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【プロゲーマー・gappo3のメタゲームへの適応力】第1回 『オーバーウォッチ』のメタゲーム適応の難しさ

BLIZZARD ENTERTAINMENTのアクションシューティングゲーム『オーバーウォッチ』は2016年5月のOpen Beta期間を皮切りに、全世界へと発信された。そこから現在(2017年2月)までの約9か月間、同社は『オーバーウォッチ』に対してかなりの頻度でアップデートを重ねてきたと言える。数えきれないほどのアップデートはその都度戦場を変化させ、プレイヤーに対してメタゲーム(メタ=安定した勝利が得られる主流のチーム構成・戦略、個人の立ち回り)への適応を余儀なくさせた。ちなみにClosed Betaを含めると、その期間は約1年半となる。

"メタゲームへの適応"というテーマは国内外問わず、多くのチームにとって死活問題である(これは定型文による無難な表現ではない。"メタゲームへの適応"はチームの存続に直結するほど重要なテーマであり、数えきれないほど多くのチームがメタに適応できず破綻してきた)。それまで戦績の振るわなかったチームが、アップデートを機に頭角を現し、世界の覇者となる。また逆に世界の頂点に立っていたチームがアップデートを境に、頂点どころかTop3から転げ落ち、世界戦にすら顔を出さなくなる。「Cloud9」「Rogue」「EnVyUs」などのチームを思い出していただければ、いかにメタがチームの興隆を決定付けているか分かると思う。もちろん国内の競技シーンも同様だ。


今でも覚えている。初期の『オーバーウォッチ』では、プロのプレイに関する話題はゲームチーム「Cloud9」が独占しており、他のDPSに対する論議はまるで霧か霞かのようにうっすらとしか存在していなかった。冗談のように聞こえるかもしれないが、実際にそのような時期が確かに存在していた。それが今やどうだろうか。話題の中心は「EnVyUs」や「Rogue」となっている。

また選手に対する評価もメタの時節によって目まぐるしく変化する。例えば「EnVyUs」のC氏は自分のお気に入りの選手であり、多くを学ばせてもらっている。彼は『オーバーウォッチ』のOpen Betaの時から信じられないほど安定しており、現在でも間違いなく世界トップレベルのラインハルトプレイヤーである。自分は約9か月間に渡って彼を見続けてきたが、彼が目に見えてプレイが下手と感じた時期も、目に見えて上手くなった時期も存在せず、ずっと安定して高水準な防御的ハルトをこなしてきた。


だが彼への評価は時期によっていくらか上下している。特に攻撃的ハルトが目立っていた時期では、彼に対する評価は少し低かったように思われる。個人の能力としては優秀であり、敵ハルトと比較しても堅実で安定性があるにも関わらず、何故か評価が低い時期があったのだ。しかしその攻撃的ハルトの強みが少しずつ消えてきた辺りから、彼の評価は再度上がりはじめた。もちろん彼自身の力量に大きな変化があったわけではない。

これこそがメタである。そしてチームの“メタゲームへの適応”である。ゴリラが強い時期、防御的ラインハルトが強い時期、攻撃的ラインハルトが強い時期。メインタンクだけでも様々なメタの変遷が存在している。これが全てのロール、全てのキャラに存在し、チームの方針に影響を与えているのだ。


その時々のメタに適応するには、想像を遥かに超えた労苦を必要とする(他に運も絡んでくるだろう)。また必死の思いで現メタに適応した先には、次世代のメタが待ち受けている。現メタに対応するだけでは砂上の楼閣なのだ。メタによるブレを抑え、チームとしての安定性を手に入れるにはどうすればいいのだろうか?

ここで「Green Leaves(以後GLと表記)」というチームの特徴を軽く紹介しておく。日本国内の『オーバーウォッチ』シーンにおいて、GLは最多の試合数・最長レベルのチーム結成歴を誇っており、同時期に結成されたチームがことごとく解散や合併、メンバー総入れ替えの憂き目にあっているなか、現在も競技シーンの最前線に立ち続けている“一風変わった息の長いチーム”である。そのようなチームなので、安定性というワードに対してはそれなりに敏感だ。

『オーバーウォッチ』リリースから現在までの9か月間を競技シーンの真っただ中で過ごし続けてきて、そこから得た『オーバーウォッチ』のメタに対する私見を、経験則を交えて書いていきたいと思う。今回は第1回としてメタに対するあらましのみを書かせてもらった。次回からは具体的な内容に触れていく予定だ。

この記事はGLのメインタンクgappo3が担当する。いち競技プレイヤーとして得た競技的思考、競技的知識などを出来うる限り共有していきたいと思う。競技シーンを知るプレイヤーはもちろん、そのようなシーンを知らない人にとってもある程度読みやすい形にしていくつもりなので、肩肘張らずに読んでいただけたら幸いだ。

■【プロゲーマー・gappo3のメタゲームへの適応力】
第2回 『オーバーウォッチ』はメタの変化に左右されない「アルティメット」を使いこなせ
第3回 『オーバーウォッチ』におけるマップ理解度の重要性
第4回 『オーバーウォッチ』における良質なコミュニケーションとは

■gappo3選手のプロフィール

創設メンバーにして優れた戦術家。常に各国の試合を研究する分析家であり、敵の視線の動きから導く独自の判断基準と、卓越した洞察力を持ち合わせている。タンクプレイヤーとしてこれまでに多くの最善手を打ち出し、何度もチームを窮地から救い出してきた。リーダーNoanoa曰く「Green Leavesの精神的支柱」と言うほど、メンバーの誰からも頼られ慕われているもう一人のリーダー。

(C) 2017 Blizzard Entertainment, Inc. All rights reserved. Overwatch and the Overwatch logo are trademarks and Blizzard Entertainment is a trademark or registered trademark of Blizzard Entertainment, Inc. in the U.S and/or other countries.

■関連リンク
gappo3選手のTwitter
https://twitter.com/gappo3gappo3
Green Leaves
http://green-leaves.net/
BLIZZARD ENTERTAINMENT
http://us.blizzard.com/en-us/
『オーバーウォッチ』
http://www.jp.square-enix.com/overwatch/