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【ALIENWARE ZONE×GOZILINE】ネモに聞く、プロゲーマーの「攻略法」

ゲームを最大限に楽しむ集団・ゴジライン代表の浅葉氏を聞き手に迎えて、ALIENWARE所属のプロゲーマー・ネモ氏に「攻略論」や「プロゲーマー観」を語っていただいた。親交の深い二人の軽妙なトークには、「勝ち」にこだわる格闘ゲーマー向けの情報も盛りだくさんだ。

ネモ
ALIENWAREのプロゲーマー。会社所属の社会人プロゲーマーとして注目を集めており、現在は国内e-sportsシーンを牽引する『ストリートファイターV』をメインタイトルに据え、さまざまな大会などに参加、好成績を残している。

浅葉たいが
ゲームを最大限に楽しむ集団・ゴジライン(https://goziline.com)の代表。同サイトでは、ゲームの攻略やプレイレポート、読み物など、「オリジナル」にこだわったものを配信している。各種ゲームメディアなどでもさまざまな企画、記事を手がけているが、本職は家具屋とのこと。

本メディアの連載でもお馴染みの、ALIENWAREのプロゲーマー・ネモ氏からは、プロゲーマーになってからの「攻略」の変化などが語られた

浅葉氏率いるゲームを最大限に楽しむ集団・ゴジラインは、その名の通り、さまざまなゲームジャンルを楽しく遊ぶことに特化したゲーミングチーム(のようなもの)。ゲームメディアや、ゲームメーカーとのコラボも積極的に行っている

ネモ流の「格闘ゲーム上達法」とは

浅葉:ALIENWARE ZONEさんから「ネモさんと何かやれませんか」と提案があったので、今日はゴジラインの浅葉としてやってきました。よろしくお願いします。

ネモ:なるほど(笑)浅葉さんとの付き合いは実は長いんだよね。そんなに会うわけじゃないけど、10年以上、たまに話したり、対戦したりしてる。ゲームメディアの仕事みたいなのも一緒にやったよね。

浅葉:今日は「ネモ流の攻略、格闘ゲーム上達法」というテーマでゆっくり話を聞きたいなと思ってる。自分は結構長く、格闘ゲームの「攻略」というのをやってきて、今は仲のいいゲーマーと一緒に「ゴジライン」というサイトをやって、ほのぼのとした攻略を掲載してるんだけど、「今夜勝ちたい」がテーマなんだよね。
目安としては、ちょっと格闘ゲームに慣れてる人が読んで、真似できるようなものをやってる。でも格闘ゲームで本当に強くなろうと思ったら、「今夜勝ちたい」だけじゃなくて違う種類の攻略ややりこみも進めていく必要があるよね。ネモの場合はどういう風に格闘ゲームを攻略して強くなってるのかな、というのを聞きにきた。

ネモ:自分の攻略については、ALIENWARE ZONEに少し書いているんだけど、今日はもうちょっと大きな枠で話をしてみようか。プロゲーマーや世界の上手いゲーマーたちを追いかけて行くうちに、自分の中では「攻略」の仕方が大きく変わってきたんだよ。レベルとしては、一通りコンボや連係なんかができる人に向けたものになるかな。

浅葉:千葉のゲームセンターなんかでネモと遊んでる時は、「強い技を使うのが抜群にうまいプレイヤー」という印象だったんだよね。対戦に貪欲で、とにかく数をこなして、強さを磨いていくっていうイメージだった。

ネモ:当時は、強い技を強く使うというだけでもある程度勝てていたし、人よりも対戦数をこなしていた、というのも強みになってた。でも、プロのレベルで勝とうとするとみんな当たり前のように強い技を強く使うし、対戦数や練習にかけた時間だって半端じゃなく多い。そういう環境で勝つためには、攻略を見直さないと厳しいなっていう実感があった。

浅葉:攻略情報はあっという間にSNSで広がるし、うまい人の動きも動画でチェックできたりする。しかも、ある程度やり込んでいる人は沢山いるもんね。そこでネモは、どういう風な攻略法に変わっていったの?

ネモ:自分の攻略で一番変わったのは、「相手のやりたいこと」を知っておくというところだね。まず、人の動画を見るようになったし、ネットにある攻略情報なんかも目を通すようにしてる。自分のキャラクターで使えるネタは当然おさえるとして、対戦が発生しうるキャラクターに関しても攻略は絶対見るし、動画もできるだけ探す。そうすることで、相手のやりたいこと、やりたくなることを見つけ出しているんだよね。
例えば、自分は『ストリートファイターV』でユリアンっていうキャラクターを使ってるんだけど、匿名掲示板なんかを見ていると、「ユリアンにはこういう対策が有効」という情報があったりする。そうすると、その対策を軸に来られた時にやれるべきことをしっかり調べておく。動画はもっと分かりやすくて、「世間でユリアンに有効と思われる技」を探すのに役立つんだよね。いろんな人がキャラクター対策として積極的に使う技はもちろんきつい技なんだけど、その対抗策を少しでも調べておくのは大事だよ。

浅葉:そういう対策や、“対策の対策”をたくさん知っておいて、実戦で緩急をつけるんだね。

ネモ:そう。数を知るってことも大事なんだよね。それは知ってますから、となる情報が多ければ多いほど、強みになる。

浅葉:文字化された攻略とかだと「このキャラクターにはこの技が有効だ」みたいなところで止まってるのを、もっと掘り下げていくわけね。相手が対策を知っているのは当然だから、こっちはその対策の上をいくような動きをするわけだ。でも、ネモの戦ってるプロのレベルだと、そういうのって当然のようにされてるんじゃないの?

ネモ:大会前の人対策、キャラ対策といったレベルでは、一定レベルのゲーマーならみんなやってる。ただ、知識だけで満足せずに試合で活かせるように対戦したり、練習するというのをきっちりできている人は少ないように感じる。例えば、浅葉さんは豪鬼を使ってるよね。それで「百鬼襲が強い、落としにくい」って情報を知って、使ってみたとする。そうすると、確かにそこらへんの人には通用していたけど、すごく強い人にはあんまり機能しないまま攻めきれずに負けてしまった。それで、もう一回同じ人に挑戦する機会ができたらどうする?

浅葉:百鬼襲通らない、きちいな(笑)って考えて、ちょっと百鬼襲を減らすかな。

ネモ:対策のできている相手への動きとしては、よくあるパターンだね。でも、それだと損をすることもある。自分がもし豪鬼をやってたとして、百鬼襲が通りにくいと感じたら、「この人は百鬼襲を弱攻撃で落としてきてる」とか「無敵技を合わせてきてる」、「かなり早めにジャンプして、ジャンプ攻撃で落としてる」というところを見るんだ。これって実は大きな情報で、弱攻撃で落としているなら、地上の密度の高い高めで押せるのかもって考える。ジャンプ攻撃で迎撃してくるなら、「ちゃんと見てからジャンプしているかどうか」を想像して、もしカンでジャンプしているような速さだと判断したら、ジャンプの出かかりや着地を取りに行く動きを混ぜる。こういう“対策の対策”を試合の中で素早く判断するようにしてるんだ。

浅葉:試合の中でも相手の動きをすごく見るんだね。

ネモ:実戦の中でこの考え方に基づく動きをやろうとすると、相手の行動の引き出しは多く知ってる方がいいんだよね。そこで、最初に言った動画や掲示板から得た知識が役立つんだ。「この人はこういう対策を、自分のキャラクターに対して取ってきている」っていうのを素早く判断して試合の中で動きを作っていくから、試合が終わった後で気づいても遅いんだよ。幸い、今の大会は2先、3先というルールが多いから、2試合のうち1試合でそれを判断しても間に合う場合が多い。

浅葉:試合中に動きを変えるって、簡単なようでいて案外難しいよね。

ネモ:自分の戦術の中に相手をはめ込んで勝つことを重視してしまいがちだからね。真似するのは難しいと感じるかもしれないけど、こういう視点をもってプレイするだけで全然違うから、上達が止まっているなと感じている人にはこの方法を試してほしいね。浅葉さんとか特に(笑)自分のキャラの攻略だけをストックしていくんじゃなくて、相手のキャラを想像しての攻略をストックしていく感覚だよ。なんとなく技が当たってるところ、技をくらっているところに、「理由」を探す癖をつけるんだよね。

浅葉:言われてみるとすごくわかる。格闘ゲームの既存の攻略って、「ユリアン攻略」みたく、相手のキャラクターを想定してないものが多いんだよね。キャラクター対策を含めての攻略なのに、そこに関しては「強い技の対策」くらいで終わってしまうことが多い。これって手間の問題や、ゲーム雑誌ならページの問題があって書ききれなかったり詰め切れなかったりするんだけど、ネモの場合はそこに力を注いでるってことね。

ネモ:そうそう。だから、キャラクターの攻略というのには価値があって、それを練習すると強くなるんだけど、そこから先は相手のことを考えないと難しいんだよね。全部の行動に「対抗策」を用意するのは無理だけど、人より少しでもそれを知っているというのは、武器になるし自信にもなる。あとはこういう見方をしていると、「人読み」も早くなってくる。この人はこういうタイプだなっていうのが、いち早くわかるようになる。

浅葉:俺はどういうタイプなの。

ネモ:すぐジャンプする、困るとぶっ放したがる(笑)

浅葉:本当にすみません(笑)

ネモ:『ストリートファイターV』に絞って言うなら、攻めがとにかく強いゲームだから、相手がどういう守り方を軸にしているかというのを見るのは大事だね。「ジャンプグラップが多いな」と判断したら強気に連係を組むとかは、相手の動きを見るのに慣れてない人でもわかりやすいんじゃないかな。
これがもっと細かい視点で見ていくと、例えばこちら側が-2フレームの不利を背負ったとき、相手にとって「反撃は間に合わないけど、技を繰り出しやすい状況」で毎回発生の早い弱攻撃のボタンを押してくるかに注目するようになる。ここで最速で弱攻撃を押せる人なら、ひとまず有利不利はわかってるし、展開の早い攻めにもついてきていると判断するよね。じゃあ、その最速の弱攻撃に対して、下がって差し込みが間に合うかとか、EXヘッドで読み合ってみるか…とかいう考え方が生まれてくる。そこでボタンを押してこない人に対しては、割と強気に出てみたりもできる。

浅葉:一見読み合いになるところでも、相手のプレイスタイルが分かっていれば有効な攻め手を選びやすくなる、ってことでいいのかな。

ネモ:そうそう。「読み合い」は運要素が強いんだけど、相手のプレイスタイルや知識のなさによっては「読み合い」になってない可能性もあるし、勝つ可能性が高い「読み合い」になっていることもあるんだよね。ジャンプグラップがめちゃくちゃ多いプレイヤーがいるとしたら、ぶっ放しを警戒する必要はあんまりないよね。そういうところで細かい差をつけていくんだよ。こちらにとって分のいい読み合いというのは、格闘ゲームの場合大きなアドバンテージになるし、今の大会の形式だと無視できない要素なんだよね。

浅葉:俺がネモが読み合いに強いと思ってるのはもしかして。

ネモ:読み合い以前に、プレイヤーの傾向がバレてて、それが対戦中に変化してない可能性が高いね(笑)対戦する機会が多かったり、付き合いが長いとそうなってきたりするんだけど、浅葉さんの場合はわかりやすすぎる。

浅葉:俺みたいなのが聞き手でいいんだろうか(笑)

格闘ゲーマーが『ストリートファイターV』に触れるきっかけになるような攻略を書いている浅葉氏も、ネモ氏の攻略から得るものが多くあったそうだ。豪鬼の話題も大いに盛りあがっていた

知識をもとに対戦に挑むこと

浅葉:こうやって話を聞くと、昔のネモからは考えつかないような攻略だなって驚くよ(笑)攻略を変えないと勝てないって実感があったとはいえ、昔のネモは動画とかあんまり見ないイメージだったから。何かきっかけみたいなものがあったの?

ネモ:きっかけは間違いなく『ULTIMATE MARVEL VS. CAPCOM 3』だね。このゲームを始めた時はとにかく対戦相手に困ったんだよ。対戦してくれている人も居たんだけど、家庭用でしか出ていないゲームだからアーケードゲームほど人がいない。当時は、日本だと格闘ゲーマーはゲームセンターに集まってたから、『ULTIMATE MARVEL VS. CAPCOM 3』を対戦したいっていっても、たくさんの人と対戦できる環境がなかったんだ。
そこで、海外の強いプレイヤーの動画を見始めて、最初は色々なテクニックやセオリーを得るっていうのを始めたんだけど、途中で、これって勝つための攻略としてものすごく使えるんじゃないかって思ったんだよね。今後対戦しそうな相手とかじゃなくて、強い人の動画を色々見ていたのも大きかった。「人読み」の材料として使うというよりも、「攻略」の材料にする、という考え方になった。

浅葉:こういう攻略法をばらすとネモは損しないの(笑)

ネモ:みんながこういう攻略法をとってるわけじゃないからね(笑)それに、これは自分にとって良い方法ってだけで、他のプロゲーマーとは考え方も違うんだよね。「自分の攻略をとにかく詰めて、自分の理想の動きをする」っていう人もいる。あとは、今話してる「攻略」と同じくらい、自分は「対戦」を大事にしているから、最後は総合力の勝負だと思う。対戦数はとにかく大事だよ。情報だけ知っていても、実戦でできないとあまり意味がないよね。

浅葉:最初の方にも言ったけど、ネモは昔から対戦に貪欲だよね(笑)

ネモ:そうだね。対戦が好きというのもあるけど、やると決めたゲームのキャラクターは、どんどん対戦で使っていくようにしてる。コンボや連係を仕上げてから対戦しにいくというのはあんまりなくて、ある程度基本的な操作ができるようになったら、積極的に対戦しにいく。長く格闘ゲームをやってるから基本的な操作が身に付くまでは早いんだけど、格闘ゲームやってる人からしたら、ちょっと早いんじゃないかって見えるくらいの時に対戦にいくよ。

浅葉:コンボの練習とかは後回しなんだ。

ネモ:並行してやりはするけど、完成してからやる、という考え方じゃないかな。連続技や連係みたいなものって、対戦しているうちになんとなく身に付いてきたりするよね。あと、連係や連続技を作ったりするとき、対戦をしてからだと発想が増えるんだよ。対戦してみて、ここはもっとダメージを取れそうだなってところを見つけたら、その状況で使える連係や連続技を探すっていうのが自分にとっては第一段階の攻略かな。自分の考え方の一つとして、トレーニングモードで完成しただけの技術は信頼してないんだよ。

浅葉:それはわかるかも。トレーニングモードで安定してきても、実戦じゃ意外とできないことって多いよね。

ネモ:そうなんだよね。こっちの動きだけじゃなくて、トレーニングモードの上でできた対策とかも、実際やってみると「距離がバッチリだとできます」みたいなものも多いんだよ。さっき言った動画や掲示板で得た知識も、自分で試すまでは疑ってるし、実戦でやってみてあんまりだったら、頭を切り替えて違うのを探したりする。攻略には「自分に合わない」ものもたくさんあるから、「自分で試す」のは大事だね。

浅葉:プレイヤーの反応速度とかって気にしたことある?対策の話とかでよく話題になるんだけど、「相手の行動を見てから対処する」みたいなのって、それなりに行動への反応の良い人じゃないと難しそうだから、万人にとっての対策にならないなと思うことがあるんだけど。

ネモ:反応の差はもちろんあるんだけど、そこまで大きな差はないと思うよ。ダッシュを弱Pで止めるにしたって、ダッシュが来るかもしれないって意識しているのと、突然ダッシュが来て止めるのとは全然違うからね。意識配分がちゃんとできていれば、「反応」がそれほど早くなくてもできることは多いんだよ。相手が起こしてくる行動を予測していれば、反応に使う時間にも猶予が生まれてくる。そもそも、自分も反応にそんなに自信があるわけじゃないよ。世界を見てると、とんでもない反応速度だなって思う人はいる。でもそれで「勝てないな」って諦めることはないし、反応っていっても1秒違うとかじゃないからね。

対戦で気になったポイントは必ずあとで確認するというネモ氏。得意とする、相手のジャンプを後ろから捉えるしゃがみ強Pは、対戦から得た感覚を元に練習したものだそうだ

「勝つ」ことにこだわるプロゲーマー

浅葉:ネモがプロになってから聞こうと思ってたんだけど、今は楽しくゲームできてるの?プロってやっぱり勝つことが求められるから、苦しくしてないかなと思ってたんだけど。

ネモ:楽しいよ(笑)今のところ、勝ててるというのもあるけどね。

浅葉:勝てなくなったらどうするのよ(笑)

ネモ:勝てるようにやっていくしかないね。これは自分の考えだけど、自分がスポンサーのためにできること、格闘ゲームを盛り上げるためにできることを考えた時に、一番に浮かんでくるのが「勝つこと」なんだよね。プロになる前から、「勝つこと」へのこだわりは強かったけど、プロになってからその気持ちはもっと強くなったよ。自分が「勝った」という結果に対して、格闘ゲームをやっていない友達が反応してくれるんだよ。

浅葉:ああ、それは大きいかも。格闘ゲームをやっていない人からすると、「いい動きをした」、「不利な組み合わせだけど頑張った」より、「勝った、優勝した」みたいなのがわかりやすいからね。俺も個人的な意見としてだけど、やっぱりプロには勝ってほしいよ。最近は日本でe-sportsを盛んにしようという流れもあって、プロゲーマーがどんどん増えてるから、その中で存在感を示せるのってやっぱり勝ち星だろうし。勝ってるからこそ、その人に興味を持つし、他の活動にも興味が湧くからね。

ネモ:自分の活躍を聞いた人に、「次の大会は見てみるよ」とか言われたりすると、嬉しいよね。毎回良い結果になるとは限らないんだけど、自分がプロでいるうちは「勝つ」ってことにはこだわりたいね。

浅葉:ぶっちゃけ、格闘ゲームにつき物のバランス調整で気持ちが萎んだりしないの?俺とかもう、楽しく遊べればいいという方向なんだけど、競技としてやっているとバランス調整で自分のスタイルが崩されたりするじゃない。

ネモ:自分のキャラクターが強くなるといいなとかはあるけど、調整があるからってプレイを控えてたら、大会には追いつけないしね。その時の環境で自分にできるベストを出せるようにありたいとは思ってるよ。調整に対して文句が出そうになることもあるけれど、それを理由にやり込まないならプロになってない。
シーズン1で使ってたバルログからユリアンに変えたのは面白くて強いからなんだけど、このキャラクター変更は自分にとってはプラスになってる。新しい環境を楽しめてるからね。あと、俺の場合は対戦が好きだね(笑)自己分析みたいだけど、バランスどうこうより、対戦するのが好きだから楽しめるというのは大きいかもしれない。

「対戦しよう」の一言が格闘ゲームを楽しくする

浅葉:普段の対戦は、オンライン対戦がメインなの?

ネモ:自分は今でも、どこかに対戦しにいくことが多くて、オンラインではあまりやらないかな。大会がオフライン環境だから、それに合わせるというのも大きいけど、楽しいというのが一番の理由。『ストリートファイターV』のような家庭用が軸になっているゲームはオンラインでの対戦がメインだからなかなか大変だけど、得るものも多いと思う。あと、これから格闘ゲームを始めようっていう人は、「同じレベルの対戦相手」や「付き合ってくれる人」との出会いが大事だから、オフラインなら見つけやすいかもね。

浅葉:一部のゲームは昔のゲームセンターみたいなコミュニティを作るのも難しいからね。対戦会みたいなものが、e-sportsのイベントとしてどんどん出てきてくれると嬉しいよね。

ネモ:オフライン対戦をしにいって、「対戦しましょう」って言ってみることで世界が広がることもあると思う。対戦することの面白さがないと、強くなりたいっていうモチベーションも消えてしまうからね。対戦相手とのレベルの差があるときに、ハードルが高く感じる人がいるかもしれないけど、対戦を続けていれば強くなるよ。オフラインイベントに行っても、「対戦しようよ」って自分から言えている人がそれほど多くないように見えるから、もっと積極的でもいいんじゃないかなと思う。

浅葉:昔ゲーセンで会ってた時も、負けてもとにかくコイン入れてた姿が印象に残ってるよ。勝ってるときにやり続けられるのはわかるけど、負けても続けてるってのは凄いなと思った。すぐに強くなっちゃうんだけど(笑)

ネモ:なかなか強くなれないゲームもあったけどね(笑)それでも、いつかは強くなるんだよね。昔は「対戦しようよ」と言わなくても、ゲームセンターで対戦台にお金を入れるだけで対戦できたけど、今はゲームによってはそうはいかないからね。「対戦しようよ」って声をかけることは、とても大事だと思う。例えば、麻雀だと4人で卓を作るけど、3人までは集まったけどあと1人足りないことがあるじゃない。その時は誰かを誘うでしょ。そういう感覚かな。格闘ゲームを楽しむために、同じ趣味の人を誘う。声をかけられて断る人はいても、嫌な気持ちになる人はあまりいないと思うよ。

浅葉:ある程度格闘ゲームがわかってくると、レベルが違いすぎて対戦を申し込むのを控えてしまうというのは、俺はすごくわかる(笑)

ネモ:少なくとも、対戦会という場に行ったなら、あんまり気負わなくていいと思うよ。この人と対戦するのは恐れ多いとか思ってたら、同じレベルの人としか対戦できないからね。みんなが対戦したい人もいるだろうから、同じ人とやり続けるというよりは、いろんな人と対戦してみるくらいの配慮があればいいね。

浅葉:格闘ゲーマーにとって、ゲームセンターって特別な場所だったんだよね。でも、そこにはないゲームも増えてきていて、ゲームセンターのあり方が変わっていることもだんだんとわかってきた。お金を入れるだけで対戦が出来て、対戦を繰り返すうちに話すようになるなんてことも、減ってきたように感じるよ。そんな環境の中で、ネモのいうような声かけも「楽しむ」ための一つの手段だし、最近ではSNSなんかも使って楽しむというのもあるよね。

ネモ:オンラインを活用するのもいいよね。自分にあったやり方というのはあると思う。浅葉さんはすっかりオンラインメインに見えるけど。

浅葉:俺の場合は、徳島に拠点を移したってのもあるね。自分で対戦会を主催するほどじゃないし、オンラインゲームに慣れてたからか、会わなくても会ってるような感覚になるんだよね。今、いろんなゲーム好きを集めたコミュニティを作ってLINEグループにしているんだけど、200人くらいいるよ。そのうち会ったことあるのは30人だけど、煽り合いながらゲームしてる(笑)

ネモ:それも楽しそうだね(笑)

浅葉:ネモは、対戦をお願いしたりすることが今でもあるの?どちらかというと、お願いされる立場になったように見える。

ネモ:対策不足と感じるキャラクターに関しては、積極的にお願いしてるよ。『ULTIMATE MARVEL VS. CAPCOM 3』をやりこんでた時に、「これは待っていてもダメだ」と思ったんだよね。最初はネモがはじめたってことで対戦してくれる人がいたんだけど、しばらくすると対戦してくれる人がすごく少なくなってたんだよ。そのときに「対戦しましょう」って発するようになったし、とにかく対戦してくれる人はありがたいなって思った。ときどが当時、対戦に付き合ってくれたんだけど、本当にためになったし、嬉しかったよ。

浅葉:俺はこの前ネモに25連敗して辛かった(笑)でも、まだ対戦してくれたことに感動したよ(笑)

ネモ:浅葉さんはプロには向いてないな(笑)勝ち続けても、負け続けても、その人が対戦してくれるまで付き合ってもらえばどんどん伸びていくよ。

浅葉:俺はもう格闘ゲーマーじゃないのかもしれない(笑)そもそもALIENWARE ZONEで何かやりませんかって言われたときに「PCだから美少女ゲームの連載とかどうですか」って聞いたくらいだもん。それがなぜか、ネモと対談することに(笑)

ネモ:メディアに載るってのはなんか変な感覚だね。

浅葉:そろそろ時間もなくなってきたので、今日の締めとして、「今後の抱負」について聞かせてください。ゲームメディアでよくある、お決まりの質問だけど(笑)

ネモ:近いところでは、5月の「Red Bull Kumite」、7月の「EVO」で良い結果を出せるように練習してます。強いプレイヤーの揃うイベントだから面白い試合も多くなるのは間違いないので、観戦してみてください。兼業プロでも戦えるというところを見せられたらいいなと思ってます。こんなのでいいかな(笑)そっちは今後、何か活動とかないの。

浅葉:ゴジラインのほうは、特に何も予定してないね。ゲームって楽しいよねってのを引き続き、ゆるゆる発信できればいいかなくらい。今日は本当に楽しかった。普通に雑談するのとは空気が違って、ちょっと緊張したけど。ありがとう。この企画に反響があれば、また何かやろう。

ネモ:一人で書くのとは違った話が出てきたりするしね。反響があればぜひ。

■ネモ氏の連載はコチラから
【プロゲーマー・ネモの勝てるゲーマー論】 第1回 格闘ゲームの上達は攻略を鵜呑みにするな
【プロゲーマー・ネモのストVレビュー】第1回 12月21日開始の「シーズン2」注目キャラとポイントを解説

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