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【『LoL』世界大会現地レポート】本番はここからだ! グループステージ前半戦況分析

10月といえばそう、『リーグ・オブ・レジェンド』(『LoL』)ファンにとっては1年で最もエキサイティングな季節。世界中の地域リーグのトップチームが集い、世界最強を目指して争う世界大会「World Championship」(通称「Worlds」)が約1カ月間にわたって繰り広げられる季節だ!


日本を含むマイナーリージョンと5大リーグの第3シードが激突したプレイインステージ(10月1日〜7日)は幕を閉じたが、本当の戦いはこれからだ。韓国は釜山にて、4チーム×4グループが火花を散らすグループステージが、10月10日〜13日までの前半戦を終えた。「Worlds」で最も多くのチームが戦い、明暗に分かれていくこのステージを、取材チームが現地からレポートする。



グループA

Flash Wolves/FW (LMS 第1シード) 2勝1敗
G2 Esports/G2 (EU 第3シード) 2勝1敗
Phong Vũ Buffalo/PVB (VCS) 1勝2敗
Afreeca Freecs/AF (LCK 第2シード) 1勝2敗


MSIで大暴れしてみせたFWが順調に勝ちを重ねる一方で、AFは初の世界大会出場ということもあったのか、1勝2敗でスタートする波乱の幕開けとなった。また、プレイインからの参戦だったG2は、大方の予想と全く異なるゲームメイクを行ってマクロゲームを掌握し、AFとFWに対して勝利を収め多くの視聴者に衝撃を与えた。

最終的にはグループステージに合わせてチームを修正できたというAF、あくまで地力で優位に立っていると思われるFW、EUらしさを全面に出して勝利しているG2が後半にどう戦うのか。G2に勝利して1勝2敗に踏みとどまったPVBがどのような影響を及ぼすのか。グループAは後半も試合ごとに目まぐるしく予想が変わることになるだろう。

グループB

Royal Never Give Up/RNG (LPL 第1シード) 3勝0敗
Gen.G/GEN (LCK 第3シード) 1勝2敗
Cloud9/C9 (NA 第3シード) 1勝2敗
Team Vitality/VIT (EU 第2シード) 1勝2敗


昨年の王者Gen.Gに、2018年に入ってから快進撃を続けるRNG。この2チームが圧倒すると予想されたグループBだが、前半を終えた時点での結果は混沌と言うほかない。

RNGを止めることは至難という点はどのチームも同様だが、VITが春の最優秀新人賞を獲得しているJiizuke選手を中心としたゲームメイクでGen.Gを翻弄し下馬評を覆す勝利を手にしたのだ。結果的に3チームが互いに1勝を取り合う結果となり、すべてのチームにグループステージ突破のチャンスが残ることになった。後半戦はこのグループBからスタートとなるが、場合によってはタイブレークの重なる長い夜になるかもしれない。

グループC

KT Rolster/KT (LCK 第1シード) 3勝0敗
Edward Gaming/EDG (LPL 第2シード) 2勝1敗
Team Liquid/TL (NA 第1シード) 1勝2敗
MAD Team/MAD (LMS 第3シード) 0勝3敗


プレイインからの参戦となったEDGが、それでも名門としての実績に恥じない活躍を見せてTLとMADに対し勝利を納めた。そして迎えた第3試合KT vs EDGは、KTの水も漏らさぬ緻密かつ強力な試合運びによってKTの勝利に終わった。これでKTは無敗で前半を終えることができた。

TLはゲームの入り方は悪くないものの有利を確固たる形で得ることができずに敗れる形が続いてしまった。3試合目のMAD戦では試合の主導権を取って勝利、後半戦での望みをつないだ形となった。

グループD

Invictous Gaming/iG (LPL 第2シード) 3勝0敗
Fnatic/FNC (EU 第1シード) 2勝1敗
100 Thieves/100T (NA 第2シード) 1勝2敗
G-REX/GRX (LMS 第3シード) 0勝3敗


欧州で盤石の体制を築いたFNCと、プレイオフこそ優勝を逃したもののレギュラーシーズンに他チームと一線を画す勝率で優勝争いを演じたiGが配置されたグループD。注目の一戦はiGが制する結果となった。とはいえFNCは翌日にはきっちりと修正を行い、リードを掴んで離さない力強いゲームメイクでGRXを下して2勝を確保した。初WCSとなった100T、GRXはiGとFNCに対して苦しい状況で折り返しを迎えている。結果的にではあるが、連続した日程となったグループステージでNAチームたちは一様に1勝2敗で折り返しという状況である。NA week 2(※)から開放されてノックアウトステージへと進むチームが現れるのか、NAファンとしては気が休まらない状態が続きそうだ。

(※)NA week 2:Worldsに出場してきた北米チームの傾向を凝縮したミーム。グループステージは昨年まで2週間に分けて行われており、北米チームは決まって「1週目に新戦略などで躍進するが、2週目に対策を打たれて失速」という流れで成績が振るっていなかった。今年は日程圧縮のためにグループステージが8日連続で行われることになっており、NA week 2は消滅したと思われているが……?

メタの変遷

プレイイングループ、プレイインノックアウト、グループステージ前半戦と試合を重ねるに連れてゲームの展開や選択されるチャンピオンにいくつかの変化が現れてきている。通常のリーグよりもずっと長い、約1カ月という期間を同じパッチで戦い続ける「Worlds」特有の現象だ。今回の「Worlds」ではどのような傾向が現れているだろうか?

早く、より早いゲーム

グループステージの試合は、プレイインと比較して非常に早く終わるゲームが増えている。LPLチームが出ている試合は特に顕著で、集団戦から一気にネクサスまで至る劇的なゲームとなっている。もちろん、そこに至るまでに十分なリードを獲得しているのだが、その速度も特に早いのだ。一つのレーンで勝利したらその有利をチーム全体に広げて勝つというスタイルが現在の主流だが、その有利を掴むために仕掛ける時間帯は以前よりもずっと早い。この速度に乗り遅れてしまえば一気に試合を失うのが現在グループステージで行われているゲームだ。

トップレーン

圧倒的に強いエイトロックスとアーゴットが中心となり、さらに強力で明確なカウンターが出ていないサイオン・オーンを加えた選択がほとんどを占めている。いずれも少数戦や集団戦を主に考えた選択で強力なチャンピオンたちである。ここにいくつかのフレックスピックによるスイッチや、スプリットプッシュが強いチャンピオン(シェン、カミール)が選ばれている。明確な運用意図によるピックが数試合見られた点以外の変化は少ないようだ。

ジャングル

グループステージ以降、ジャングルの選択は非常に重要となっているように見える。レーンでの有利を確固としたゴールド差へと変換するにはCS差やキル獲得という形を取らなくてはいけない。この際に一役買うのがジャングルだ。早い時間帯にガンクを仕掛けてキル獲得、あるいはサモナースペルの使用といった形でリードを奪えるチャンピオンがここでは選ばれてきている。

以前から強力なジャングルとして挙がるタリヤやノクターンに加えて、シン・ジャオの使用が増えてきた。ダッシュやノックアップを備え少数戦に強いこのシン・ジャオは、序盤からリードを取りたいチームにうってつけなようだ。

一方で、タリヤに対し性質上有利で他のCCにも強いとされるオラフは、使用回数こそ多いものの勝率は奮っていない。相手の行動を強く制限する能力に欠けており、CCをレーナーに頼らなくてはならない点が苦しいようだ。

ミッドレーン

まず特筆するべきチャンピオンは、なんと言ってもイレリアだ。ほぼすべての試合でバン&ピックされており、使用された際の勝率も非常に高い。アカリも同様にかなりの回数バンされているが、勝率は芳しくない。Qのレベルが5にならないとミニオン処理が苦しいという調整が、早い時間から主導権を取ろうという戦略とあまりマッチしていないように思える。

一方で、実際の使用回数で考えるならシンドラはかなり強力と見られているようだ。ガンクを回避する能力はそこまで高くないものの、範囲スタンや大きなバーストダメージを出せるアルティメットが汎用的に機能すると見られているのか、使用された回数はかなり多くなっており、今後も同様の傾向が続くように思われる。

ボットレーン

プレイインでは、カイ=サが非常に強力なピックとして運用されていた。装備が揃えば一見して不利な状況からでも膨大なダメージを叩き出して勝利できるチャンピオンとして記憶している人も多かっただろう。しかし、それはグループステージでは通用していないようだ。リードを取ったら一気に畳み掛けるゲームが増えているグループステージでは、カイ=サがゆっくりと装備を整えるのを待つ余裕はない。

カイサよりも早い時間帯により少ないアイテムで影響力を発揮できるザヤやヴァルスが警戒対象になっているようだ。「穢れの連鎖」という強力なCCを持つヴァルスは、マークスマンの中ではバン回数が多いという結果になっている。この3体以外では、早い時間帯に強い(長引くと苦しい)ルシアンが選択されており、特に終盤向けと見られるトリスターナ&カイ=サに対してそれぞれ1勝している。

サポート

仕掛けていくゲームが好まれているグループステージでは、サポートの選択もイニシエート能力が重要になってきている。タム・ケンチはバン回数こそ多いものの、試合結果はあまり芳しくなかった。活躍している選択としては強力なCCで相手を押し込むレオナが良い結果を出しており、同様にCCが強力なアリスターはバン回数が多く、かつピックされた試合では大きな影響力を見せている。

他にはいわゆるフック系のチャンピオンも増えてきている。スレッシュはもちろん、極めて強力なピックアップ能力持ちのサポートしてノーチラスも数回使用された。

一方で興味深いのはラカンだ。ザヤとの組み合わせをちらつかせるというバン&ピック上の駆け引きに絡んでいるを考慮しても、グループステージでも最大に近い回数の試合で使用されている。度重なる弱体化を受けて数値的には相当に不利な状態のはずのラカンだが、それでも強力なスキルと高い機動力で有用な選択肢として存在し続けているようである。


グループステージ後半は日本時間の10月14日から開始。毎日1グループずつ結果が確定していくスケジュールで、毎日2チームが脱落していくこととなる。前半の趨勢を踏まえ、どのような試合が繰り広げられるだろうか? 圧倒的なチームはそのまま勝ち抜けるのか? 敗北の多いチームは勢いを取り戻せるのか? 熱い戦いの行方から目が離せない。

■関連リンク
LoL Sports
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Worlds 公式Twitch
https://www.twitch.tv/riotgames
【レポート】『リーグ・オブ・レジェンド』世界大会「Worlds 2018」

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