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野良連合がベスト4に進出した激闘の1週間とは?「Six Invitational 2019」観戦レポート

2019年2月11日から2月17日までの約1週間にわたって開催された「Six Invitational 2019」(以下、「SI 2019」)。カナダのモントリオールで行われたこのイベントは、発売から3年目を迎えたユービーアイソフトFPS『レインボーシックス シージ(R6S)』の大規模な世界大会である。日本のeスポーツチーム「野良連合」を含めた合計16チームが参加し、『R6S』における世界1位の座を巡って激闘を繰り広げた。ピーク時には5万人以上のユーザーがオンラインで視聴していたこともあり、全日程を通して非常に多くの人たちから注目された大会だったと言えるだろう。

本稿では、グループステージ突破をかけた試合、およびプレイオフ(優勝決定戦)における野良連合に焦点を当てた「SI 2019」の観戦レポートをお届けする。大会終了からしばらく経つが、日本発のeスポーツチームが見せた功績をもう一度噛みしめて頂ければ幸いだ。

※本文中に登場する各チームの選手はゲーム内のIDを記載しています。

野良連合 vs PENTA Sports(グループステージ3回戦)

本大会における野良連合の目前にそびえたった最初の壁。それは、「SI 2019」の本選出場をかけたグループステージ3回戦だ。と言うのも、野良連合はこの時点で1勝1敗となっており、この3回戦で勝利しなければグループステージを2位で通過することはできない。くしくも相手は1回戦で矛を交えたEU地域の強豪「PENTA Sports」(以下、PENTA)。勝利の女神が一体どちらに微笑むのか。試合開始前に予想できた人間はさほど多くなかっただろう。

▲2階ウォークインで魅せたMerieux選手の2連続キル

試合序盤となる1stマップの「オレゴン」は、PENTAのピックマップということもあり、野良連合に対して多彩な戦術を披露していたように思う。誰かが倒されても即座にカバーできるよう正確な射線を組んだかと思えば、マンパワーでラッシュを仕掛ける大胆なプレイングも展開されたからだ。

かと言って野良連合も押されっぱなしだったわけではなく、攻撃側のPENTAへ逆にラッシュを試みて2キルを計上したMerieux選手や、残り時間の少ない中で起こしたPapiliq選手のファインプレーなど、手数の多いPENTAに屈せず対抗する粘り強さが感じられた。そしてこの土壇場で粘るプレイスタイルが、グループステージ3回戦の勝敗を決定づけることになる。

2ndマップは、4つの防衛拠点が存在する「海岸線」。やや防衛有利なマップを舞台に、攻撃側の野良連合は3-3で攻守逆転の折り返しに持ち込む。防衛側に移った後もその粘りの姿勢を崩すことなく守りを成功させ、1階バーのカウンター裏に潜伏するWokka選手の4連続キルも飛び出した。結果として2ndマップは野良連合が勝利。試合の行方は3rdマップまで持ち越しとなる。

3rdマップに選ばれた「国境」は、日本の『R6S』チームが得意とする場所だ。野良連合も例外ではなく、2階武器庫を守るPENTAを前に、メンバー間で攻撃ルートを交互に変えながら揺さぶりをかける。ルート変更に対して修正を試みるPENTA側だったが、設置を止められずにラウンドを落とす。この勢いをそのままに、野良連合は7点を奪取し、グループステージ3回戦を逆転勝利で突破。悲願のプレイオフ、つまり本戦出場を達成した。

▲プレイオフ出場が決まり抱擁を交わす野良連合のメンバー

野良連合 vs FNATIC(プレイオフ準々決勝)

グループステージを勝ち抜いた8チームが互いにぶつかり合うトーナメント形式のプレイオフは、「SI 2019」の最大の見どころと言っても過言ではない。なぜなら、この本戦で3回勝ち抜いたチームにだけ、輝かしい世界1位の座に立つことを許されるのであり、当然、勝利を収めることはグループステージ以上に難しくなるからだ。ここからは、世界の猛者を前に見事な戦いを演じてくれた野良連合の準々決勝と準決勝を振り返ってみよう。

プレイオフ初戦の相手は、同じAPAC地域からの出場となる「Fnatic」。オーストラリアのeスポーツチームで、これまで何度もスクリム(練習試合)をこなした盟友ということもあり、PENTA戦と同様、互いの戦術の読み合いから生じる接戦が予想された。

▲メイン階段でほふく状態のままスモークを展開するWokka選手

1stマップの「銀行」の戦いは、Fnaticの1点先取から始まった。機材トラブルの影響で2度の試合中断に見舞われるも、野良連合はWokka選手を中心とした奇策とも思える2階攻めで点を返す。対するFnaticも、徹底した射線確保を見せたRizRaz選手を筆頭に、堅実な守りで地下拠点を死守。

両チームともに1歩も引けを取らぬまま得点を重ねると、試合はオーバータイムに突入。攻守変更後も地下拠点で圧倒的な強さを誇るFnaticに野良連合は苦しめられるが、2階CEOオフィス攻撃を成功させると、最後は地下でのプラント(ボム設置)をしっかり決めて勝利した。

▲針の穴を通すような射線で野良連合を苦しめたRizRaz選手

準々決勝の突破がかかる2ndマップは「ヴィラ」。この戦いを端的に表すなら、「勢い」が最適かもしれない。それほどまでに1stマップを制した野良連合の勢いはすさまじく、防衛でFnaticに攻撃を許さない立ち回り方を構築すると共に、不用意に射線を覗かない忍耐力で耐えしのいだ。

6-1で迎えたマッチポイント時は、プラントを援護するWokka選手のモンターニュがシールドで部屋の入口を塞ぎ、攻めあぐねたFnaticのVirtue選手の侵入を許さずに試合終了。ヴィラでの戦いを制した野良連合は、APAC地域の強者Fnaticを倒して準決勝に駒を進めた。

野良連合 vs Team Empire(プレイオフ準決勝)

プレイオフ決勝まであと1歩のところまで勝ち上がった野良連合だが、勢いを保ったまま勝利を重ねられるほど甘くないのが世界大会。

勝てばファイナル進出となる決勝戦で激突したのは、EU予選を1位で通過したロシアの「Team Empire(以下、Empire)」。予選から本戦まで数多くのプレイヤーキルを叩き出したJoyStiCk選手が所属する新進気鋭のチームで、柔軟な対応力に加え、エイム力で戦況を切り開くマンパワーも併せ持っている。各方面の予想通り、準決勝戦でもその秘めたポテンシャルを野良連合に向けていかんなく押し出してきた。1stマップの「領事館」では、Empireの戦法にあらかじめ対策を立てていた野良連合が勝利したが……。

▲解除を阻止したかったReyCyil選手だがギリギリで間に合わず

2ndマップの「銀行」になると、今度はEmpireの対応力に野良連合が苦しめられる。2階、1階、地下と攻撃を試みるが、1階と地下はEmpireの防衛力にあと1歩およばない。4点リードで早々に折り返すと、2階拠点を連続で制圧。野良連合の戦法に対策を講じたEmpireが勝利を飾る。

▲フラッシュバンを投げ込み強気に攻め込むJoyStiCk選手

文字通り運命の分かれ道となった3rdマップの海岸線。両チームともこの局面が踏ん張りどころとなる中、野良連合は攻撃側で2点を獲得し、Empireにリードを許すも何とかくらいつく。このまま防衛で同点に並びたいところだったが、臨機応変な対応力と撃ち合いの強さを兼ね備えたEmpireを止められず。ここで野良連合は決勝進出を決めたEmpireの前に惜しくも敗退となった。

まとめ

「SI 2019」は『R6S』シーンで圧倒的な存在感を放つG2 Esportsが野良連合を破ったTeam Empireを破って優勝となり、野良連合は世界ベスト4にランクイン、最終的に約1700万円の賞金を獲得した。

大げさかもしれないが、この功績は日本のeスポーツ史に残る出来事だと筆者は考える。加えて、プロリーグシーズン8でのベスト4から続く野良連合の活躍、本大会における各チームの悲喜こもごも、そして会場で大いに賑わう観戦者を目の当たりにし、今後のeスポーツシーンが今まで以上に発展するであろう可能性を感じた。

世界大会は閉幕したが、Year4に移行すると共に新たなeスポーツイベントの開催が決定されている『R6S』。普段はゲームプレイがメインであまり観戦しないユーザーや「今までeスポーツの試合を観戦したことがない」というビギナーも、ぜひ一度プロゲーマーたちが織り成す熱い戦いを見てもらいたい。

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■関連リンク
レインボーシックス シージ ESPORTS(Six Invitational 2019の大会動画あり)
https://www.youtube.com/channel/UC67gYd3-k37yrn5nISYxZzg/featured
野良連合
https://www.norarengou.com/
ユービーアイソフト
http://www.ubisoft.co.jp/
『レインボーシックス シージ』
http://www.ubisoft.co.jp/r6s/