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「A 5th Of BitSummit」 五十嵐孝司氏ミニインタビュー

5月20~21日に京都の「みやこめっせ」で開催されたインディーゲームの祭典「A 5th Of BitSummit」。このイベントでの登壇者で、探索横スクロールアクションゲームのプロデューサーである五十嵐孝司氏にお時間をいただけたので、ミニインタビューを敢行した。氏の過去作品のファンならずとも、スタッフロールの「IGA」の表記を見たことのある方は多いのではないだろうか。

BitSummitステージ上のIGA氏

現在、氏はクラウドファンディングサイト「KickStarter」で資金を集め、事実上の過去作品の集大成ともいえる『Bloodstained: Ritual of the Night(以下:Bloodstained)』を制作中だ。今回はこの『Bloodstained』についてお話を伺った。

――『Bloodstained』は2016年のE3のプレイアブルデモの段階では完成度は10%ほどとのお話だったが、現在はどれくらいか

全体では20から30%の間くらい、と認識しています。 今日ステージでお見せした侍キャラクター「斬月」はKickStarterキャンペーンの時にはもう発表していたキャラクターですが、モデルを回して見せられる段階まで作り込めていて、これくらいカッコよくできていますよ、と「ぐるぐる斬月」として本日お見せできた形です。


BitSummitステージで3Dモデルが公開されたキャラクター「斬月」

――『Bloodstained』は今のところ純粋なキャッスルヴァニアと見受けられるが、制作上、特に意識しておられるゲーム的な要素はあるか

大きなポイントとして、お客様が存在する商売として「ベース」部分は避けられないところです。インディーゲームであれば、まず「作りたい」が先に来るところですが、今回はお客様がいます。今回の『Bloodstained』では「変えない」をコンセプトとしています。もちろん、グラフィック表現や世界観、プレイなどは全て変化しているのですが、プレイした際の印象として「ああ、懐かしい。昔こんなゲームを遊んだなぁ」といったプレイ感にしたいと考えています。
お客様がいる中で、求められているものは何か、ともう一度原点回帰した上で、ロジックや体感といった部分を、美化された記憶を越えてなお「IGAの作品だ」と受け入れられるようなものにする、という目標が今回の『Bloodstained』の「ベース」になると思います。

――リリースが2018年前半に延期となることについて好意的なコメントが多かったが、時間がかかることについて、ストレッチゴール(KickStarterの投資額総額による追加特典)による量的な面と、IGA的なクオリティの面、どちらの要素が強かったか

KickStarterはそもそも「いつリリースするか」を決めてスタートしていますが、どうしてもその段階では大まかな予測として期日を置いてのスタートになってしまいます。スタート後、ストレッチゴール等でどんどんやることが多くなり、試算すると期日をはみ出すことは割と早い段階でわかっていました。各種の調整をして期日を合わせる事ができるかどうか調査はしていたのですが、ストレッチゴールはやはり量を求められているところもあり、どうしても削れない部分も出てきます。最終的に期日を延ばさないといけない、という決断がまずありました。そういった意味ではやはり量的な面が重要な要素です。次に期日について、何度も何度も細かく延期を繰り返してしまうのはお客様に対して失礼になるとも思ったので、このタイミングで一度大きく期日を取ろう、という決断になりました。

クオリティに関しては、制作手法を大きく変えたことも影響しています。開始当初の制作手法でこのまま行くと、クオリティを維持した量をさばききれず、どうあっても間に合わないという目測がたったこともあり、一度手戻りにはなりますが、作業を減らすための新手法を取り込んでいます。具体的には背景の書き込みなどをプロシージャル生成する手法などですね。同じテクスチャが貼られているのが嫌なんです(笑)制作を加速するための下準備をこの期間でしていくということになります。

――Wii UからNintendo Switch(以下:Switch)への対応機種の変更はリリース期日に影響しているか

期日に対しての影響はさほど大きくないと思っています。理由として、SwitchがUnreal Engine 4を利用できる点が大きいですね。現在はPC版を制作していて、Switchへの移植はその後になるので確たる情報ではないのですが、現在のSwitchのスペック情報などを総合して考えると、移植に関する難易度はWii Uよりもむしろ下がっていると考えています。

――2016年10月のIGNのインタビューにて、PS4 Proでの4K対応に意欲を見せていたが、実際にはどうか

やっぱり4Kは本当にテクスチャなどがキレイになるのでやりたいのですが……。素材の容量などが物凄く増えてしまうんです。容量が単純に4倍以上になってしまう。さらに解像度があがることでHUDなどインターフェイス部分も対応しなければなりません。……ここはなんとも言えないところです。

――『Bloodstained』以外で現在計画しているタイトルは

自社でのモバイル案件はありまして、これはずっとやっています。軸足的にはやはり『Bloodstained』の比重が大きいですが、モバイルの方も制作を進めている状態です。どちらの案件も優秀なディレクターがいて僕の代わりに頑張ってくれているので(笑)基本的には不安はありません。追加で完全新規のタイトルも考えていて、そちらも今後だんだんと情報が出てくることになると思います。

――本日はありがとうございました。

インタビュー直後のIGA氏

Interviewed and Photos by Shigehiro Okano, Edited by Sawako Yamaguchi

■関連リンク
『Bloodstained: Ritual of the Night』
https://www.kickstarter.com/projects/iga/bloodstained-ritual-of-the-night/
BitSummit
http://bitsummit.org/2017/?lang=ja