦が強い時間帯に勝負をかけるというSNのゲームプランを看破し、見事にそれを打ち破ったDWGが第4試合で3勝目を挙げ、「Worlds 2020」優勝を勝ち取った。

2017年の「Samsung Galaxy」による優勝を最後に、2年間にわたってLPLの手にあったサモナーズカップは再びLCKの手に戻ったのだ。今から振り返ると、結果的にはある種の伝説が終わった「Worlds 2017」と、その後に続く他地域の台頭を経て、再び「最強地域」という称号がLCKの新たな王者に引き継がれたとも言えるだろう。

執筆:山口佐和子
執筆協力:ユラガワ
写真・画像出典:LoL Esports Photos

リーグ・オブ・レジェンド
http://jp.leagueoflegends.com/
LoL Esports Worlds 2020 試合スケジュール
https://lolesports.com/schedule?leagues=worlds
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Worlds 2020 データページ(Leaguepedia、英語)
https://lol.gamepedia.com/2020_Season_World_Championship

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