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【PAXオーストラリア2016リポート】個性的な作品が勢揃い! 注目のインディーゲーム

世界三大ゲームショウといえば、アメリカの「E3」、ドイツの「Gamescom」、日本の「東京ゲームショウ」があげられる。その一方で近年、急速に人気を高めているのが「PAX」だ。2004年に米シアトルでスタートし、米ボストン、米サントニオに展開。2013年にはオーストラリア第二の都市、メルボルンにも上陸した。今年度は11月4日から6日まで開催され、約6万人の来場者で賑わった。

大手企業の最新作だけでなく、インディーゲームも充実のPAXオーストラリア

「PAXオーストラリア」の特徴の一つに、ビクトリア州が出展を支援する「PAXライジング」エリアがあげられる。最新のインディーゲームがデモされ、今年もオーストラリアとニュージーランドを中心に、47の企業・団体・個人が参加。個性的なインディーゲームが多数出展された。ここでは、その中でも特に注目を集めた3作品を紹介する。

■巨大な自作コントローラーが光る『Objects in Space』

キーボードとマウスのみで操作することも可能だ

個性的なゲームが集まる会場でも、ひときわ目立っていたのが『Objects in Space(オブジェクツ・イン・スペース)』(Flat Earth Games、シドニー)だ。最大の特徴は宇宙船のコクピットをイメージした自作のコントローラーで、ゲーム開始はイグニッションキーを差し込み、ボタンを押してエンジンを点火させるところから始めるこだわりぶり。ゲームの操作にあわせてパネル類が点滅すると、否が応でも雰囲気が盛り上がってくる。プレイヤーが所有するコントローラーを認識させることもできる。

MS-DOS時代のゲームを彷彿とさせるグラフィック

ゲーム内容はスペースコンバット・トレーディングゲームで、プレイヤーは自由貿易船の船長として宇宙を駆け回り、貿易や宇宙海賊との戦闘、クエストなどをこなしていく。画面は90年代のMS-DOSゲームを彷彿とさせる2Dのローレゾグラフィックで、宇宙船の操作はレーダーや計器などを注視しながら進めていく。宇宙空間を直接視認することはできず、潜水艦のシミュレーターにも近いといえるだろう。筆者は世界観や内容から、テーブルトークRPG『トラベラー』を思い出し、一人で感動していた。

ゲームは「コクピット」、「エンジンルーム」、「エアロック」、「私室」と画面を切り替えながら進め、コクピットはさらに「星域地図」や「レーダー」、「交信画面」などのサブ画面から構成される。デモでは宇宙空間での移動とバトルが体験でき、他にNPCとの会話・貿易・クエストなどが実装される予定だ。開発チームは4名で、ディレクターのLeigh Harris氏いわく“ライバルはオープンワールドのAAAゲームで、我々はグラフィックに多くのリソースを割かずに済むのが強み”だと語っていた。

Flat Earth GamesディレクターのLeigh Harris氏

■2Dステルスアクションの注目作『Wildfire』

海外インディーゲームシーンのトレンドに、ピクセルアート(ドット絵)スタイルのアクションゲームがある。『Wildfire(ワイルドファイヤー)』(Sneaky Bastards、シドニー)もその一つで、ゲームは横スクロールのステルスアクション。魔法が絶えて久しい世界で、数少ない魔法使いの生き残りとなり、衛兵の目をかいくぐってステージの奥深くへと侵入。為政者から捕らえられている村人を救出していくことがゲームの目的だ。

高い崖も魔法で蔦を生やせば昇降できる

主人公は非常に戦闘力が弱く、1対1で衛兵と対峙するとほとんど負けてしまう。そのかわり、草むらに隠れて移動したり、魔法で環境を変化させたりできる。蔦を生やして崖を上り下りする、水を凍らせて渡る、松明を投げて橋や扉を燃やすなど。これに対して衛兵はそれぞれ独自のAIを持ち、互いにコミュニケーションをとりながら警備している。これを逆手にとり、松明を投げて草むらを燃やして注目を集め、その隙に進むといった、パズル性の高いゲーム体験が楽しめる。

Sneaky Bastardsの開発者たち

シングルプレイだけでなく、ローカル環境での2人協力プレイもサポートした。片方が囮となって衛兵の注目を集め、その隙にもう片方が進むなど、シングルプレイとはまた違った楽しみ方ができそうだ。

■全世界が注目する個人ゲーム制作者の最新作『Return of the Obra Dinn』

90年代のMac向けアドベンチャーゲームに影響を受けたグラフィックに注目

『Papers,Please(ペイパーズ・プリーズ)』で一世を風靡したLucas Pope氏の最新作が『Return of the Obra Dinn(リターン・オブ・ジ・オブラディン)』(Lucas Pope、日本)だ。3月のGDC2016でデモが公開され、一般向けのプレイアブル出展としては今回が初めてとなる。Pope氏いわく“当時、Macintosh Plus(マッキントッシュ・プラス)のアドベンチャーゲームに触発を受けた“とのことで、当時と同じくローレゾでモノクロのグラフィックがあえて採用されている。もっとも、当時は静止画のみだったが、今作は3DCGで自由に船内を移動できる点が大きな違いだ。

ゲームは1802年にイギリスを出航後、大西洋で行方不明となり、1807年に漂流船として発見された商船「Obra Dinn」号が舞台だ。プレイヤーは東インド会社ロンドン事務所の保険調査官で、死亡時の状況をプレイバックできる時計「Memento Mutuum」を駆使して、60名に及ぶ乗員の身元確認、事故原因などを調べていく。前作と同じくPope氏の個人制作によるタイトルで、インディーらしい個性豊かな内容だ。公式サイトではGDCC2016版のデモビルドが無償公開されている(Build 0.1.23)。

アメリカ出身だが現在は埼玉県在住のLucas Pope氏

© 2015 by Flat Earth Games
© 2015 Sneaky Bastards. Don't steal in real life - it's kind of hard.
Copyright 2012-Forever, Lucas Pope. All Rights Reserved.

■関連リンク
Flat Earth Games
http://www.flatearthgames.com.au/
『Objects in Space』
http://objectsgame.com/
Flat Earth Games 公式Youtube
https://www.youtube.com/user/FlatEarthGames

Sneaky Bastards
http://sneakybastards.net/
『Wildfire』
http://store.steampowered.com/app/431940/
KICKSTARTERキャンペーンページ
https://www.kickstarter.com/projects/dhindes/wildfire-0/posts/1199742

Lucas Pope
http://dukope.com/
『Return of the Obra Dinn』
https://dukope.itch.io/return-of-the-obra-dinn
『Papers,Please』
http://papersplea.se/

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