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「TGS2019」インディーゲームコーナーで見つけた意欲作たち【インディーゲームレビュー 第61回】

マーケティング費用に劣るインディーゲームでは、単にストアでゲームを配信するだけではプレイしてもらうことは難しい。そこで行われるのがゲームイベントへの出展だ。「東京ゲームショウ2019」でも、世界各地からさまざまなインディーゲームが集まり、来場者に向けたアピールが行われていた。本稿ではそうしたゲームの中から、特に目を惹いたものを紹介する。

『Stone Story RPG』



モノクロのアスキーアートで描かれたミニマルな世界を探索して、9つのソウルストーンを集めていくRPG。もっとも一般のRPGとは異なり、主人公を直接操作することはできず、ゲームは半自動的に進行していく。武器やアイテムを装備したり、カスタマイズしたりすることはできるが、パラメーターを見ることもできない。

ワールドは8つのマップで構成されており、それぞれのマップを探索しながら、さまざまなモンスターと戦い、アイテムを入手し、フラグを解除しながらストーリーを進めていく。そのためゲームの展開は、RPGというよりもアドベンチャーゲームに近いものがあるだろう。

その特徴的なアートスタイルやゲームプレイが多くの反響を呼び、インディーゲームのプレゼンテーションイベント「センス・オブ・ワンダーナイト(SOWN)2019」で最優秀賞も受賞した。すでにSteamでアーリーアクセス版が公開されており、日本語でのローカライズも行われているので、安心して楽しめる。

Steam『Stone Story RPG』販売ページ
https://store.steampowered.com/app/603390/Stone_Story_RPG/?l=japanese
公式Twitter
https://twitter.com/stonestoryrpg
公式サイト
http://www.stonestoryrpg.com/press/sheet.php?p=stone_story

『Project Winter』



雪山を舞台に繰り広げられる、協力と裏切りに彩られた「人狼」的ゲーム。5人から8人まででプレイするオンラインアクションゲームで、ゲームの目的はサバイバーとなって雪山から脱出することだ。ただし、パーティの中にはサバイバーの脱出を阻止するトレイターが1~2名存在する。サバイバーは一致団結して救援を呼び、脱出すれば勝利。トレイターはサバイバーのふりをしながら、要所で邪魔をしたり、サバイバーを殺害したりしながら、脱出を阻止すれば勝利だ。

最大の特徴はオンラインマルチゲームであることに加えて、ボイスチャットが必須であること。また、チュートリアルが存在しないため、初心者は何もわからないまま殺害されてしまう可能性が高い。そのため敷居が非常に高く感じられるが、何度もプレイしてコツが分かってくると、次第に辞められなくなる中毒性の高さがポイントだ。日本語Wikiや動画共有サイトの実況プレイなどを見ながら、立ち回りかたを学んでいくといいだろう。

Steam『Project Winter』販売ページ
https://store.steampowered.com/app/774861/Project_Winter/?l=japanese
開発元:Other Ocean Interactive公式サイト
https://otherocean.com/
『Project Winter』WIKI
https://wikiwiki.jp/p-winter/

『Unheard』



まったく新しいアイデアで作られた新感覚のサウンドノベルだ。プレイヤーの役割は探偵で、マルチトラックで録音された建物内の会話を聞き分けながら、事件の真相を探り出していく。

最大の特徴はUIで、ディスプレイには建物の見取り図と、その中にいる人々の場所がリアルタイムで表示される。プレイヤーは建物の中を自由に移動しながら、周囲からとがめられることなく、周囲の会話を聞くことができるのだ。まるで透明人間になって、まわりの会話を盗み聞きしているような感覚が味わえる。

警察署で発生した爆弾テロ事件。直前まで楽しげに話していた捜査官の中に、しれっと犯人が潜んでいるかもしれない。ロビー、玄関、執務室、当直部屋……何度も場所を変えながら、大量の録音テープを聞き直し、会話の断片をつなぎあわせながら、事件の全容を推理していこう。ただし、英語版と中国語版しか存在せず、字幕も存在しないため、高いリスニング能力が求められるのが玉に瑕だ。日本語版の制作が鋭意進行中とのことなので、今から期待したい。SOWN2019ファイナリスト作でもある。

Steam『Unheard』販売ページ
https://store.steampowered.com/app/942970/Unheard/
開発元:NEXT Studios公式サイト
https://www.nextstudios.com/index_en.html
『Unheard』公式サイト
https://www.nextstudios.com/unheard/index_en.html

『HitchHiker』



最後にSteamのアーリーアクセスでも配信されていない、今まさに開発が佳境にさしかかっているタイトルが、東京ゲームショウのドイツブースでデモされていたので紹介しよう。アメリカの農村地帯とおぼしき世界を、ヒッチハイカーとなって旅をしていく一人称視点のアドベンチャーゲーム『HitchHiker』だ。

ゲームは運転手と話をすることで進んでいき、次第に会話を通じてプレイヤーの過去や、運転手の「裏の顔」がわかってくる。そしてストーリーは徐々にのっぴきならない方向に進んでいき……といった具合だ。モダン・ホラーの大家スティーブン・キングの作品群や、セカイ系と呼ばれるジャンルが好きなら見逃せないタイトルだろう。2019年発売予定で、日本語版のリリースも予定されている。

Steam『HitchHiker』販売ページ(2019年発売予定)
https://store.steampowered.com/app/1003120/HitchHiker__A_Mystery_Game/
パブリッシャー:Versus Evil公式サイト
https://versusevil.com
開発元:Mad About Pandas公式サイト
http://madaboutpandas.de/
『HitchHiker』公式サイト
https://versusevil.com/hitchhiker/

インディーゲームのカッティングエッジ、「SOWN」

すでに『Stone Story RPG』『Unheard』の説明で触れているが、東京ゲームショウでは毎年ビジネスデイの2日目に、「センス・オブ・ワンダーナイト(SOWN)」というイベントが開催される。世界中から集まったゲームデベロッパーが、「センス・オブ・ワンダー」を感じさせるゲームをプレゼンするイベントだ。8組のファイナリストが登壇し、センス・オブ・ワンダーを感じたら観客がピコピコハンマーをいっせいにふる。音の大小で最優秀賞が決まるという、世界的にもユニークなイベントになっている。

SOWNがスタートしたのは2008年のことで、現在まで毎年開催されている。ゲームが完成していなくても、センス・オブ・ワンダーを感じさせる内容であれば採択される点が特徴で、実際に本イベントを弾みに世界的なヒット作になったタイトルも数多く存在する。おりしも今年は既存のゲームのフレームワークを解体する「メタゲーム」が集まった。ぜひチェックしてみて欲しい。

センス・オブ・ワンダーナイト2019『Stone Story RPG』プレゼン風景

センス・オブ・ワンダーナイト2018公式動画
https://expo.nikkeibp.co.jp/tgs/2018/business/event/sown/sown2018.html
センス・オブ・ワンダーナイト2019ファイナリスト
『UPLIGHT』
『BRAVOON』
『冒険者ギルドへようこそ!』
『One Step From Eden』
『Liberated』
『Unheard』
『QuestNotes』
『Stone Story RPG』

【コラム】小野憲史のインディーゲームレビュー

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