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『LoL』MSI 2019直前! 世界のSpring Splitを振り返る【北米・欧州・韓国編】

目次
  1. 【北米リーグ】NA LCSからLCSへ。新顔の選手たちがチームを盛り立てる
    1. ただ一つのLCS、新体制2年目の戦い
    2. 新たなプレイヤーの躍進
    3. 一線で戦い続けることの難しさ
  2. 【欧州リーグ】フランチャイズ化を経たLEC。新環境での競争やいかに
    1. 欧州を彩った強者たちの帰還
    2. 期待がかかったスーパーチームたちの行方
    3. 新規チームの明暗、新たな才能の出現
  3. 【韓国リーグ】新チームが台頭するLCK。古豪の底力が問われる
    1. 凱旋する王者
    2. LCKに流れる新たな血
    3. 苦境に立たされたかつての強豪たち
  4. まとめ・各地で進行する世代交代
リーグ・オブ・レジェンド(LoL)』世界各地のプロリーグは1~4月に繰り広げられる春スプリットを終え、いよいよ春夏間国際大会「Mid-Season Invitational(MSI)」が始まろうとしている。メジャーリージョン(*)では2019シーズン開始に先駆けて、リーグそのもののシステム刷新や新チームの参入、有名選手の地域間移籍といった大きな動きが見られた。

MSIは世界大会に比べると小規模な大会であるものの、各地域の独自性を重要視する『LoL』プロシーンでは国際試合の機会は非常に限られているため、地域間の力比べという意義は非常に大きい。では、この春の各地リーグではどのような戦いが繰り広げられたのだろうか? メジャーリージョンの一角である北米(LCS)、欧州(LEC)、韓国(LCK)の3地域が、この春スプリットにどのように展開していたかを見ていこう。

(*)メジャーリージョン:シーズン総決算となる世界大会「World Championship」に3チームの参加枠を持つ地域のこと。2019シーズンでは北米・欧州・韓国・中国・LMS(香港・マカオ・台湾)の5地域。五大リーグとも。この5つ以外の地域は国際大会への出場枠が基本的に1チームであり、「マイナーリージョン」と呼ばれる。

【北米リーグ】NA LCSからLCSへ。新顔の選手たちがチームを盛り立てる

▲セントルイスを舞台に激しい戦いが繰り広げられたLCSプレイオフ。会場には多くの観客が詰めかけた

■レギュラーシーズン結果
1位 Team Liquid(14勝4敗)
2位 Cloud9(14勝4敗)
3位 Team SoloMid(13勝5敗)
4位 FlyQuest(9勝9敗)
5位 Golden Guardians(9勝9敗)
6位 Echo Fox(8勝10敗)
7位 Counter Logic Gaming(7勝11敗)
8位 OpTic Gaming(7勝11敗)
9位 Clutch Gaming(5勝13敗)
10位 100 Thieves(4勝14敗)

■プレイオフ結果
優勝 Team Liquid
準優勝 Team SoloMid
3位 Cloud9、FlyQuest
5~6位 Echo Fox、Golden Guardians

ただ一つのLCS、新体制2年目の戦い

▲トルコ出身のトップレーナーBroken Blade選手、さまざまな北米チームを渡り歩いたサポートSmoothie選手といった新規加入プレイヤーたちが躍進の鍵となったTSM

フランチャイズ制へと移行し、2年目を迎えた北米リーグ。欧州がLECへと名称を変えたことにより、こちらも「LCS」にリブランドし、新たなシーズンを迎えている。この新スプリットにおいても圧倒的な力を見せたのはTeam Liquid(TL)だった。昨年から経験豊富なプレイヤーを揃えていたTLだったが、今シーズンはさらにCoreJJ選手、Jensen選手を迎え入れて万全の態勢でシーズンを戦い抜いた。このTLに続いたのは、同様に新体制下で昨年は大胆なチーム作りを見事に成功させたCloud9(C9)。さらに昨年は不振に終わったTeam SoloMid(TSM)が見事な復活を遂げ、トップ争いに加わる形となった。

新たなプレイヤーの躍進

▲春スプリットの新人賞を受賞したFlyQuestのトップレーナー、V1per選手(写真最奥)

昨年から成果を出しているTL・C9、復活した古豪のTSMに続いて上がってきたのはなんとFlyQuest(FLY)だ。このチームはLCS参戦以来5~8位と、中堅から下位のあたりに位置するチームだった。しかし今春は、昨年好調だった新規参戦チームたちや復権を計るCounter Logic Gaming(CLG)、同時期に一部リーグに参加したEcho Fox(EF)といったライバルたちに差をつけて、大きく順位を上げてきたのだ。

その秘訣は昨年のC9を参考にしたことにある。昨年躍進したC9が採っていた、アカデミーチーム上がりのホープ2人を、ベテラン3人で支えるシステム。FLYのベテランはいずれもLCS優勝経験をもつ熟練のプレイヤーで、その安定した基盤の上でプレイした若手が、期待されたとおりに活躍を見せた。トップレーナーのV1per選手は今シーズンの最優秀新人賞を獲得し、プレイオフでもTL相手に敗れこそしたものの、見事なプレイを披露していた。地元のタレントを育てるというアカデミーリーグの役割が機能した好例と言えるだろう。

一線で戦い続けることの難しさ

▲今シーズンから100Tへ移籍したBang選手は、韓国チームSKTにて通算2回の世界大会優勝経験を持ち、『LoL』競技シーンのファンなら知らない人間はいないワールドクラスの選手だ

TSMの復活や、FLYの躍進があれば、当然その反対側には昨年ほど結果を出せていないチームというのも存在する。昨年の世界大会に出場した100 Thieves(100T)や、プレイオフでTSMに引導を渡したClutch Gaming(CG)、さらにOptic Gaming(OPT)といったチームは、いずれも今シーズン開幕前に大型補強を行った。しかし、いずれのチームもプレイオフ進出を逃してしまっている。実績あるプレイヤーたちを招聘した補強とはいえ、チームとしてまとまりのある強さに仕上げる時間はなかったのだろう。

もちろん、夏に向けてチームを仕上げることができれば、世界大会出場の可能性は十分残っている。新天地に居を移した名プレイヤーたちによる、丁々発止の試合を期待しているファンは多いはずだ。

【欧州リーグ】フランチャイズ化を経たLEC。新環境での競争やいかに

▲試合後インタビューでのG2のPerkz選手とCaps選手。チームメイトとしての関係はすこぶる良好なようだ

■レギュラーシーズン結果
1位 G2 Esports(13勝5敗)
2位 Origen(12勝6敗)
3位 Fnatic(11勝7敗)
4位 Splyce(11勝7敗)
5位 Team Vitality(10勝8敗)
6位 SK Gaming(9勝9敗)
7位 FC Schalke 04(9勝9敗)
8位 Misfits Gaming(8勝10敗)
9位 Excel Esports(5勝13敗)
10位 Rogue(2勝16敗)

■プレイオフ結果
優勝 G2 Esports
準優勝 Origen
3位 Fnatic
4位 Splyce
5~6位 Team Vitality、SK Gaming

欧州を彩った強者たちの帰還

▲長年コンビを組んだZven選手と別れ、北米から古巣のOrigenへと帰還したMithy選手

EU LCSからLECへと装いを新たにした欧州リーグ。なんといっても注目されたのはフランチャイズ化に伴って1部リーグへと戻ってきたSK Gaming、そしてOrigenだろう。いずれもEU LCSの競争激化に伴い一度はEU LCSから降格したものの、今回のフランチャイズ化とそれに伴う増資を受けて再び欧州リーグへと帰ってきた。復帰とは言うものの、組織としては実質的には新規の組織であり、期待と不安が半々というのがかつてのファンの正直な感想だっただろう。

しかしフタを開けてみれば、両チームとも1スプリット目としては申し分のない戦績でプレイオフ進出を果たしている。Origenに至ってはG2にこそ敗れたものの、Fnaticを破ってプレイオフ2位達成という破格の結果を勝ち取った。G2が欧州の舞台で躍進していた2016~2017シーズンの頃のOrigenは、チーム創設者であるxPeke氏が選手を退いて当初の勢いを失っていた時期だった。今回の決勝戦は欧州にその名を残すプレイヤーが創立した2チームが、並び立つ強豪として覇を競う形をついに欧州リーグのファンに見せることができたともいえる。

期待がかかったスーパーチームたちの行方

▲ボットレーナーのHans Sama選手を旗印とし、ベテラントップレーナーのsOAZ選手、ワールドクラスの韓国人サポートGorillA選手、北米より帰還したミッドFebiven選手を擁するMisfits。ジャングラーであるMaxlore選手(写真)もオフシーズンに3年間の契約延長を行った

今シーズンからLECはフランチャイズ方式へと変更されたため、チームによってはスター選手をずらりと並べたスーパーチームとなった組織も見られた。昨年世界大会での活躍したメンバーに加え、Fnaticの中心選手だったCaps選手を新たに加えたG2や、FnaticからsOAZ選手を、韓国からGorillA選手を獲得し、大型補強を実施したMisfitsなどがその例にあたる。

G2はPerkz選手のロール変更が話題になったが、いざシーズンが始まると圧倒的な強さで他のチームを寄せ付けずプレイオフも制覇し、初代LEC王者の栄冠をもぎ取った。一方でMisfitsは序盤こそ調子よく勝利を挙げていたものの、他チームの仕上がりに対して後れを取り、最終的にプレイオフ進出を逃す結果となってしまった。春の結果は芳しくなかったが、個々の力量は申し分ないメンバーが揃っているMisfits。夏にはさらに洗練されたチームとしてのカムバックを期待したい。

新規チームの明暗、新たな才能の出現

▲当初はLEC参加不可と発表していたが、増資によって再参戦を果たしたSplyce。コーチによると、選手やスタッフの再招集にはかなり苦労したという

LECは新体制への移行に伴って新たに4組織が参戦した。さらには撤退したチームの解散や、各チーム間での選手の移籍により、EU LCS時代からのチームでもメンバーが変わったり、新人選手がスターティングメンバーに加わったりしている。

欧州は以前からも北米からの引き抜きなどで選手の入れ替わりが激しく、各シーズンごとに新人の活躍やチームとしての仕上がりに注目が集まるリーグだった。今シーズンはチームでいえばOrigenやSKが期待以上の活躍を見せた。Caps選手が移籍した後のFnaticは序盤こそ苦しかったものの、スプリット後半は強力なチームへと仕上がっていた。他にも新人ミッドレーナーのHumanoid選手を擁するSplyceは、LEC参戦にあたってメンバーを完全に刷新したものの良好な結果をつかみ取り、プレイオフ進出を果たしている。

一方でRogueのように経験者が多くとも苦しんだり、新人のAbbedagge選手を徹底的に狙われるようになって後半戦は苦しんだSchalke 04など、スプリットを通しての戦いに課題が残ったチームも見られた。今年からは降格が無いため、春に伸びなかったチームであっても、夏スプリットの成績を足せば世界大会出場を目指すことも十分可能になっている。それぞれのチームの今後に注目だ。

【韓国リーグ】新チームが台頭するLCK。古豪の底力が問われる

▲プレイオフ決勝後、ファンに向けてサムズアップするFaker選手

■レギュラーシーズン結果
1位 Griffin(15勝3敗)
2位 SK Telecom T1(14勝4敗)
3位 Kingzone DragonX(13勝5敗)
4位 DAMWON Gaming(13勝5敗)
5位 SANDBOX Gaming(11勝7敗)
6位 Hanwha Life Esports(9勝9敗)
7位 Gen.G(5勝13敗)
8位 Afreeca Freecs(5勝13敗)
9位 KT Rolster(4勝14敗)
10位 Jin Air Green Wings(1勝17敗)

■プレイオフ結果
優勝 SK Telecom T1
準優勝 Griffin
3位 Kingzone DragonX
4位 DAMWON Gaming
5位 SANDBOX Gaming

凱旋する王者

▲選手のラインナップ補強だけでなく、元Afreeca FreecsのZefaコーチを迎え入れることでドラフト戦略面をも強化したSKT

昨年の夏シーズン、圧倒的な強さを見せて世界中の注目を集めたGriffin(GRF)。その陰で苦戦を続け、プレイオフ進出を逃してしまっていたのがSKTだった。2019シーズンを迎えるにあたってFaker選手を除く全メンバーを入れ替え、ドリームチームと呼ばれるに足るラインナップで今シーズンを迎えたSKTは、レギュラーシーズンこそあと一歩でGRFを止めるには至らなかったものの、期待通りの強さを見せて2位でプレイオフ進出を決めた。そしてプレイオフにおいて、ドリームチームは圧倒的な強さを見せることとなった。

特にFaker選手は「不死の魔王」と称されたその力を発揮し、準決勝ではKingzone、決勝ではGRFを相手に「ここを決めれば反撃のチャンス」と思われるようなシーンをことごとくねじ伏せていったのだ。終わってみれば、強さの象徴と呼ばれるに相応しい姿で王座へと凱旋したのはSKT T1だった。

なお、SKTは春スプリット中にリブランドが発表され、今後「T1」と名称が変わるため、SKTの名を冠して戦う最後のシーズンに有終の美を飾ることができたともいえる。

LCKに流れる新たな血

▲SBとDWGは昇格直後のスプリットで上位に入り、プレイオフ進出を果たした新進気鋭の2チームだ

昨年昇格してから2シーズン目でその活躍を大いに期待されたGRF以外にも、今年はLCKに新たに参加した2チームが注目を浴びた。昇格したばかりのチームが迎える1スプリット目は環境の違いなどへの直面、いわゆる「1部の洗礼」により苦戦し、あるいは降格してしまうことが多い。

しかし今シーズンから新しく加わったSANDBOX(SB)・Damwon(DWG)の両チームは、この流れに当てはまらない素晴らしいパフォーマンスを見せた。もちろんゲームバランスの変化や他チームの仕上がりによって順位は変動していったものの、初参戦のスプリットでプレイオフ参加をもぎ取ったのだから、大躍進と言ってもいいだろう。夏に向けてライバルたちも力を蓄えてくるだろうが、今後の戦いぶりに大いに期待したいところだ。

苦境に立たされたかつての強豪たち

▲チーム史上初の入替戦行きとなってしまったKT

この春は、SKTやGRFが期待された通りの活躍を見せ、新参戦チームのSB・DWGが躍進して大いに視聴者を湧かせた。一方で彼らの躍進の反対側には、昨年までの輝きを失ってしまったチームの苦闘もまた存在する。

昨年世界大会にLCK代表として出場していたGen.G・Afreeca・KTの3チームは、再建を果たしたSKT・KZや、勢いのある昇格チームたちに後塵を拝する形となり、下位に甘んじる形でレギュラーシーズンを終えている。いずれのチームも得意な戦術を持っているものの、それを抑えられた時の手札という点では苦しさが見えたこの春。だが夏には何らかの補強や戦術の研究を行って戻ってくるはずだと信じたい。

まとめ・各地で進行する世代交代

今年で9年目を迎える『LoL』プロシーン。世界大会2013におけるSKTの優勝を「小学生の時分に見ていてプロを志した」というような世代が、ここ1~2年で若手としてデビューしてきている。

例えばLCKではGRFのChovy選手や、SKTのClid選手。LECならHumanoid選手、Nemesis選手。LPLであればなんといってもJackyLove選手。FWのHanabi選手もロースターが大きく入れ替わったチームの看板選手となった。

各地リーグでの激しい戦いをくぐりぬけてMSIへと出場する若手たちがどのような戦いを見せてくれるのか。そして夏以降の展開も楽しみである。

記事内画像出典:LoL Esports Flickr(LCS・LEC)、LCK Flickr(LCK)

執筆:山口佐和子
執筆協力:ユラガワ

■関連リンク
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