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【TGS2018】韓国eスポーツ育ちの女性ライター・スイニャンが「東京ゲームショウ」で見た日本のeスポーツの今とこれから


ALIENWARE ZONEの読者の皆様、こんにちは。以前にも何度かこちらで執筆させていただいた、ライターのスイニャンです。

今回、私は実に3年ぶりに「東京ゲームショウ」(以下、「TGS」)の取材をしてきました。(ちなみに昨年はステージMC、一昨年は韓国のお客さんのアテンド通訳として来場)

韓国在住時にeスポーツと出会い、10年以上の歳月が経過した今。我らが日本にも、ようやくeスポーツという文化が広まってきたように感じます。取材として訪れた3年前はeスポーツ関連のイベントをほぼ網羅した記憶があるのですが、今年はもう多すぎて物理的に無理だったので、スケジュールの合うものだけに絞って見てきました。

ご存じの方も多いかもしれませんが、韓国のeスポーツは昔から女性ファンがとても多く、私が通訳やライターとして携わっている『League of Legends』(以下、『LoL』)の国内プロリーグ「LJL」も、今や観客の約半数が女性。ほかのゲームタイトルも女性ファンが増えているのだろうか? と気になったのが今回の取材のきっかけでした。

というわけで、ここでは韓国eスポーツを長年見てきたライターとしての目線に加え、会場を訪れていた女性ファンの方々に伺ったお話を中心にレポートしていこうと思います。

PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS(PUBG)

PUBGのゲーム画面

言わずと知れた「ドン勝」を狙う人気のサバイバルTPS・FPS。その国内公式リーグ「PUBG JAPAN SERIES」(以下、「PJS」)の開幕戦が、PUBGブースにて行われました。ゲーマーの皆さんには100人のプレイヤーの中から最後の1人になることを目指す「SOLO」のイメージが強いかもしれませんが、大会は4人1組で戦う「SQUAD」で実施されています。

実況のシンイチロォ氏(左)と解説のSHAKA氏(右)

個人的には、いわゆる「安全地帯」と呼ばれる円がどこに出るかわからないなど、eスポーツにおいて問題となる「運要素」が気になっていたのですが、会場で会った関係者の方々から「試合回数を多くすることで解消している」という話を聞き、目から鱗が落ちました。

また、キルポイントが高くなり「戦闘を避けて最後まで残るよりキルしたほうがいい」という状況に変わったとのことで、以前より見ごたえのあるものとなったようです。

ROUND 1のドン勝はCrest Gaming Xanadu(左からRio01選手、Aries選手、kurad選手、Pureboy選手)

試合を「見せる」という意味でも、ミニマップはもちろん俯瞰画面への切り替えもあるので観戦しやすくなっています。さらに選手の攻撃の軌道が線で表示されるようになったとのことで、ゲームそのものを楽しむには申し分ないと言えるでしょう。

ただ一方で、リーグを「魅せる」という意味ではまだまだなのかな、という感想も抱きました。何より、試合中の選手の顔が会場から一切見えなかったのが個人的に残念でした。ちなみに、韓国の大会では競技席の幅を広くしたり、観客席から競技席が見下ろせる構造にしたりすることで、選手の顔が見えるように配慮されています。

会場に詰め掛けた大勢の観客

そして、気になる女性ファンの割合は全体の2割程度。何人かにお話を伺ったところ、Rascal JesterのBillon選手のストリーマー時代からのファンという方がいらっしゃって驚きました。プロになってからファンがつくというイメージだったのですが、急激にプロ化が進んだPUBGならではといったところでしょうか。

また、移籍が多くチーム単位で応援するのが難しいといった話も耳にしたものの、『PUBG』のeスポーツはまだ始まったばかり。今後環境が整ってくれば、さらに女性ファンが増えそうな予感がします。

ROUND1で惜しくも2位となったRascal Jester(左からSeokingJAWS選手、Billon選手、kendesu選手、Maron選手)

私は時間の都合上、ROUND1しか見られませんでしたが、手に汗にぎる展開で面白かったです。『PUBG』のチームにはまだあまり詳しくないので、これから観戦しながら選手を覚えていきたいなという気持ちになりました。詳しい方に、おすすめの選手やチームをぜひ教えてもらいたいです。やっぱり推しがいると、観戦は何倍も楽しくなると思うので。

Counter-Strike: Global Offensive(CS:GO)

『CS:GO』のゲーム画面

歴史の長いゲームなので名前は聞いたことがあるという人も多いかもしれませんが、テロリスト5名とカウンターテロリスト5名が戦いを繰り広げるFPSです。HyperXブースにて国内の強豪チームであるSCARZ Absoluteが登場し、ファンとともにプレイするイベントが開催されました。

SCARZ Absolute(左からReita選手、crow選手、takej選手、barce選手、poem選手、Laz選手)

先ほどの『PUBG』とは対照的に、こちらは選手が近くで見られて私もテンションが爆上がり。しかもイベント戦なので、みんなでワイワイとても楽しそうなのです。選手から選ばれたラッキーなファンたちが、一緒にプレイを楽しみました。

ただ、破竹の勢いである『PUBG』に比べるとやはり観客は少なかったです。お金の管理などルールが少し複雑なので、とっつきにくさはあるのかもしれません。

楽しそうな選手たち

ところで実は私、韓国で行われた「APAC 2016 Regional Qualifiers」という大会で『CS:GO』チームの通訳をしたことがあり、顔見知りのメンバーが数名いたりします。こちらに気づいた彼らがカメラに向かってポーズをとってくれるなど、本当に気さくなうえに個性も実力も兼ね備えているので、個人的にすごく応援しているチームです。

crow選手

本当に全員好きなんですけど、個人的には若干crow選手推しです。普段は笑顔で可愛いのに、試合になるとすごく鋭い眼光に変わるギャップ萌えタイプの選手だと思います。最近出場した「Faceit Major 2018 Asia Minor」という国際大会では、NETGEAR MVP賞にも選ばれているほどの実力者。選手が活躍してくれると、さらに応援のし甲斐があるというものです。

プロゲーマーとプレイできるチャンスに我こそはと手を挙げるファン

残念ながら、観客のなかで女性はほぼゼロに近い感じだったのですが、意外に多かったのが少年たち。ひとりの小学生と思しき男の子に話を聞いたところ、『CS:GO』は知ってるけどプレイしたことはないのだとか。それでも「将来の夢はプロゲーマー」と元気に答えてくれました。

ちなみに韓国では、教育部と韓国職業能力開発院の2017年の調査で「小学生のなりたい職業」8位に「プロゲーマー」がランクインしています。プロゲーマーが日本の子どもたちの憧れの職業になる日も、そう遠くないかもしれません。

ストリートファイターV アーケードエディション(SF5 AE)

『ストV』のゲーム画面

こちらは日本のゲームなので、さすがに知っている人も多いことでしょう。1対1で対戦する2D格闘ゲームです。今回、「CAPCOM Pro Tour 2018」の大会のひとつである「ジャパンプレミア」の予選大会が国際会議場のコンベンションホールBにて開催されました。

出番を待つ韓国人選手たち

ここまで見てきた『PUBG』『CS:GO』と大きく違ったのは、何といってもグローバルな雰囲気でした。年間でポイントを競うツアーの一環なので、世界各地から選手が集まっているのです。個人的には、今年7月に行われた「RAGE SFV All-Star League 日韓エキシビションマッチ」にて通訳をさせていただいたのがきっかけで知り合いになった韓国人選手たちに会えたのが嬉しかったです。

ALIENWARE ZONEでもおなじみネモ選手の姿も

もちろん一番多かったのは日本人選手。強くて有名な選手が本当にたくさんいるので、観戦するほうのテンションも自然とアップしてしまいます。しかも予選なので、ものすごく近くでプレイを見ることができるのです。格闘ゲームは未プレイでもわかりやすいので、知識があまりなくても観戦を楽しめる点が魅力と言えるでしょう。

ふ~ど選手

格闘ゲームの選手たちは、本当に魅力的な人が多いんです。仕事上でお会いしたことのある選手もたくさんいるのですが、とにかく皆さん優しい。年齢的に上の選手が多いからかもしれませんが、取材しやすいよう配慮してくれたり、取材そのものに対して感謝してくれたり、独特の温かい雰囲気があります。硬派で激しい格闘のイメージとはかなり違っていて、最初とても驚いたのを今でも覚えています。

予選会場では複数の試合を同時進行で実施

とは言っても、こちらの会場も女性の観客は1割程度といったところ。やっとのことで見つけた女性ファンの方にお話を伺ったところ、いわゆる「動画勢」は最近増えているとのことでした。

面白かったのが、格闘ゲーム好きで有名なゴールデンボンバーの歌広場淳さんの女性ファンたちが格闘ゲームを観戦するようになっているという話。韓国でもeスポーツ好きの芸能人が多く、ファンが影響を受けることも少なくないので、今後歌広場さん経由での女性ファンの増加が期待できるかもしれません。





ここまで一般の会場レポートとは一風変わった形でお届けしましたが、いかがだったでしょうか。

私は長いこと韓国を中心にeスポーツを見てきましたが、これからはもう少し日本にも目を向けてみようという気持ちになりました。そしてeスポーツが大好きな女性のひとりとして、もっと多くの女性にいろいろな形で自由にeスポーツを楽しんでもらいたいという願いをこめて、このレポートを締めくくりたいと思います。