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「日本人が世界のeスポーツで活躍できる、という夢を見せたい!」野良連合オーナー・kizoku氏インタビュー

目次
  1. 「野良連合」設立からの目標。参考にしたのはプロレス!?
  2. PS4版『R6S』からPC版へ移行した理由
  3. プロゲーミングチームのオーナーの仕事とは?
  4. ゲーミングハウスとアナリストが野良連合を変えた
  5. プロゲーマーになるために、社会人としての経験を
  6. 『R6S』の世界と日本の差はそれほど大きくない
  7. 企業にはもっと日本のeスポーツに投資してほしい
  8. 海外で日本チームが活躍することで、ゲーマーに夢を!
レインボーシックス シージ(R6S)』では国内最強となり、ついにアジア大会で優勝、世界大会では準決勝に進出しベスト4と、一気に世界トップクラスまで上り詰めたプロゲーミングチーム「野良連合」。

彼らが戦うシーンのすぐ後ろ、いつもコーチとして立っている人こそが、自身も『R6S』で活躍したプレイヤーであり、「野良連合」のオーナーでもあるkizoku氏だ。どんな思いでチームを立ち上げ、どのような練習でチームを強くしていったのか、そして、チームオーナーとして見据える日本のeスポーツの未来像とは? 野良連合の今後の目標なども含めて、いま日本で最も注目されるプロゲーミングチームの実態について、じっくり語っていただいた。

左から、Merieux選手、kizoku氏、ReyCyil選手、Wokka選手、パピリア選手

「野良連合」設立からの目標。参考にしたのはプロレス!?

――kizokuさんご自身もゲーマー出身なんですよね?

kizoku:はい、もともとはただのゲーマーです。今でこそ対戦格闘ゲームもeスポーツにカテゴライズされていますが、昔はゲームセンターで『ザ・キング・オブ・ファイターズ』シリーズや『CAPCOM VS. SNK』の大会によく出てました。世代的にはときど選手と一緒です。制覇したことはないんですけど(笑)。

――チームを作った段階では、趣味として始められた感じだったんですか?

kizoku:趣味の延長上、ですかね。そこでビジネスにしていこうとは思っていませんでした。プロゲーミングチームのオーナーはそのチーム(会社)だけをやっている場合も多いようですが、僕は会社を7つやっているので、eスポーツだけでビジネスしなくてもご飯は食べていけます。なので、最初は趣味の延長でも大丈夫かなという感じでした。

もちろん、どうやったら日本でeスポーツが流行るだろう? っていう目線はありました。テニスの人口が増えたのは錦織圭選手が活躍したおかげですし、ゴルフの場合は石川遼選手でしたし。世界で活躍する日本人選手が増えればプレイ人口が増えるんですよね。

世界で活躍する日本人にメディアが集まって報じられるようになるっていう仕組みが出来上がっているので、これはeスポーツも一緒だろう、と。

――「野良連合」というチームはどのように結成されたのでしょうか?

kizoku:僕自身はスポーツが大好きで、総合格闘技やフットサルの社会人リーグをやっていた経験がありました。また、広告代理店でサラリーマンを務めていたことからスポーツマーケティングを理解している部分がありまして。野良連合を立ち上げた2016年当時、言葉としての「eスポーツ」はありましたが、メディアに出るようなことはあまりなかったんですよね。

――eスポーツタイトルの中でも『R6S』を選ばれた理由は?

kizoku:『R6S』は発売日に買って遊んだんですけど、「このゲームなら日本一のチームを作ることができるな」と直感で思ったんです。頭を使うゲームは好きですし、将棋とか囲碁も好きなので、自分に向いていると思いました。

PS4版『R6S』からPC版へ移行した理由

――最初はPS4版の大会へ参加しました。

kizoku:いきなりPC版に参入しても長年やっているチームに負けるなと思い、どうやったら「面白く盛り上がるか」と考えて……。

「PS4版のチャンピオンがPC版に殴り込んで、PC版のチャンピオンを倒したら面白いんじゃないか」

ということを思いつきました。もともとPC版に行く予定があったのですが、それは隠したうえで、あえてPS4版に参戦してそこからPC版へ進出、というストーリーを描いたんです。

この流れはプロレスを参考にしました。かつてアントニオ猪木さんが柔道や空手、ボクシングの現役選手相手に異種格闘技戦を行ったじゃないですか。当時、空前の盛り上がりだったと思うのですが、あれをeスポーツでもやりたかったんですよ。

ゲームは同じですが、プラットフォームが違うチームが乗り込んでくるっていうのは、そういう盛り上がりを作ることができるかな、って。

野良連合の立ち上げ当時は、PS4版のオフライン大会が3つあったんですけど、結果的にそれら全部で優勝しました。しかも無敗のチャンピオンだったので、これで心置きなくPC版に行けるぞ、と。最初に描いたとおりの展開になりました。

▲PS4版『R6S』で「野良連合」の名前は一躍有名に

――PS4版からPC版への移行はスムーズにいったのでしょうか?

kizoku:日本の場合、PCと家庭用ゲーム機のユーザー同士が嫌い合っている印象があるので、いい意味で盛り上がりましたねー。PC勢は「ゲームパッドFPS?(笑)」みたいな感じだし、PS4勢は「いやいや、PCって人口が少ないからトップとか言ってるだけでしょ? PS4のほうが人口が多いからレベル高いよ」みたいな。

でも、PS4版からPC版に移った当初はボコボコにされました。何が足りないかも見えましたし、「PC版のレベルって本当に高いんだな」と感じたんです。

「PS4版のチャンピオンがPC版に行って、そこそこの成績でした」で終わったら意味がないので、是が非でもPC版のシーンで勝たなきゃいけないということで、「oSA(One Step Ahead)」というチームのウォッカ君に「野良連合というチームに入りませんか?」というお話をさせていただきました。

彼のチームは17歳の子が多かったんですが、『R6S』の世界的な大会である「ESL Play」には18歳以上でないと出場できない。野良連合は18歳以上のメンバーを何名か抱えていたので、一緒になる意味があるということで合体したんです。

これがPC版に移行し始めたころの話で、合体してから1年半くらいは日本国内で負けなしの1位をキープできるようになりましたね。

――PS4版からPC版に殴り込むというストーリーラインは、プロレスでいうところの他団体の選手がベルトに挑戦してくるような展開ですよね。お互いに「どんなもんじゃい!」みたいな。

kizoku:2017年当時、PC版チャンピオンだった「父ノ背中」さんとやったときは視聴者数がものすごくてやばかったですね。PS4版チャンピオンとPC版チャンピオンの戦いをみんな見たいんだなって。そこで勝ったから「PS4版のチャンピオンが勝った!」と盛り上がった感じでした。

――端的に言ってコントローラーとマウス・キーボードの違いというのもあると思いますが、『R6S』の場合はシステムの違いもありますよね。最大の難しさはなんだったのでしょうか?

kizoku:システムはやっているうちに慣れるので、どちらかといえばキーボードでの操作ですよね。僕のところの選手たちはPC版からゲームを始めたというより、PS4版から移ってきた人のほうが多いので、キーボード操作に慣れるまで3カ月かかったと言ってます。

プロゲーミングチームのオーナーの仕事とは?

――2018年は日本のeスポーツ元年と言われていて、それこそ流行語にもノミネートされましたが、eスポーツチームというのがどのように運営されているかといったことは知らない人も多いと思うんですが、eスポーツチームのオーナーとは、具体的にはどういうことをされているのでしょうか?

kizoku:基本的にスポンサー集め、取材のオファー管理ですね。

――野良連合に憧れている『R6S』のプレイヤーもかなり増えたと思うのですが、kizokuさんが選手を獲得するときの基準は何かあるのでしょうか?

kizoku:まずは単純に「この選手はうまい」っていう部分ですね。サッカーに例えると「スタミナはあるけどパスの精度が悪い」「パス精度はいいけどスタミナがない」のどちらを取るかみたいな。昔は僕がスカウトしてきましたけど、PC版になってからは所属選手から「kizokuさん、あのプレイヤー取りましょうよ」って相談されることが多くなりました。

――選手とチームの間に契約期間などはあるんですか?

kizoku:あります。1年契約です。

――チームに所属すると、大会の開催地までの移動費用などに関してもチームとして面倒を見るわけですよね?

kizoku:もちろんです。野良連合では、移動費はもちろん、ゲーミングチームの家賃や光熱費を全部負担しています。天引きはしていないので、給料まるまる選手の手元にいく感じですね。

――ゲーミングチームの収益ではない部分、たとえばkizokuさんがやってらっしゃる他の事業で稼いだお金で、選手たちへの給料を払うというかたちですか?

kizoku:今のところそうですね。基本的には野良連合は、スポンサー収入と自分のマネーパワーでどうにかなっているだけで、ビジネスとしてはぜんぜん赤字ですよ。

――赤字は他の部分で補填できてるということだと思いますが、この先どうやっていくというビジョンはどうですか? このチーム単独で稼いでいくとか、育成をビジネスにするとか……。

kizoku:うちは海外にファンが多いチームだと思っているんですよ。このあいだブラジルでベスト4になったとき、現地のホテルで200~300人のファンが出待ちして、野良連合コールをやってくださって。

なので近々、うちのユニフォームなどのグッズがアメリカの会社から海外向けに発売されます。今後は野良連合モデルのDUALSHOCK4(PS4コントローラー)やマウスパッドなども販売予定です。そういったグッズ収入も視野に入れていきたいですね。今売ってるグッズってユニフォームだけなんですけど、ありがたいことに好評なのでいろいろ増やしていきたいです。

ゲーミングハウスとアナリストが野良連合を変えた

――ここからは少し、2018年の活躍について聞かせてください。2018年の「APAC」と世界大会で活躍できた理由は、ズバリ何が大きかったと思いますか?

kizoku:やっぱりゲーミングハウスにして選手みんなを1カ所に住まわせた点と、アナリストの存在ですね。

▲試合の間は選手たちのすぐ後ろで、データをもとにした分析や選手への提案を行う

――アナリストもいるんですね。

kizoku:うちには11人います。自チームと他チームを分析して、相手チームの撃ち方の癖とかを全部チェックしてます。野球を統計学的に分析して実践した本で映画にもなった『マネー・ボール』に近いですね。あれを『R6S』でやったんです。

世界大会に出場したのは3回目なんですが、どうしても世界で1勝くらいしかできない。何が足りないんだろうと思い、2018年9月に開催された「RAGE Rainbow Six Siege DREAM MATCH 2018」で戦ったG2 EsportsのSHAD0UDAS氏にアドバイスを求めたら「アナリストの存在が大事だ」と。

その話を聞いて「なるほど、野球とかサッカーと一緒だな」と思ったんです。サッカーのドイツ代表ってPKにめちゃくちゃ強いらしく、左右どっちに蹴るかを分析してある程度わかるようになってるんですよ。

それで、最初はアナリストを4人ほど雇っていたんですけど、仕事量が多いということで人数を増やしたところ、気づいたら11人になりました(笑)。

たとえばAというチームのデータを取るとなったら、11人いるので2時間後にはすべて上がってきます。癖とか押し方とか、〇〇という選手はどのオペレーターをよく使うとか。そのデータを見て僕が「この選手はこういう癖があるからこれこれこうだね」と選手たちに戦略を伝えて……。

――それが、ここ数カ月で大きく変わったところなんですね。

kizoku:そうですね。11月のグローバルファイナル準決勝で北米1位のRogueと戦ったとき、「オレゴン」のマップをピックした理由はまさにそれで、相手が苦手だということがわかっていたんです。だからRogue側が焦っているのがわかりました。今まで野良連合は「オレゴン」をピックしたことがなくて、Rogue側も「『オレゴン』をピックすることはないだろう」と思ってたらしいんですよ。

「オレゴン」って言った瞬間に「は?」みたいな顔をして、円陣を組んでめっちゃ相談してましたね。だから大差で勝てたんです。そのまえの10月に開催された「APAC」で優勝したときもそんな感じでした。

――「RAGE」が9月で「APAC」が10月なので……1カ月でそこまで仕上げたということですか?

kizoku:そうです。9月からアナリストを増やし、バーッと集めたデータを選手と共有して、ああでもないこうでもないと。

アナリストは「このデータを取ってくれ」と指示すれば、そのとおりにバッと集めてくれる感じですね。統計分析ということで、僕はもともとマーケティングのコンサルタントをやっていたこともあり、これまでの経験が活きているんですよ。まさかeスポーツに活かせるなんて当時は思っていなかったですけどね。

――kizokuさんは大会の際にも、選手たちの後ろに控えてコーチとして動かれていますよね。分析した中身から選手に指示やアドバイスをされているんですか?

kizoku:アドバイスというと語弊があるかもしれません。選手は僕よりぜんぜん上手いですし、判断能力も高いので、データを伝えながら「こうしたほうがいいんじゃない? どう思う?」と聞いて「たしかにそうですね」「これならこうしたほうがいいんじゃないですか?」という意見をもらいます。

一緒にやっているようなイメージですが、テクニカルコーチというよりはメンタルコーチとしての役割が大きいですね。自分はアスリートだったので、劣勢時にはどういうふうに声をかけたらいいのかなっていうのも、そのときの経験が活きているんです。

日本ってテクニカルコーチにこだわりがちなんですけど、オフラインの試合ではメンタルが一番大事だと思っています。オフラインってオンラインより絶対に弱くなるので。やっぱり家の環境が最強ですし、「ESL」指定のヘッドセットを使わないといけないという締めつけや、イスの高さも違いなどもあったりするんですよね。

プロゲーマーになるために、社会人としての経験を

――ここからはゲーマーになりたい子たちに向けてのお話をお聞きしたいと思います。kizokuさんから見て、プロゲーマーになるためにすべきことや、何かできることってありますか?

kizoku:みなさん仰ってると思いますが、ゲームがうまいだけではダメで、社会人的な勉強をしたほうがいいですよね。家でゲームばかりやってる子が多いので。

――これからもし雇うなら、という視点で、選手のどういうところに注目されますか?

kizoku:『R6S』に限って言えば、ランクマッチで活躍してるからといってプロになれるわけではないので、大会で活躍している選手を取りたいですよね。

それ以外であれば、SNSでの発信力がどれだけあるのか、YouTubeで配信をやってるのかという点もチェックします。プロになった場合、集客力が選手にあるのかどうかを見ているチームも多いと思いますし。

――「プロチームに入った=なんでもチーム側がやってくれる」と思っている方も多いかもしれません。実際のところはどうですか?

kizoku:うちに来てからSNSの使い方が変わった、という選手はめっちゃ多いと思います。僕はもともと企業にSNSの使い方を教えていた人間なので、そこに関してはかなりしっかり教育してますね。


――具体的にはどんなことなのでしょうか?

kizoku:スポンサーさんの迷惑になるような発言は絶対にダメですし、調子に乗ったようなイキった発言、他者を貶めるような発言などですね。

大人からすれば当たり前のことかもしれませんが、若い子はこのあたりもよくわかっていないケースもあって。

――18歳くらいの選手たちだと、社会経験がない学生レベルの子も多いと聞きます。そういったところの難しさについては、どういうふうに解決していけばいいとお考えでしょうか?

kizoku:正直に言えば、バイト経験が薄い子はだいたいどのチームも長続きしない傾向が強いと思いますね。なので、プロゲーマーとして長く生きていきたいのであれば、ゲームばっかりしているのではなく、ある程度の社会経験を積んだほうがいいです。

『R6S』の世界と日本の差はそれほど大きくない

――『R6S』は頂点まであと少しでした! ズバリ、来年こそ優勝できそうでしょうか?

kizoku:世界トップレベルを体験してみたうえで、我々と世界はそれほど差はないな、というのが率直な感想ですね。おそらく差があるのはG2 Esportsだけで、それ以外はないかなと。

G2 Esportsは『R6S』というゲームの理解度が5人全員高いので、何をすればいいのかということも共通認識でわかっています。サッカーで言うと、ゴールキーパーからのパス一本でゴールまで見えている、FCバルセロナのような戦い方、といいますか。

――日本のチームとして、野良連合はそのレベルまで到達できそうですか?

kizoku:たどり着けるかどうかわからないですが、いつかたどり着きたいですね。G2 Esportsはコアな3、4人のメンバーが2年くらいずっとやってますが、うちは今のメンバーに変わってからまだ2カ月なので、逆に変わったばっかりでよくアジアを取れたなと思います。ただ、G2 Esportsレベルまではあと1~2年はかかりそうですけど。

▲チーム同士の交流もある北米のG2 ESPORTSからも、日本の野良連合の評価は高い

――今回「APAC」に参戦した他の地域のチームも、野良連合のように最近メンバーが変わったというわけではなく、長く固定されている強豪チームもありますが、決定的に何が違ったのでしょうか? 地域性なのか、戦略性の違いなのか……。

kizoku:地域による戦い方というのもあると思います。基本的に『R6S』は作戦とか戦術の立ち回りを競うゲームなんですけど、うちの選手は世界とそんなに差がないほどエイム力が高いので。

正直、日本国内の他チームと世界を比べたら、エイムの差はまだあると思います。作戦、戦術、立ち回りは教えることができますが、エイムに関しては反射神経や動体視力といった能力やセンスなので、野良連合としては、PS4版のころからエイムのうまい選手をスカウトしてきていますね。

企業にはもっと日本のeスポーツに投資してほしい

――今年は「今度こそ本当に日本のeスポーツ元年だ」と言われていますが、日本のeスポーツの現状について、どのように感じておられますか?

kizoku:日本のeスポーツシーンを活性化させたいのであれば、チームだけではなく企業も投資してください! というのがありますね。スポンサーさんの決裁者がゲームを知らない世代ばかりなんです。担当の方とはよくお話ししていて、「応援してます」とは言ってくださるんですが、いざ資金が出るかというと、費用対効果がわからないので決済者を口説けないんですよ。

ただ、日本でも費用対効果を得られるチームもいくつもあります。共通しているのは「ストリーマーの充実」ということなんです。うちも『R6S』のイメージが強いですが、じつはストリーマー部門にも力を入れていて、全メンバーのチャンネル登録者数は合計で150万人を超えているんですよ。

――選手自身やストリーマーに発信能力があるということが、チームにとっても不可欠になってきているわけですね。

kizoku:それがあれば費用対効果は得られるんです。プロゲーミングチームにスポンサーすることで、売り上げが3倍になったという企業もあります。

とはいえ問題もあります。たとえば、ある企業がチームと契約したはいいけど、費用対効果があまり得られずに契約を切ったとしましょう。で、その後に他のチームがその企業に交渉すると「前にもスポンサーをやってたんだけど、あんまり効果が得られなかったんだよね」って、eスポーツに対して悪いイメージがついてしまっている。

どういう形のスポンサードが適切なのか、お互いによく話し合ってほしいんです。闇雲に高額なスポンサー料金を設定しても、それはwin-winにならないことが多いですし、業界全体にもよくないです。

こういう部分も含めて、自分のようなゲーミングチームのオーナーは、ちゃんと選手のことを考えて行動しなければならないと思っています。僕は他にも企業を運営しているから言えますが、eスポーツチームだけで会社をやっていくのはかなり難しいんですよ。資金繰りは大変だと思います。でも、お金はないけど選手は欲しいというとき、「給料15万円出すから」と言って獲得し、実際にはあれこれ理由をつけて5万円しか払わない……。実際にこういうことが起こっているという事実を、選手から聞きました。オーナーの責務として、選手が安心してゲームに集中できる環境をキチンと作っていかないといけませんね。


海外で日本チームが活躍することで、ゲーマーに夢を!

――先日「eSports Conference」のトークショーを伺ったのですが、「野良連合の海外支部を作った」という話をお聞きしました。

kizoku:はい、UEFAチャンピオンズリーグのeスポーツに参戦しようと思ってます。サッカーゲームの『FIFA』シリーズです。FCバルセロナやASローマをやっつけたいなと(笑)。


――実際に活動は始まっているんですか?

kizoku:「野良連合EU」という感じで、今は予選を戦っているところですね。

――海外でチームを作っている事例は、日本ではあまりないと思いますが、大変な部分についてはどうでしょうか?

kizoku:当然選手は外国人なので、日本的な慣習が通じないっていうのがありますが、今のところはそんなに苦労してないですね。

――これはこれで大きくしていこうと?

kizoku:もちろんです。今は『FIFA』しかないですけど、今後はどんどん大きくしていきたいなと。アメリカにもあったらいいかなと考えてます。

世界的なゲーミングチームって、各国にゲーミングハウスがあるじゃないですか。うちもああいうのをやっていきたいですね。スポンサーに関しても日本企業だけにこだわってはいませんし。

――『R6S』の「野良連合EU」チームができたり?

kizoku:そうですね。ただ、FPSについては日本から世界に進出したいんですよ。たとえば外国人選手を雇って「野良連合アメリカ」で優勝したとして、「野良連合、すごい!」となっても「でも外国人じゃん」となってしまうんじゃないかと。

「日本人でもeスポーツで活躍できるんだよ」という夢を、日本のゲーマーたちに見させてあげたいなと本気で思っているので、そのために今は赤字でもいいかなと思ってます。

今後はそこを本気で狙っていますので、皆さんぜひ応援してください。


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