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「EDION VALORANT CUP」であらためて感じた“オフライン大会の魅力”

2020年10月2日~10月4日の間で行われた「EDION VALORANT CUP」(以下、E.V.C)。新型コロナウイルス(COVID-19)の影響を受け、昨今のeスポーツイベントは軒並みオンライン大会へシフトしていたが、本大会は無観客という条件付きのもと、選手が顔をあわせて現地で戦うオフライン大会として開催された。


大会の最終結果や各チームの戦績は別記事へ譲るとして、本稿では「E.V.C」の取材記録を取り上げつつ、会場内の雰囲気や関係者の証言を交えながら“オフライン大会の魅力”を振り返る。

※大会の観戦レポートはこちら:【VALORANT】賞金総額300万円!SCARZが初代チャンピオンの座に輝いた「EDION VALORANT CUP」現地観戦レポート

オンラインでは味わえない臨場感

「E.V.C」が行われたのは都内の某スタジオ。筆者が午後3時40分ごろに受付を済ませると、会場内は既に多数の取材陣や関係者で溢れかえっていた。ちなみに会場の広さは約340㎡ほど。学校の教室よりは広いものの、体育館の反面よりより少し大きいスペース感だ。前方にはキャスター席(実況者・ゲストコメンテーター用)、その側面にプレイヤー席、キャスター席のほぼ対角線上にインタビュー用パネルが設けられており、試合模様を配信するモニター等もメディア席へ設置されていた。

▲キャスター席の様子。左から田口尚平氏、手越祐也氏、yukishiro氏

▲プレイヤー席に座る「DetonatioN Gaming」(以下、DNG)のメンバー

オンライン大会では味わえない臨場感を裏付ける理由として、会場内にひしめく人々の多さに注目したい。動画プラットフォームを主体とするオンライン大会も、大会に参加する選手や実況陣の姿は十分に見える。しかし、「視聴者の視点=カメラの画角」となっている以上、オンライン大会では“試合の裏側”、および幕間の光景(休憩時間など)は、運営側が意図して中継しない限り見ることは不可能だ。

▲試合の配信画面(YouTube)。随所で会場内の画面と切り替わる

一方オフライン大会の場合は、一般の観客であっても会場内の雰囲気を肌感覚で味わうことができる。今回の取材ではいわば大会の裏側まで見えたわけだが、神妙な赴きで試合席へ座る選手だけでなく、ステージ前の休憩席で談笑中の出演者など、「E.V.C」では本大会に関わるさまざまな人々の様子を垣間見ることができた。

▲ステージ前で試合を眺める関係者たち

個人的に気になったのはスタッフ陣。撮影カメラや音声ミキサーのチェックに余念がないスタッフをはじめ、大会全体の進行を補佐するフロアディレクター、取材に訪れた取材陣へ情報を伝える広報担当、さらにはゲストコメンテーターとして登壇した伊織もえ氏や手越祐也氏のマネージャー……等々、業界を越えて多種多様な人々が集まっていた。こうした方々が実際に稼働している様子を見ることができるのは、やはりオフライン大会ならではの醍醐味ではないだろうか。

オフラインだからこそ拝める“選手の顔”

「選手の顔はオンライン大会でも見られるのでは?」。確かにそうかもしれないが、誤解を恐れず筆者の体験を踏まえると、やはり“生で見る”のと“画面越しに見る”のとでは別物だ。現地で観戦していると、選手の表情や立ち居振る舞いがしっかりと脳裏に焼き付くのが分かる。

▲モニターを凝視して試合に臨む「SCARZ」メンバー

会場内で試合を見守る関係者の仕草も特筆すべきポイント。試合中にベストプレーが繰り出されると、いたる場所で歓声と拍手が巻き起こっていた。後から試合をじっくりと見直すならアーカイブ動画等に軍配は上がるものの、瞬間の感動を隣り合う人々と共有する喜びは、オフライン大会の強みと言えるのではないだろうか。

そんな名シーンを生み出す選手たちの“顔”は特に見逃せない。屈託ない笑顔で質問に答えたかと思いきや、奥歯を噛み締めてプレイ内容を反省したりと、試合の前後に関わらず、彼らは各々の感情に従って色とりどりの表情を取材陣に見せてくれた。

▲「思わず涙が出た」とインタビューにて答えたade選手(右)と、それを支えるSak(左)選手

ラウンドを勝ち取って雄叫びを上げる。アクリル板越しに隣の選手とグータッチする。自チームの勝利を確信して仲間と肩を抱き合う。優勝した事実に感動が抑えられずに涙を流す。ポジティブなシーンだけでも、実に個性的な表情が脳内に浮かび上がる。ちなみに試合中に選手たちが叫んでいるのは、「意識的な発声によって体温を高め、パフォーマンス向上に努めている」(会場キャスターより)とのこと。テンションを高ぶらせる以外にも、しっかりと科学的な根拠があるようだ。

とはいえ、勝者の裏側に敗者がいることを忘れてはならない。優勝チームは試合後に出演陣からインタビューを受けていた一方、準優勝チームへ大きくスポットが当てられることはなかった。全プログラム終了後、筆者は会場入口である選手と遭遇。涙をこらえるかのような仕草で足早に階段を降りていった後ろ姿を、1週間経った今も忘れることができないでいる。

エディオンとして日本のeスポーツシーンを伸ばしたい

大会終了後、筆者は現地で試合を観戦していた冠スポンサーである株式会社エディオン 情報家電商品部長の田坂寛氏にお話を伺うことができた。オフライン大会の開催が難しい中で、エディオン陣営はどういった意向で「E.V.C」をスポンサードしたのか。

──まずは「E.V.C」の開催にあたって率直な感想をお願いします。

田坂寛氏(以下、田坂):すごく盛り上がったので本当に良かったと思います。我々は「いかにeスポーツを文化的に、経済的に、そして社会的に伸ばしていくか」を応援したい立場です。その点は手応えがあったと思いますし、RIZeSTさんと一緒にeスポーツをどんどん伸ばしていきたい! という意向のもと、良い大会になったと実感しています。

──エディオンさんは以前からDNGを招いてファンミーティングを開いておられましたが、それ以外にも主催や冠スポンサーをされていた大会などはありますか?

田坂:今回が初めてですね。今回は古澤さん(RIZeST 代表取締役)からも「イベントの冠スポンサーをやってみませんか?」という提案をいただきまして、じゃあちょっとやってみようと。「なぜ量販店がeスポーツイベントの冠スポンサーをするのか?」という声もありますが、まずは我々がシーン全体を伸ばしたいという意向で開催させていただきました。

──今回、改めてオフライン大会をご覧になっていかがですか?

田坂:よく「eスポーツはスポーツなのか?」という謎掛けもありますが、あれだけ選手が熱中して、勝った時や負けた時に涙が出るというのは本当に凄いと思います。ここは「eスポーツはこんなに熱くなれるんだ!」と訴求したいと共に、オフライン大会も増やしたいと感じました。

──“家電量販店メーカーのメインスポンサード”というポイントは皆さん気になっていると思います。「E.V.C」は計6チームを招いて3日続けて開催されましたが、競技シーンの最前線で活躍中のトップ層を集めて開く大会ということで、何か根底に捉えた意義はありますか?

田坂:トップ層を招いて大会を開くことにより、eスポーツに興味のある若年層の方へ「こんな大会があるのか」と知ってもらえるだけでなく、エディオンのファン層にも「自社でeスポーツ大会をしている」とと伝えることができます。今回は「『VALORANT』はどのような内容なのか」「どのようにして競技性を保っているのか」といった部分が分かってもらえる大会になったと思います。

──では、次回以降も開催や冠スポンサーを念頭に?

田坂:本当にいろいろな方々に協力していただいたので、こういった形式を踏まえて今後とも開催や協賛などをしていきたいですね。最終的に実利は求めないといけませんが、まずはeスポーツという“市場全体のパイ”を伸ばすのが大事。競技シーンの知名度、および従事する関係者の地位向上を目指し、微力ながらサポートしていこうと考えています。

──ちなみに、eスポーツ関連の販売事業について、エディオンさんでは店舗にて取り組み等はございますか?

田坂:DNGさんのオリジナル商品の制作と販売をはじめ、特設ゲーミングフロアでパソコンやデバイスを展開しております。DNGさんと力を合わせ、今後もeスポーツを盛り上げていく所存です。

──量販店の立場からeスポーツシーンの形成に尽力されるということですね。貴重なお話、誠にありがとうございました!

まとめ

冒頭で述べた通り、現状のeスポーツシーンは新型コロナウイルスの影響もあり、観客を動員しての大規模なイベント開催は厳しい状況だ。ゆえにオンライン大会でも臨場感を演出すべく、オーガナイザーやゲームメーカー、スポンサード企業は一丸となって新しい様式のeスポーツ大会を模索している。

本稿では“オンライン大会では味わえない~”と記したが、必ずしもオンライン大会を否定しているわけではない。プラットフォームの洗練化や通信技術(5Gなど)の発達により、オンライン大会はまだ見ぬ可能性を秘めている。遠く離れたプレイヤー同士が通信ラグを気にすることなく、対戦の打ち込めるような日だって来るかもしれない。カメラの画角をはじめ、色々と問題点を指摘したものの、“オンライン大会の伸びしろ”には十二分に期待を寄せている。

そうした考えを内包し、今回は“オフライン大会の魅力”を振り返ることにした。観客動員込みの大会は今後増えるのか、オンライン大会とオフライン大会の折衷スタイルが普及するのか、今のところははっきりと断言できない。だからこそ、eスポーツを取り巻くイベントがどこへ向かうのか、そして国内eスポーツ市場はどのような成長を遂げるのか。業界に身を置く者として関わり続けたい。


EDION VALORANT CUP
https://www.rizestinc.com/evc/
VALORANT
https://playvalorant.com/ja-jp/

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