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新潟の学生向けイベント「NSG夏フェス」にeSportsが初出展! 多くの若者で賑わったRIZeSTブースをレポート!

2018年7月14日~15日、新潟市・朱鷺メッセで開催された「NSG夏フェス 業界・お仕事体験&大学園祭 2018 in トキメッセ」にて、eスポーツエンターテイメント事業を展開する株式会社 RIZeST(ライゼスト)がeSportsブースを出展した。

毎年開催されている「NSG夏フェス」にeSports分野が出展されるのは、新潟では今回が初めて。RIZeSTが主催したeSportsブースでは、eSportsという業種にまだ馴染みのない若者向けのセミナーのほか、eSports対戦体験会、eSportsお悩み相談会などが実施された。この記事では、14日の同ブースの模様をレポートする。

▲「NSG夏フェス」はNSGカレッジリーグが運営する学生向けのイベント。同グループが展開する専門学校と多数の企業がコラボし、様々な業種の体験会や生徒による制作物の展示などが行われた

セミナー「eスポーツってなに?」

RIZeST PR部の菊川氏による「eスポーツってなに?」と題して行われたセミナーでは、最初にeSportsと一般的なスポーツの類似性について解説。世界的に盛り上がっているeSportsの大会の動画を見せながら、今日のゲームが「暗い部屋でひとりでプレイするもの」といったイメージから、いかにかけ離れているかが説明された。

▲eSportsという言葉に初めて触れる若者にもわかりやすいように、多くの動画を交えながらeSportsの概念やシーンの盛り上がりについて解説

「ゲーム」から名前を変えた「eSports」とは「エレクトロニック・スポーツ」の略称で、広義には電子機器を用いて行う娯楽、競技、スポーツ全般を指す言葉であり、ビデオゲームを使った対戦スポーツ競技として捉える際の名称であることを改めて説明。

元来、スポーツとは遊戯・競争・肉体鍛錬の3つの要素を含むものとされているが、eSportsもこの3つの要素を含んでいるのではないかという点について、サッカーとeSportsの比較・検証が行われた。

▲スポーツには「遊戯・競争・肉体的鍛錬」の3つの要素が含まれるという。eSportsも構成要素はほぼ同じ

サッカーはスポーツである以前に遊びであり、子どもから大人までが娯楽として楽しんでいる。eSportsも同様に、部屋でひとりで遊んでいる人もいれば、会場に何十人、何百人という人が集まってプロ選手のプレイを観戦するような楽しみかたもある。そこでは、プロゲーマーとファンとの交流会も行われたりしている。

これは日本でもすでに起きていることだが、海外のeSports先進国ではさらに大きな規模で行われていて、たとえばヨーロッパで行われたDreamHackというイベントでは、何万人という人が会場に集まり好きなゲームをプレイしている。参加者の年齢も12歳から80歳(!)と幅広く、性別・年齢・人種などあらゆる壁が取り払われた場に皆が集まって遊んでいるとのこと。

「肉体的鍛錬」の点でも共通性がある。あるサッカー選手は一日に9時間の練習時間を取っているが、あるプロゲーマーのスケジュールを見てみると1日10時間の練習時間を取っており、それはゲームをプレイするだけの時間ではなく、肉体鍛錬にも充てられているという。eSportsの大会期間中は何時間・何十時間とマウスやキーボードを動かし続けることで周囲の想像以上に体力を消耗するため、それによるパフォーマンスの低下を防ぐためだ。プロゲーマーが集まって生活するゲーミングハウスでは、手首や指先を鍛える運動、長時間の大会にも耐えられる基礎体力作り、負けているときのメンタルコントロールなど様々なトレーニングが行われているという。

そして、もっとも重要である競技性という部分。サッカーのワールドカップでは、大きなスタジアムで多くのスター選手が試合を行い、それを応援するファンが存在し、試合後には勝った側にも負けた側にもリスペクトが贈られる。ではeSportsではどうかといえば、すでに日本国内でもそれに近いことが行われており、たとえば『リーグ・オブ・レジェンド』というタイトルでは、昨年幕張メッセに約4000人の来場者を集めて試合が行われた。世界的に見れば数万人規模の大会も珍しくなく、試合が終われば、敵同士だったプレイヤーも握手や抱擁を交わす。

このように、eSportsは体を使うスポーツと何ら変わりのないものである。そして、eSportsシーンにもそれを支えるさまざまな仕事、職業が存在するという説明を加えてセミナーは終了した。

▲一般的には、まだeSportsの仕事=プロゲーマーという認識が強いが、実際はそれ以外にもたくさんの仕事が存在する

セミナー「eスポーツのお仕事」

ふたつ目のセミナーのテーマは「eスポーツのお仕事」。RIZeSTプランニング&プロダクション部の大津氏より、eSportsにおける仕事の実例がいくつか語られた。

▲アメリカ留学中にeSportsに衝撃を受け、eスポーツ専用施設でのアルバイトを経てRIZeSTに就職したという21歳の大津氏。eSportsとの出会いが人生を変えたという

RIZeST大津氏の仕事は、eSportsのディレクター。eSportsの現場では、演出スタッフや技術スタッフ、運営スタッフなど、それぞれの立場の人間がゼロから意見を出し合ってよりよいものを作っていくスタンスが取られているという。

たとえば、大津氏が演出ディレクションを手掛けている『リーグ・オブ・レジェンド』のチャレンジャーシリーズという大会。これは、いわゆるプロと呼ばれる一部リーグへの登竜門となる大会なのだが、この大会に参加するチームはつねにチャレンジをしている。であれば、その試合を配信する技術スタッフもチャレンジすべきではないかという考えのもと、たとえばゲーム内のモンスターが再び出現するタイマーを作ったほうがいいのではないか、大型モンスターが出現する際にアップでアニメーションを流すほうがよいのではないかと、日々スタッフと衝突を繰り返しながらも、より大会を盛り上げるために様々なチャレンジを行っているという。


もうひとつ、大津氏がディレクションしている仕事がある。それは「オブザーバー」と呼ばれるeSportsのカメラマンだ。オブザーバーは、ゲーム側で用意された機能を使って試合の映像を撮影するが、毎試合、決着までの展開やシチュエーションが異なるため、「こういう段取りで、こういうふうに撮る」といった台本は存在しない。

たとえば『PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS(通称:PUBG)』というバトルロイヤルゲームでは、最大100人のプレイヤーがひとつのマップに存在し、いつどこで戦闘が起きるかわからない。そのため、オブザーバーはフィールドの俯瞰情報をもとに、つねに戦闘が発生する場所を予測する必要が出てくる。「車両が向かっている先に他のプレイヤーが隠れている」→「車両に攻撃が命中した場合、車両が爆発してプレイヤーが脱落する可能性がある」→「そのプレイヤーは脱落を避けるため、車両を捨てて応戦するだろう」といったような考えかたで、状況を予測していくという。

また、オブザーバーはふたりいて、通常のプレイヤー視点で撮影するカメラに加え、空撮と呼ばれる、視聴者に戦闘が起きている場所を見せるためのカメラも存在する。戦闘発生時には、両カメラがどのプレイヤーを対象にし、どの角度から戦闘場所を映すかといった相談を瞬時に行わなければならない。eSportsのカメラマンであるオブザーバーは、撮影技術に加えて、ゲームを深く理解し、どういった視点の映像が大事かを分かっていないと成り立たない仕事である。そういった理由から、ゲームが本当に好きな人にこそオブザーバーという仕事を目指してほしいと語られた。


元々ゲーマーだった大津氏も、現職に就く前は「趣味を仕事にすると趣味が嫌いになる」だとか「趣味と仕事は両立できない」と周囲から言われ続け、悩んだことがあったという。だが、何カ月も求人を見ながら最後に出した答えは「今挑戦しなかったら一生挑戦できない」。実際に仕事にしてみたところ、好きなゲームの知識をさらに深めていかないと面白いものを見せられないことを知り、仕事にする前よりもゲームにハマってしまったとのこと。

「趣味を仕事にするのって全然悪いことじゃないと思うし、むしろそれが好きな人じゃないと見せてあげられないものっていっぱいあると思うんです。なので今、eSportsを仕事にするか悩んでいる方、ゲームが好きなだけでeSports業界に入っていいのかって考えている方は、ぜひ挑戦してみてください。僕はすごく、今が楽しいです」というエールで講演を締めくくった。

会場ではeSports対戦体験会も実施

eSportsブースでは、『ストリートファイターV』や『グランツーリスモSPORT』といったタイトルの体験コーナーを常設。取材を行った14日は即興の勝ち抜き対戦イベントなども行われ、盛り上がりを見せていた。

また、普段あまりゲームをしないような人にも大勢で集まってゲームをプレイする楽しさを知ってほしいとの狙いから、eSportsという枠組みの中ではあまり目にしない『ボンバーマン』などの体験コーナーも用意され、学生グループや家族連れなど多彩な層が対戦を楽しんでいた。

▲一番人気は『ストリートファイターV』。ただ、職業体験会というイベント柄なのか、今まで格闘ゲームをプレイしたことがないという参加者も意外に多かった

▲観客がいる前でゲームをしたり、それを大型スクリーンで観戦するという行為自体が新鮮だった参加者も多かった様子。eSportsの魅力の一端を気軽に体験できた

▲『グランツーリスモSPORT』コーナーには、ゲームに登場するマクラーレン 57OGTの実車もお目見え。シートに試乗することもできた

▲すぐに遊べて、見ているギャラリーにもわかりやすい『ボンバーマン』。開場直後からずっとプレイされ続けていた

「RIZeSTお悩み相談会」で実際に相談してみた

RIZeSTブースでは、参加者からの質問に答えるQ&Aコーナーも実施されていた。今回は取材した記者が学生の気持ちになってRIZeST社員の方に相談に乗ってもらったので、その回答をもって取材レポートの締めくくりとしよう。

Q.  プロゲーマーになるにはどうしたらいいんですか?

A. プロになる条件としては、今は日本eスポーツ連合(JeSU)という団体が資格を発行しているゲームがあり、そのライセンスを取得する方法があります。また、それ以外にも企業からスポンサードを受けるとか、プロチームに入ることでもプロと呼べます。

ゲームが好きでそれを仕事にしたいっていう場合は、自分から企業にアピールすることも重要です。関東の話になりますが、こういうイベント会場に来た場合、たとえばプロチームのオーナーなどがいらっしゃることも結構多いんです。なので、いろんな人に積極的に話しかけたり、企業ブースでこういうことをやりたいんです、みたいな相談をしていただければ「じゃあ、ウチでやってみない?」と声がかかることがあります。やりたいから待っているという姿勢だと、なかなか難しいかもしれません。

Q. eSportsに興味をもって、将来関連する仕事に就きたいと思いました。実際、仕事にできる可能性はどれくらいあるんですか?

A. 正直なところ、未知数です。たとえば一般の制作会社はたくさんありますが、eSportsに特化した制作会社はまだ数えられるくらいしかないというのが現状です。

ただ、発展途上の業界なので、既存の会社もどんどんeSports業界に入ってきています。最近であれば、日本テレビさんがeSports参入する発表がありましたが、いろいろな場所からの窓口が増え始めているという意味では可能性は上がってきています。もし絶対にeSports制作会社に入りたい! というのであれば、たくさんのイベントを見に行っていただいて、自分の中でこんなのを作ってみたい! っていう思いを描いたうえで、いろんな制作会社の門を叩いてほしいです。

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この他にもたくさん相談・疑問に親身になって答えてくれたのだが、スタッフの皆さんが口をそろえて話していたのが、「自分から積極的に行動すること」の大事さ。これからeSportsに関わっていきたいと考えている人は、今後イベントに足を運ぶ際にぜひ思い出してほしい。

■関連リンク
NSG夏フェス2018
http://mydreams.jp/summerfes2018/
RIZeST
https://www.rizestinc.com/
RIZeST 公式Twitter
https://twitter.com/rizest_inc

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