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「EVO 2019」直前!『鉄拳』プロのユウ、ノビ、タケ。に聞く【前編】 TeamYAMASA結成から2019年のTEKKEN World Tourについて

目次
  1. 職場での出会いがTeam YAMASA結成のきっかけに⁉
  2. 今年はアジア勢が不遇? TeamYAMASAの面々も苦戦が続く「TEKKEN World Tour 2019」
  3. 海外大会が主流になった現在の準備 鍵を握るのはSteam版&ゲーミングPC⁉
2017年の家庭用発売から約3年(2015年スタートのアーケード版を含めると5年)が経過し、シーズン2で告知された追加キャラクターも出揃い、ゲームのアップデート的にはひと息ついた感のある『鉄拳7』。しかしその対戦シーンは、規模が拡大したTEKKEN World Tour、過去最多を記録したEVO 2019のエントリー数など、落ち着くどころかむしろ勢いを増している状態となっている。

そこで今回は、日本の鉄拳プロプレイヤーでは最古参ともいえる、TeamYAMASAの3選手、ユウ、ノビ、タケ。(敬称略)に、EVO参戦のためにラスベガスへ渡航する直前のタイミングでインタビューを敢行。プロゲーマーになるまでの話や、機材提供を受けているALIENWARE m15の使い勝手などを語ってもらった。

▲左からユウ選手、ノビ選手、タケ。選手

職場での出会いがTeam YAMASA結成のきっかけに⁉

――今日は2019年の『鉄拳7』の対戦シーンについて語っていただきたいと思い集まってもらったのですが、まずは自己紹介も兼ねて『鉄拳』を始めたきっかけや、プロゲーマーになったいきさつなどから教えてもらえますか?

ユウ:父親がクリスマスプレゼントでPlayStation と『鉄拳』を買ってきたのが最初の出会いですね。ただ本格的にやり始めたのは高校生ぐらいで、『鉄拳4』からです。新宿のプレイマックスというゲームセンターで、うまい人たちに揉まれてハマっていくという感じの始まりでした。

ノビ:僕は中学校のころに、塾が嫌になってゲームセンターへサボりに行ったのがきっかけでしたね。そのゲーセンでちょうど『鉄拳』の大会をやっていて、逃げた先にすごい面白そうなゲームがあったのでお金を入れてみた、っていうのが最初です。時期的には『鉄拳5 DARK RESURRECTION』ですね。なので強いとされているプレイヤーの中では、けっこう『鉄拳』歴は浅いほうだと思います。

タケ。:僕は小学生5年生のころに、地元に唯一あったゲームセンターで『鉄拳タッグトーナメント』を見て、「なにこのゲーム!?」って思って興味本位でお金を入れたのがきっかけでした。

――これは質問というか単純な興味本位に近いんですけど、みなさんのように格ゲーでトップレベルで高い勝率を記録してる人って、最初から勝てたものなんですかね?

ユウ:最初は全然勝てませんでした。ちょっとうまくなっても5割6割とかでしたよ。

――どこかで壁を破る瞬間みたいなのがあった?

ユウ:その表現でするのであれば、やっぱり友人ができ始めたときですね。ゲーセン内で友達ができていろいろ話すようになってから、すごい上達速度で行ったと思います。

ノビ:僕も地元のゲームセンターで一番強くなって、じゃあ今度は日本で一番強い人が集まると有名なゲームセンターに行こうって行ったらボコボコにされて。でも、じゃあここで勝てるようになったら一番強いってことだよなあって思って、当時はユウさんとホームの新宿JOYBOX(現在は閉店)にずっと通っていました。

――TeamYAMASAにはどのような流れで所属になったのでしょうか?

ユウ:私は当時バーに勤めていたのですが、そこから山佐の東京支社が近い場所にあったんです。そのバーに『鉄拳』とか『バイオハザード』のパチスロを作っているチームの方々が飲みにいらっしゃってて、「バーテンダーとお客さん」という関係で仲良くさせていただいていました。

パチスロで『パチスロ鉄拳2nd』が出たころ、当時トッププレイヤーといわれていた私とノビにパチスロライターさんが勝負をするみたいな企画のオファーを頂いて、そこで開発チームの方々と再会したんです。

そのとき、「ユウさんってまだ『鉄拳』を最前線でやってるんですね」「今は海外渡航費を工面するのが大変で、いろいろお金に都合をつけて海外に行ってます」みたいなことを言っていたら、サポートに名乗りを上げていただきまして。その年のEVOの渡航費を出してもらえるようになりました。今でいうところのスポット参戦、スポンサードといった形式に近いですね。


ユウ:それで渡航費を出してもらった年のEVOの成績がけっこう良くて、以降も支援していただけるようになりました。そのときスポンサードしていただけたのは私とノビだけだったんですけど、山佐の方々にいつも一緒に『鉄拳』をやっている仲間で、同じくらい強い奴がいるってタケ。さんを紹介して、3人で「TeamYAMASA」として一緒にやることになりました。

――TeamYAMASAは他の『鉄拳』プロプレイヤー、他タイトルのプロゲーマーさんと比べても、ゲーセンで講習会などを開いてそれを動画でもアップしたりとか、プレイヤーに“教える”活動が多いように思うのですが。

ユウ:そうですね。とくにノビは。

ノビ:僕はTeamYAMASAに入る前、20歳のころからプレイシティキャロット巣鴨(※現在はnamco巣鴨店)でインストラクターとして講習会的なものをやっていたんです。『鉄拳』は初心者層が増えるのが難しいゲームだと言われていたので、プレイヤーを増やす運動は積極的にやりたいと思っていましたね。

――山ステ(※バックステップの硬直をキャンセルして再度バックステップを入力して素早い距離調整を可能にするテクニック)のやり方の動画なんかは、YouTubeの「イスカンダル」チャンネルですごく参考にさせていただきました。

ユウ:ありがとうございます。ぜひ動画への高評価をお願いします!

ノビ:どんなゲームでも一番需要があるのって「教えること」だと思うんですよね。自分は8年間講習をやって、その間に8000人以上とコミュニケーションを取っているはずです。この需要のある分野は、我々3人で牛耳っていきたいですね(笑)。

▲YouTubeの「イスカンダル」チャンネルにある「ノビ テクニック集」動画。「イスカンダル」チャンネルでは、講習会に来店したプレイヤーにあわせたキャラクターのテクニックや、使用キャラを問わず参考になるシステムまわりの解説動画が閲覧できる


▲2016年に岡山で開催した「ユウノビ初心者講習」

今年はアジア勢が不遇?
TeamYAMASAの面々も苦戦が続く「TEKKEN World Tour 2019」

――毎年「TEKKEN World Tour」が開かれるのが常態化して、皆さんも海外と日本を行ったり来たりする生活になったと思うのですが、今年の上半期の出来に点数をつけるとしたらどれくらいになりますか?

ユウ:私は……60点から70点の間くらい。去年のTEKKEN World Tourの成績が悪かったので、2019年は大きな変化をもたらしたいと思ってプレイスタイルも変えて、練習やデバイス周りもオフシーズンに一新したんですよね。なので2019年は15〜16年やってきたものをすべてぶち壊してのイチからのスタートになっています。去年よりは確実に安定感みたいなものは上がっているとは思うんですけど、いかんせん最後のところの仕上がりがまだよくなくて……。

ノビ:30点くらいだと思います。2年前も去年もTEKKEN World Tourのグランドファイナルには進出できて、今もポイント的には出場圏内には入ってるんですけど……。今は僕自身、モチベーションを保つのがすごく大変で。「この生活を続けていたら『鉄拳』は強くなれないな」って思っている最中なんですよ。海外大会に行くのを控えて、その期間に自分たちの環境を作ってそこで練習をするべきなのかとか……。そのあたりが心配です。

タケ。:僕は5点くらいですね。冗談抜きでけっこうリアルな採点だと思ってます。まず明らかに去年と比べて成績が悪いのと、今年出た大会でどれもベスト8に残ったことがないっていうのを踏まえると……ちょっとありえないっすね。何がいけないんだろうな……自分でもよく考えることはあるんですけど。

ユウ:単純に我々が使っているキャラクターが、去年から大幅な弱体化を食らっているので、キャラチェンジも視野に入れないと駄目だなとは思うんですけど……。でも『鉄拳』って他のゲームよりもキャラチェンジが難しいと僕は思うんですよね。なので、そこら辺の考えもまだそれぞれの中で回答が出ていないんだと思います。

タケ。:他のキャラを練習するよりはもともと使っていたキャラを練習したほうが絶対いいし、大会での立ち回り方っていうのは、もともとメインで使っていたキャラの方が手に馴染んでいると思うので。だから3人とも、弱くなろうがメインキャラを使ってはいるんですけれど。

――今の『鉄拳7』の大きな大会では2、3キャラは使えないと……みたいな風潮があるような感じがします。

ノビ:シーズン2になったときに強いキャラと弱いキャラの差が露骨に出るようになって、強いキャラっていうのは中位、下位のキャラにかなり相性がいい。逆に中位くらいのキャラクターですごく上のキャラに勝つには、運も必要になってきちゃうので、それだったらその強いキャラクターにかぶせられるくらい強いキャラクターを使おう、っていう考えが今の形になってると思います。

――あとは今年のTEKKEN World Tourは、とくにどこに住んでいるかでポイントの稼ぎやすさがかなり変わりませんか? 大会の数が地域によって全然違いますよね?

ノビ:それは大いに感じてます……(苦笑)。

ユウ:(圧倒的に大会開催が多い)現地のアメリカ人からも不評なくらいで。DOJOイベント(※大会主催者側がTEKKEN World Tour運営に申請することで開ける大会。参加人数によって得られるポイントが変動する)をナーフしろって声があるほどです。アメリカやヨーロッパでけっこう名前が知られている強い人でも、DOJOイベントで稼いでいる人と比べると総合ランキングで負けてたりしてますね。

▲TEKKEN World Tourに掲載されているランキング(2019年7月30日現在)

ノビ:ChallengerやMaster(※TEKKEN World Tour運営が指定した大会。DOJOより多くのポイントが獲得できる)クラスの大会で1回もベスト8に入ってない人が、僕より全然ポイントを持っていてかなり上の順位にいたりしますからね。誰だろうって思って調べるとDOJOイベントで1位、2位を何回も取ってて……これ勝てねえわぁって(笑)。

タケ。:向こう(アメリカ、ヨーロッパ)は平日でも大会をやってますから。そこに64人以上集まったらポイントが発生する大会になりますし、DOJOイベントがどれだけある地域なのかで如実に差が出ます。

ユウ:レギュレーションを策定する前段階でさすがにTEKKEN World Tour側もわかっていたことだと思うので、あえてなのかなとは思っています。TEKKEN World Tourは地域の活性化も狙って開催している、という話を聞いたことがあるので、今回はそっちに寄せたのかもしれません。

活性化という意味では成功してると思いますよ。プロプレイヤーからすればちょっとアレですけど(苦笑)、海外の大会の増え方とか尋常じゃないですし、実際EVO 2019のエントリー数だったり、大会配信の視聴者数も『ストリートファイターV』に追いつくぐらい増えているので。EVOも今年はトリ前になりましたし。そこはホントにうれしいですね。

ノビ:(感慨深げに)そこはついにやっちゃったよ、すごいなって。

――海外のDOJOイベントに行ってポイントを稼ぐっていうのはさすがに難しいですか?

ユウ:行くなら今のうちに行っといた方がいいとは思うんですよ、後半になればなるほど激戦になると思うので……。ただ土日近隣の地区で2つのDOJOイベントに出られるとかならまだしも、アメリカまで15時間かけて1個のDOJO大会に出るっていうのはさすがに。

国内で開かれるDOJOイベントも3つくらい予定がありますけど、日本の大会はレベルが高い。世界大会のベスト8みたいになるので。韓国選手、韓国選手、韓国選手、日本選手……みたいな。

今はどの地域の大会も簡単には勝てないですよね。世界全体の水準が上がっていると思います。東南アジア、タイやフィリピンに行っても強いし、もちろんアメリカも強いです。

海外大会が主流になった現在の準備
鍵を握るのはSteam版&ゲーミングPC⁉

――国内のプロ同士だけで戦うトーナメントやマスターカップのような団体戦もありますが、大会の種類によって準備を変えることはありますか?

ユウ:直前の練習を大きく変えるっていうのはあまりないんですけど、どんな環境で『鉄拳7』をプレイするのかは事前に注意しています。たとえばマスターカップだとアーケードの筐体で戦うことになるんですけど、ハイエンドPCで練習してるときとはまったくプレイ感覚が違う。ゲーセンとPCでのプレイは別ゲーに近いですね。

――どのあたりが違うのですか?

ユウ:ラグ、入力遅延ですね。Steam(PC版)が一番ラグがなくていいです。

タケ。:Steam版はあまりに良すぎて、大会前の練習にちょっと触るっていうのは避けたほうがいいくらいです。

ユウ:アーケードとSteamの中間に位置するのがPS4版です。「YAMADA Cup eSports大会」はすごくいいPCとモニターを使って予選をやるじゃないですか。でも地方に行くとアーケード版しかプレイしていないって人が結構多いんですよ。そういう人たちがいきなりYAMADA CupでSteam版をやったら、あまりの違いにコンボができない、っていう。

――じゃあ、行く大会によって準備期間中は『鉄拳7』をやるハードを変えている? たとえばTEKKEN World Tourだったら……。

ユウ:TEKKEN Word TourはPS4でほぼ統一されていますね。僕はSteam版が好きなんですけどね。大会もこれでやってほしい。 1フレーム違うと見える下段、見えない下段が全然違うので。

タケ。:(Steam版の方が)信頼できますよね。ガードを固められる。

――TeamYAMASAさんの3人が提供を受けているノートPC、ALIENWARE m15についてもお伺いします。Steam版が「早すぎる」ってことは、TEKKEN Word Tourなどに練習用に持っていくのは実は不向きだったりするんですか?

ノビ:いや、そんなことは全然ないですね。大会に持って行って触るときは、僕はプラクティスの設定で遅延設定を「回線4」にしています。そうするとオフラインのPS4版とほぼ同じ感触になるので。ちょうどいい感じです。

ユウ:僕は遅延設定とかはせずにやっちゃいますね。ラグうんぬんより触っていることが翌日への自信になるので。大会に持っていくとプールの最初のほうでちょっと調整できたりもするので。今お借りしているALIENWARE m15は大会に出るときにはつねに持ち歩いています。

ノビ:……いや、ちょっと聞いてくださいよ。ユウが持ち歩いているっていうのは間違いですよ。持つのはずっと俺じゃん!

――(一同笑)

ノビ:以前からPCを持っていくのはいつも俺なんですけど、ALIENWARE m15に変わってからはめちゃくちゃ軽くなって楽ですね。以前はアケコンに重いノートPCを詰めて移動していたのでカバンがちぎれそうでした。持ち物がトータルで18kgくらいあったので。

ユウ:以前提供を受けていたノートパソコンは17インチだったので、これが15インチになったのも持ち運びに嬉しい要素ですね。

ノビ:……今の発言も俺が言ったことにしといてください(笑)。

▲ノビ選手のバッグ、右肩にかかるショルダーベルト、根元が今にもちぎれそう!?


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前編はここまで。EVO JAPANで有名になったパキスタンのプレイヤーや、それぞれの今年の目標などについては、後編に続く。

■関連リンク
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鉄拳オフィシャルサイト
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TEKKEN World Tour
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